モネ展を10倍楽しむために知っておきたいマメ知識7選

東京美術館で9月19日から12月13日まで開催されている「モネ展」。

モネの作品の中でも特に有名な作品の一つ、「印象-日の出―」が日本で展示されるのは21年ぶりなんだとか。

印象派を代表する画家であるモネ、皆さんはどのくらいご存知でしょうか。

今回はモネの作品が初めて、という方に向けて、モネ展が10倍楽しくなる事前に知っておくべきマメ知識を7つご紹介します。

モネと「印象派」

もね1
(出典:http://www.biography.com/people/claude-monet-9411771)

モネは美術史の中で「印象派」を形成した時代を代表するフランスの画家です。

印象派と呼ばれている画家はモネのほかに、セザンヌ、ピサロ、ルノワールといった画家がいますが、「印象派」という言葉ができたきっかけとなったのは今回のモネ展の見どころでもある、モネの代表作の一つ、「印象-日の出―」でした。

なぜこの作品が「印象派」を生み出すことになったのか、この作品が世界に与えた影響などはぜひ「モネ展」でチェックしてみてくださいね。

「印象派」の考え方

それでは「印象派」というのはどのような考えでしょうか。

モネが活躍した19世紀後半まで、それまでの美術作品に対する考え方というのは、例えばイタリアのルネッサンス絵画のように、ローマ・ギリシャの古代文学の復興に刺激された人文思想に基づいたテーマで描かれたり、また写実主義と呼ばれるような、「あたかも本物であるかのうような」描き方が一般的でした。

モネ2(出典:http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~fujikawa/03/sem/08/sem06.htm)

そこには、

「絵画というのは、実際の人や物を平面のキャンバスに、あたかも本物であるかのように描くもの」という考え方が浸透していたように思います。

上の絵画は、写実主義の作品の一つ、ミレーの有名な「落穂拾い」です。こちらはモネと同時代の19世紀半ばに発表された作品です。写真を見ているかのように、今にも中の農婦が動き出しそうな感じですよね。

これに一石を投じたのがモネに代表される「印象派」という画家たちでした。

印象派というのは、それまでの写実主義とは異なり、簡単にかみ砕いて言いますと、

「絵画は何も実物をいかにそのまま描き出すか、ということだけではなく、キャンバスの平面を使って描きたいものを表現したもの」

という考え方に近くなります。つまり、実物そのものだけではなく、何か描き手が感じたものが表現されていることになります。

例えば、モネはたくさんの風景画を残していますが、モネが精力的に取り扱ったテーマの一つに「光」があります。

モネは絵画で、たとえば光が水面に反射している様子など、自然が絶えず変化して織りなしている姿を絵画に表そうとしました。

モネ3(出典:http://izucul.cocolog-nifty.com/balance/2015/02/post-1fed.html)

モネはオランダに訪れた際に、そのチューリップ畑の景色にほれ込み、それを題材とした絵画をいくつか作成しました。上の写真の絵がその一つです。よく見ると、風とチューリップが同じ斜線上に描かれていますよね。これによって風を感じることができます。

「印象派」の特徴

印象派の絵画の特徴として、大きく二つの特徴をご紹介します。

影の否定

通常、絵画において「影」の存在はとても重要です。なぜなら、明るい部分にハイライトを置き、暗い部分に「影」を描くことで、平面のキャンバスにも立体的な空間を作ることができるからです。また、黒の濃淡で影や立体感をよりリアルに描く手法も一般的です。

それに比べて、印象派では「影」というのは極力作ることはしていません。印象派では暗い色というのはあまり使われていないためです。

色を混ぜることの否定

また、色は混ぜれば混ぜるほど暗い色になっていきます。たくさんの色を混ぜると、いずれは灰色になって黒に近づいていくのは皆さんの経験からもイメージが付くかと思います。

暗い色を好まない印象派の作品では、なるべく色を混ぜずに原色をそのままキャンバスに使い、色を混ぜる代わりにキャンバス上で配置して描く「色彩分割」という技法が取り入れられています。

モネを代表とする印象派の作品は、どこか色が鮮やかでふんわりとしたイメージがあるかと思いますが、それは色を混ぜずにそのまま表現しているからなんですね。

モネの生涯

さて、モネはフランスで生まれますが、その生涯はいろいろな場所を転々としながら作品を作成したり、いろいろな人とのつながりにも支えられながら、波乱万丈な人生でした。なにより、モネは長寿で、86歳でその生涯を閉じています。

そんなモネの生涯を簡単にご紹介します。

苦難と貧困の苦労時代が長かった

モネは若いころに学校のノートに色々な人物のカリカチュア(戯画、風刺画)を描いていました。そこに才能を見出したブーダンに、風景画を描くよう導かれるなど、才能を認める人は常に周りにいました。

その一方で、いわゆるサロン(官展)への出展に落選することも多く、そのたびに金欠に陥っては厳しい生活を強いられてきました。

「印象派」という言葉を生み出したということは、それまでには無かった新しい潮流を生み出したことの表れです。しかし、それは同時に、その当時の人々の理解や支持を集めることが難しかったことも想像できます。

モネは晩年にようやくお金の心配をしなくてよくなるまでに、彼の支援者や画家の仲間(特にマネ)に金銭の援助をお願いする手紙を出したり、官展への出典や、展示会の開催で作品を売ったりするなど、いろいろな方法で苦労してお金を集める必要があったのです。

モネを支えた人たち

モネ (出典:http://rosielily.hatenablog.com/entry/2015/03/13/001728)

モネは若いころから、ルノワールやピサロ、マネといった画家たちと親交がありました。

とくにマネは、モネに金銭的な支援をするなど、モネの画家としての活動を支えた仲間の一人でもあります。

もう一人、モネの活動を支えたのが、彼の支援者の画商であるデュラン・リュエルという人物でした。彼はモネの作品を高額で購入することで資金的な援助をしたり、モネのために画廊を開くなど、長期間にわたってモネを支えた人物です。上の写真の一番右がモネ、その隣にいるのがデュラン・リュエルです。

デュラン・リュエルは、モネだけでなく当時の印象派とよばれた画家たちを多く支援し続けました。もちろんそれなりにお金は持っていたのでしょうが、それでも5人の子どもを抱え、また経済状況が悪化した時もあった中で、継続して画家を支援するというのは並大抵のことではできません。

印象派は現在でこそ美術史に残る偉大な作品と位置づけられるものも多いですが、当時のヨーロッパでは現在ほど評価がされていたわけではありません。そんな中でモネを支援し続ける熱意や思いを持ち続けたデュランの偉大さはぜひ知って頂きたいところです。

また、彼のこの支援活動が、その後のアメリカのヨーロッパへの急接近によって報われることになります。当時のヨーロッパの文化を積極的に取り入れようとしたアメリカ人が、デュランを通じて印象派の作品をアメリカに広めるきっかけになったのです。

モネと連作

後期のモネの作品から、連作が登場します。連作というのは、同じ題材の作品を複数作成することです。

モネの後期から晩年にかけての作品で有名な「睡蓮」も連作の一つです。

「モネ展」では「睡蓮」や「日本橋」、「しだれ柳」といった連作も展示されていますので、見比べてみるととても面白いと思います。

モネは生涯にわたり、いろいろなテーマを絵画に追及してきました。

光、水、雪、水面と水の中にある水草などなど。そのどれもが自然に関連するものです。モネは自然が織りなすいろいろな姿を、なんとか絵画に収めようとしたかったのかもしれません。

「モネ展」に行くべき理由

さて、モネや印象派についていろいろご紹介をしてきましたが、最後にぜひ「モネ展」に行って実際に絵画を堪能していただきたい理由をいくつか述べさせてください。

写真と実物はまったく違う

モネの代表作の一つ、「印象-日の出―」はインターネットや書籍でもその写真を味わうことができます。

しかしながら、実物の絵が生み出す印象は写真とは全く異なります。

モネの作品は多くがカンバスに描かれた油絵ですが、そのダイナミックさや絵の具の生々しさといったものは写真ではとても表すことができません。

実物の「印象-日の出―」は写真で観るよりももっと色合いが淡く、真ん中に小さく描かれている太陽も明々と輝いて見えます。まさに「日の出とともに活気が出てきた港」の雰囲気が見事に出ています。

写真では実物の大きさはなかなか伝わりません。特に「睡蓮」のサイズはどれも大きく、実物とその大きさからあふれ出ている雰囲気というのは写真では味わうことができません。

モネの生き様が感じられる

「モネ展」では、いくつかのテーマに沿ってモネの作品を多く展示しています。

ですが、その作品の印象やタッチはモネの人生の中で確実に変化しています。そこには当然、モネの人生での分岐点やその時の感情といったものが影響していると思いますが、それを間近で感じることができます。

 

いかがでしたでしょうか。

印象派を代表するモネ。その作品を日本で楽しむことができます。

普段はなかなか美術と触れ合う機会がない方も、この機会にぜひ一度「名画」と呼ばれる芸術に触れてみてはいかがでしょうか。

 

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