ひとり旅コラム

青春18きっぷを使って旅しよう!(2.青春18きっぷの魅力)

簡単に青春18きっぷの使い方と概要についてご紹介した前回に引き続き、今回は青春18きっぷが今なお根強い人気を持っている理由、コスパ面での効果について詳しくご説明します!
さらに、青春18きっぷの利用期間と合わせて臨時運行される夜行列車、ムーンライトながらを利用した移動についてもご紹介します!

1.【青春18きっぷの魅力】①コスパがすごい!

青春18きっぷは5回分がセットで1枚のきっぷになっており、値段は12,050円。つまり、1回あたり有効期限は使った日の当日中までで、2,410円の計算になります。

日常の中で電車に乗るときはせいぜい数百円程度しか使っていないことを考えると、この値段は「高い」と思うかもしれません。確かに、普通に近場まで買い物に行く場合などは青春18きっぷを利用する必要はありません。

青春18きっぷの魅力はあくまでも鉄道の「旅」。つまり、遠くに行けば行くほどこの切符のコスパが発揮される設計になっているのです。
それではどのくらいの区間を青春18きっぷで使えばお得になるのか、具体的に見ていきましょう。

元を取るのは意外と簡単

それではまず「元を取る」ために必要な区間について見ていきましょう。

往復で考えた場合

往復で考えると、片道1,205円で元が取れてしまう計算です。これはどこまでの運賃かというと・・・

東京発の場合

水戸:2,310円
高崎:1,980円(上野東京ライン利用時)
熱海:1,980円(東海道線利用時)

茨城県や群馬県、静岡県までだと余裕で元が取れますね。

二宮(東海道線):1,342円
奥多摩:1,265円
このあたりが、元がとれる境界となります。

大阪発の場合

姫路:1,520円
和歌山:1,270円

いかがでしょうか。ちょっと日帰りで気軽に足を伸ばせそうな距離ではないでしょうか。

青春18きっぷだと特急列車には乗ることは出来ませんが、新快速や快速を使えば、1~2時間で上記の片道を行くことが可能です。

特急列車を使わずして驚異の移動距離

青春18きっぷは特急列車には使えず、普通列車のみしか乗車ができません。

「普通列車で1日しか使えなかったら、たいした距離も行けないんじゃないの?」

と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ここが青春18きっぷのすごいところでもあります。

東京⇒東北方面

東京から出発して、東北方面に向かう場合、特急を使わなくても1日で青森まで到達することができます。

東京から青森までは東北本線がメインになってくるのですが、現在はJR線だけでは盛岡までしか行くことができません。

ですので、盛岡までは青春18きっぷのみ、それ以北は他の鉄道の乗車券の追加料金がかかります。

ざっくりですが、盛岡・青森までのルートをご紹介すると・・・

東京⇒上野(山手線)⇒黒磯(宇都宮線)⇒福島(東北本線)⇒仙台(仙台シティラビット:快速)⇒盛岡(東北本線):8,580円
さらに盛岡から⇒八戸(IGRいわて銀河鉄道)⇒青森(青い森鉄道):5,590円

合計するとこのルートの場合、普通列車を乗り継いでいくと通常14,170円かかる計算になります。

一方、青春18切符を使うと、

盛岡⇔八戸間のいわて銀河鉄道が3,110円別途かかる以外、他の区間は青春18きっぷで乗車が可能です。(八戸⇒青森間の青い森鉄道も、特例で青春18きっぷでの乗車が可能。)
ですので、3,110円+青春18きっぷ2,410円の合計5,520円しかかかりません。

時間はかかりますが、正規運賃の60%近い割引を受けていることになります。

2.【青春18きっぷの魅力】②夜行列車に乗ることができる!

東京から名古屋・大阪へももちろん青春18きっぷを利用して普通列車を乗り継いで行くことが可能です。

ですが、東京から大阪までとなると途方もない時間がかかりそう、と思うかもしれません。コスパは良いものの、移動に途方もない時間がかかってしまってはせっかくの旅が、移動だけで疲れてしまったり、また現地で観光する時間が少なくなってしまいます。

ですがご心配なく。ここで青春18きっぷならではの移動方法があります。それが、今となっては珍しくもある、夜行快速による移動です。その名も

ムーンライトながら

この列車は東京⇔大垣間をつないでいる夜行列車なのですが「快速」列車なので、青春18きっぷを使って乗車することができます。
ただし、全席指定席のため、指定席券(530円)を別途購入する必要があります。

また、「ムーンライトながら」は青春18きっぷが使える期間毎日運行しているわけではなく、運行日はさらに限定されます。

ちなみに2020年度春の運行予定は

下り(東京23時10分発→大垣翌5時45分着):2020年3月20日(金)~2020年3月28日(土)
上り(大垣22時48分発→東京翌5時05分着):2020年3月21日(土)~2020年3月29日(日)

です。

全席指定席のため、あらかじめ指定券を購入しておきましょう。ムーンライトながらの乗車レポはこちらの記事をご参照ください。

青春18きっぷの強~い味方!夜行快速ムーンライトに乗ってみよう!(基本編)
青春18きっぷの強~い味方!夜行快速ムーンライトに乗ってみよう!(予約編)
青春18きっぷの強~い味方!夜行快速ムーンライトに乗ってみよう!(実践編)

東京⇒名古屋への青春18きっぷを利用しての移動

東京から名古屋に向かう場合、このムーンライトながら1本で行けちゃいます。楽ですね!

ただし、注意しないといけないのは、東京から乗車(23:10発)の場合、日をまたいでしまうため、青春18きっぷ2枚を使うことになります。

仮に青春18きっぷを2枚使うと・・・

2,410円×2枚=4,820円
指定券530円
となり、合計5,350円かかります。

いっぽうのムーンライトながらの普通運賃は、東京⇒名古屋で6,910円。終点の大垣まで乗車した場合は8,010円となります。

名古屋までだと約20%割引、終点の大垣まで行くと約30%もオトク!さらにそこからの普通列車への乗り継ぎもそのまま青春18きっぷを使えるので、さらに遠くへ移動すればするほどお得になるわけです。

ちなみに、ムーンライトながらの下り線では、日付が変わって停車する最初の駅が小田原駅になりますので、東京⇒小田原間のきっぷ1,520円を別に購入しておけば、青春18きっぷは1回の利用で済みます。

東京⇒大阪

東京から青春18きっぷを利用して名古屋、さらに大阪へ向かうには、ムーンライトながらの終着駅、大垣駅から以下の通り乗り継いでいきます。

大垣⇒米原(東海道本線)⇒大阪(琵琶湖線・新快速)

で2,640円です。

青春18きっぷ2枚を使うと、名古屋と変わらず料金は5,350円。

一方の正規運賃の場合、

東京⇒大垣:8,010円
大垣⇒大阪:2,640円

で合計10,650円かかります。

青春18きっぷだと、なんと50%近い割引料金で大阪まで行けてしまう上に、夜中の時間を利用しての移動なので時間的にも効率良く移動することができます。まさに一挙両得ですね!

東京⇒博多まで青春18きっぷを利用して移動する場合

ムーンライトながらを使うと、大垣に到着したその日のうちに博多までの移動も可能です。簡単にルートをお伝えすると、

大垣⇒米原(東海道本線)⇒姫路(琵琶湖線)⇒岡山(山陽本線)⇒岩国(山陽本線)⇒下関(山陽本線):10,340円
⇒小倉(鹿児島本線)⇒博多:1,500円

その場合、大垣⇒博多までの運賃は11,840円。ムーンライトながらの正規運賃と合計すると、19,850円の計算になります。

いっぽう、青春18きっぷを使うと料金は名古屋・大阪と変わらず5,350円。

ここまでくると、青春18きっぷのオトク感が爆発しますね。なんと正規の1/3以下の料金で行けてしまう計算です。

いかがでしょうか。移動すればするほどオトクになるだけでなく、夜行列車を利用して効率よく移動できてしまうのも青春18きっぷの魅力です。

3.【青春18きっぷの魅力】③途中下車をしてみよう!

途中下車が何度でも

青春18きっぷの最後の魅力、それは途中下車が何度でも、好きなだけできるということ。少しお腹が空いた、ちょっと気になる雰囲気の駅に着いた、などなど、気の向くままに降りたい駅で降りて、改札できっぷを駅員さんに見せるだけでOK。
再び乗車する時も駅員さんに見せるだけで乗車できます。

実はこの途中下車、なかなか味わうことのできない経験です。というのも通常、JR線では片道100キロの営業距離を超えない場合は途中下車が認められていません。

100キロというのは東京都を出てもまだ足りないぐらいの距離なうえ、東京や大阪といった大都市では、「大都市近郊区間」という定めがあり、たとえ100キロを超えていたとしてもこの区間内での途中下車は出来ません。

ですが、青春18きっぷの場合、どんな駅でも、何度でも途中下車が可能です。たとえば、山手線を一駅ずつ途中下車することだってできます。

この途中下車し放題、実はかなりのオトクなルールなんです。普通は途中下車は認められないため、途中の駅で下車した場合、その駅から再び乗車するとまた乗車料金がかかってしまいます。

先ほどの山手線の極端な例で行くと、例えば東京からお隣の神田駅で降り、また神田駅から乗車して隣の秋葉原へ移動すると、136円+136円で272円の乗車料金がかかってしまいます。これが青春18きっぷの場合、1回分で行けてしまうというわけです。

さすがに短距離の乗り降りでは元を取ることができませんが、適度に移動しながら途中下車を繰り返せば、最初にご紹介した元を取る区間に行くまでもなく元が取れてしまうことになります。

せっかく途中下車し放題の青春18きっぷ。ぜひ予定外の途中下車をして思わぬ旅の発見をしてみるのも面白いのではないでしょうか。

いかがでしょうか。いかに青春18きっぷがオトクで、その凄まじさが群を抜いているかお分かりいただけたことと思います。
青春18きっぷは普通列車しか利用できないため、移動に時間がかかることと、それなりの体力を使うので疲労もある程度出てしまうというデメリットもあります。せっかくの旅なのに疲れがたまっては思う存分楽しむこともできません。
青春18きっぷを利用するときは、コスパだけに気を取られることなく旅を楽しむ目的でうまくあなたに合った利用をしてみてください!

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