日本一の山、富士山の山頂から御来光を迎えたい。長年ぼんやり抱えていた思いをついに実現すべく、富士山登山へ。
今回は登山初心者が初めて富士山を登った1日目の様子、吉田口五合目から八合五勺にある山小屋、御来光館にたどり着くまでをご紹介します。
富士山登山(吉田ルート):今回の行程(スケジュール実績)と主な持ち物
2日間のスケジュール実績概要
世界遺産・富士山の山頂までの登頂ルートは1つではないことはご存じでしょうか。今回ご紹介する登山レポートは、4つある登山道の中でおそらく最も登山客が多い吉田ルートからの登山となります。
吉田ルートの特徴として、宿泊拠点となる山小屋が多いことと七合目、八合目に救護所があるので初心者にも安心なルートになっていることが挙げられます。
富士山の山頂まで登山される多くの方の目的が、富士山から望む御来光ではないでしょうか。今回は富士山の山頂で御来光を望むことを目的としてスケジュールを組みました。主なスケジュールとプチ参考情報はこちらです。
1日目:2025年9月7日(日)
🚌 9:05~11:40 バスタ新宿 → 富士山五合目(標高2,305m)
富士山到着!空気がヒンヤリして気持ちいい!
🏔 11:40~13:20 登山準備(着替え / トイレ / 昼食)
いざ出発!
🚶 13:20~14:03 五合目 → 六合目(標高2,390m)
緩やかな登山道だけど、こまめに休憩
🚶 14:03~15:20 六合目 → 七合目(標高2,700m)
ここから山小屋が出現、休憩の頻度もここからさらに細かく
🚶 15:20~17:20 七合目 → 八合目(標高3,040m)
ここからは登山道というより崖登り、、かなりきつい
🚶 17:20~19:00 八合目 → 本八合目(標高3,380m)
日も落ち、気温もぐっと下がる。厚着+ライト着用。空気も明らかに薄い
🏠 19:00~19:40 本八合目 → 八合五勺(宿)(標高3,450m)
崖登りから斜面に沿った登り道になるけど、きつい
🍽 20:00~22:00 夕食・休憩
予約していた山小屋(御来光館)で夕食。びっくりするぐらい美味しく感じる!缶ビール飲みました。
😴 22:00~翌2:30 就寝
隣と仕切りカーテンがあるものの、ほとんど寝付けず、、まだ興奮冷めやらぬ感じも
2日目:2025年9月8日(月)
🌄 2:30~3:30 起床・朝食
2時半に起床するとすでに続々と山頂に向かうたくさんの登山者が、、
🚶 3:30~5:15 八合五勺 → 山頂
山頂付近はやや険しい。日の出が近づくと山頂へと急ぐ登山者で列が乱れる
🌅 5:15~5:45 御来光
息をのむ神秘的な瞬間!
🗻 5:45~8:00 お鉢巡り(半分)
それなりにアップダウンあり
⬇ 8:00~12:00 下山(五合目)
道は単調だが、砂道に足を取られるので踏ん張りながら歩く。思いのほか体力を取られる。
👕 12:00~13:00 着替え・レンタル返却
シューズを脱ぎ軽装になった時の足の軽さにびっくり
主な持ち物(富士山登山 初心者のレンタルと準備)
レンタルについて
今回の富士山登山では、登山シューズやレインウェア(上下)、ヘッドライトはレンタルを利用しました。利用したレンタル屋は「やまどうぐレンタル屋」というお店です。
こちらのお店は富士山の吉田口五合目にも店舗があり、事前に都内(新宿)のお店で試着してレンタル申し込みをしておけば、登山当日に五合目のお店でピックアップすることができます。
帰りも下山時に五合目店で返却できるので、荷物にならずにとても楽ちんでした。
レンタルしたのは以下の6点セット。普段登山をしない人は新しく買わなければ揃わないものばかりなので、レンタルできるのはかなり助かります。
・上下レインウェア
・ザック(30Lの中サイズ)
・登山靴
・ストック
・ヘッドランプ
・ショートスパッツ(登山靴に装着する砂避けのカバーのようなもの)
持ち物リスト
レンタルしたもの以外に準備した持ち物はだいたい下記の通り。
・帽子(通常の日除けと、防寒のもの2つ)
・サングラス(標高が高いため直射日光が強め)
・日焼け止め
・飲料水(お茶と水のペットボトル計1.5L)
・スマホと充電器
・富士登山ガイドブック(地図用)
・ティッシュペーパー・除菌ウェットティッシュ
・マスク
・タオル
・軽食(チョコやグミなど手軽に食べられるもの)
・防寒具(重ね着できるもの)
・手袋
・ビニール袋、その他衛生用品
・酸素ボンベ
・コーヒー器具一式
・お金
登山なのでなるべく荷物は軽くしたい一方、万が一の時の備えも必要なので初めての時は取捨選択が難しいかもしれません。
上に挙げた持ち物リストで、「コーヒー器具一式」は山頂でコーヒーを楽しみたかったという個人的な目的なので、普通は必要ありません。逆に皆さんも富士山をより楽しむためにどうしても持っていきたい物がある場合は、せっかくなので登山の負担にならない範囲で準備するのも良いと思います。
吉田ルートは7合目から休憩・宿泊用の山小屋があり、山小屋でも水や軽食などは販売されています。値段は通常より高いことに目をつぶれば、必要になったら現地で調達するという割り切りもアリです。
私は幸いにも高山病にならなかったため、酸素ボンベは必要ありませんでしたが、高山病にかかってしまったと思われる苦しそうにされている登山者や、山小屋で酸素ボンベを使っている人もいました。
富士山登山(吉田ルート):登山レポート
吉田口五合目(富士山登山 吉田ルートの起点)

バスタ新宿から朝9時05分発の富士山吉田口五合目行きのバスに乗り、約2時間半かけて富士山吉田口五合目に到着!
到着してバスから一歩降りるともう空気がヒンヤリ。
五合目でもうすでに標高は2,000メートル以上なので、いつも生活している街に比べて気温が低いのは当たり前ですが、最近の猛暑で暑さにぐったりしていた身としては逆に気持ちいいぐらいです。
これまで本格的な登山はしたことが無く、登ったことがあるのはせいぜい標高500~600メートルの山だけ。
そんな山の3倍以上も標高が高い場所にバスで来れてしまうのも、富士山登山が人気な理由の一つな気がします。
着替えと準備

まずは事前に手配していたレンタル品一式をピックアップ。
先ほどご紹介した「やまどうぐレンタル屋」が入っている建物は1階がお土産屋とレンタル屋、2階に食堂、そして3階は宿泊スペースと待合スペースがあります。
3階の待合スペース(男女別)でさっそく登山の服装に着替えます。
ザックに必要な持ち物を詰め込み、ここからは登山シューズでの行動。登山シューズはスキーやスノボブーツのような重厚感があり、慣れるまで少し違和感があります。
着替えとザックへの詰め込が終わったら、持ってきたリュックなど登山に不要な荷物は同じ3階にあるコインロッカーへ。
うーん、便利すぎる…。
朝、バスタ新宿で軽食を食べたものの、これからいよいよ富士山に登るのでしっかり腹ごしらえをしなければ。(ただの食いしん坊でもある)
食堂でランチ

ということで、2階の食堂で昼ご飯。塩おにぎりは欲張って2つも注文してしまいましたが、エネルギー補給には最適なはず。
五合目の他の食堂は見ていませんが、メニューは限られており、値段もそれなりでした。
昼食(+水分補給)を終えて、いよいよ出発!の前にトイレへ。
行けるときに行っておかなければ。
トイレは1階にありますが、入口に集金ボックスが置いてあって有料制になっています。
水は山では貴重な資源なため、節水の心がけと麓からの運搬でコストがかかっていることや、山をきれいに保つためには必要なことを考えると、逆に感謝の気持ちすら芽生えてきます。
トイレも節水が原則のため、水ではなく泡を利用して流す仕組みになっていました。
[st-mybox title=”振り返りメモ” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] ・着替え、準備、昼食で1時間ぐらい滞在してましたが、結果的にこれが高山病の予防になっていた。 ・ワクワクですぐにでも登山したい気持ちもある中、焦らず無理をせず、の気持ちが大事。[/st-mybox]五合目~六合目(吉田ルート序盤 緩やかな登山道)
登山受付を済ませる
いよいよ登山開始!ワクワクとドキドキが入り混じる心地よい高揚感。
服装や準備もばっちりだけど、3,000メートルを超える日本一高い山にこれから登るという緊張感もぬぐえない。
登山道の入口に行く手前に入場料の支払確認を行う窓口があり、そこで事前に支払をしたQRコードを提示して登山バンドをもらいます。
登山バンドは目に見えるようにザックに結び付けておけばOK。正しく付けると外すのが大変なぐらいしっかりした素材なので、雨風で破れる心配は無いです。
窓口付近には登山バンドのチェックと簡単な説明をしてくれるスタッフの方がいるので、説明を受けて登山パンフレットを入手しましょう。
上りは道に迷うことは無いと思いますが、下りで道が分岐するポイントがあり、そこで間違わないように、ということでした。
五合目付近では馬乗り体験も
無事に登山バンドも装着して登山道へ。
登山者は外国人も多く、まだ五合目だからかかなり軽装(半袖に短パン!)の方もちらほら。
対する私はヒートテックにインナーシャツ、羽織るシャツの上にレインウェアの4重装備で、下もヒートテックのスパッツを中に仕込む完全防寒体制。
日本人と欧米人では皮膚の厚さが違う、と聞いたことがあるけど、それだけでなく気質的な違いもあるのかなと感じる。

登山道入り口から6合目や近場のちょっとした見どころスポットまで、乗馬体験を楽しむサービスもあるみたいです。
登山者以外にも五合目から六合目までの観光を楽しむお客さんも多いということか。
せっかく富士山の五合目まで来たので、確かに時間が許せば登山だけではなくてこういったアクティビティも楽しそう。
いよいよ出発!

いよいよ登山道に入ります!
登山道から六合目までは多少のアップダウンはあるものの、道も広いしところどころ舗装されているので歩きやすいです。

山頂からの御来光もそうですが、富士山登山で一番気になるのが天候ですよね。
ある程度天気予報で予想はつくものの、富士山の七合目あたりからは雲も眼下に広がる高さになるし、山の天候は変わりやすい、ということもあるので当日になってみないと分からないことも多いです。
私が登山した日は幸い、雲が出ていたものの天気がくずれることは無く晴れ間も広がって前項の登山日和でした。
私は本格的な登山はしたことが無いので、登山道を出てから広がるこのようなパノラマ景色にも感動しきり。写真を撮る手も止まりません。

道幅も十分にあるし、坂道も緩やかなのでこのあたりはストック無しでも問題なく歩けました。
登山というと木々に覆われた少し薄暗い山中の登山道を、森林浴を楽しみながら険しい道を進むイメージを勝手に持ってました。
でも考えてみると、まだ出発したばかりとは言え標高はすでに2,000メートル超。高山植物とか少し低い樹木しか育たないのかな。
生き物とちょっとした見どころ


開けた道が続くと思ったら、途中で少し山中に入る道にさしかかりました。
ふと横の岩肌に目をやると、見たこともない黒いクモが!
部屋にいるとびっくりするレベルの大きさだけど、足は細いし体全体が真っ黒。動きもすばしっこい。
山頂までほとんど虫や動物を見かけなかったけど、きっと山奥にはたくさんの生き物が生息しているんですね。
六合目に至る道中には途中で分岐点があって、見晴台に進むルートもありましたが、今回は余裕も無いのでそのまま山頂への道を進みます。
上右の写真はその途中に石碑で「泉XX(一部読めず)」と書かれていた場所にあったちょっとした滝のようなスポット。
白糸の滝もそうですが、おそらく山中の土壌から湧き出た自然水なのかなと思いつつ、足を止めて少し鑑賞に浸りました。
霧が発生!

先ほどまで澄み渡っていた青空はいつの間にかどこかに行ってしまい、あたりに霧が出て薄暗くなってきました。
このあたりからストックの出番。本格的に山を上っているような坂道に入ります。
六合目までは下山する人たちとすれ違う(六合目から上は上りと下りで道が分かれている)のですが、下山する人たちは皆、どこか満足感と達成感に満ちた顔をしているのが印象的でした。
中には「頑張って!」と声をかけてくださる方も。
そんな下山する方とのすれ違いざまに、ふと耳に入ってた言葉が。
「下りる方がキツいよね~、、」
・・・え、そうなの?
下りてこられた方たちの体験はこれから山頂に向かう私にとっては未知のもの。
どんな体験をしてきたのか、それを早く体験したい!という思いと、下りの辛さはどんなものなのか、、
そんな思いが頭をよぎりますが、まずは山頂まで目の前の道を進むことに集中しなければ。
親切なアナウンス

途中、コンクリートでできた囲われたトンネルのような道に差し掛かりました。
霧も出てきたし、トンネル前に腰掛けるところがあったのでここで初めての休憩。
トンネルの横にスピーカーがついていて、そこから何やら注意アナウンスが流れていました。しかも日本語、英語、中国語とそれぞれの言葉で。
それだけ外国からの観光客も多いってことですよね。
富士山が世界遺産に登録されているのは、それが古くから日本人の信仰の対象であり、生活も含めて日本人を形作っている一つの重要な要素である、ある意味日本と日本人のシンボルとしての存在価値がユニークだからです。
そんな富士山は海外の人にも人気ですが、海外の人たちから富士山はどのように見えているのか、また富士山を見て何を感じるのか、とても興味があるのでいつか聞いてみたいな。
[st-mybox title=”振り返りメモ” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] ・五合目~六合目は一番緑を感じられるエリア。余裕があれば展望台へ寄り道する時間も検討したい。 ・緩やかな登山道だが、ペースは上げずに一定に。[/st-mybox]六合目~七合目(吉田ルート前半 坂道の連続)

六合目に到着!
六合目には仮設トイレと、安全指導センターで飲料水のペットボトルを販売しています。
先ほどから発生した霧がさらに濃くなって少し雨がぱらつき始めた時間もあったものの、雲の切れ間から時々差し込む日の光で明るくなったりで、雨なのか晴れなのかよく分からない天気に。
坂道の連続エリアへ!

ここから七合目までは山肌をジグザグに上っていく道が続きます。
六合目で少し休憩を取りつつ、七合目に向けて出発。目下の心配はこの曇り空がいつまで続くのか、回復して晴れてくれるとありがたいと祈りながら足を進めました。
道は広いし、ごつごつした岩場や足元が不安定な場所があるわけでもない。けれど、それなりの傾斜の坂道で、しかも足元が砂利道だと結構足腰にこたえます。
休憩と水分補給

ジグザグになっている坂道なので、向きが変わるポイントで適当に休憩ともぐもぐタイムを挟みました。
休憩とあわせて水分補給をするけど、思いのほか水やお茶をがぶがぶ飲めてしまうので、このままだと今日宿泊する八合五勺の山小屋まで水が持つか少し不安に。
一回の水分補給で500mlのペットボトルの半分近くを飲むと、6回で持参したペットボトルが無くなってしまう計算になる。
途中の山小屋でペットボトルは売っているものの、少し水分補給の抑えようと計画変更。
富士山のゴミ問題

富士山の登山道にはゴミ箱はありません。ですが、目に見える範囲で登山道にゴミは落ちておらず、きれいに保たれているように見えました。
上ってくるときに一度、道に落ちているゴミを見つけたのですが、自然とゴミを拾ってポケットにしまう自分がいました。
これは私に限ったことでは無く、同じように落ちているゴミを拾われている登山者を見かけることもあったのです。
私たち日本人からすると富士山は日本のシンボルであること、五合目からここまで、水の節水や自然の中にいる、という意識がそうさせているのでしょうか。
富士山に限らずですが、日本の世界遺産は人気の観光スポットでもあり、近年はオーバーツーリズムやゴミが問題になっている-。
そんな認識を持っていたので、目に見えていないだけかもですが、ここまで歩いてきてゴミがあまりないことに、なんだか嬉しく感じました。
視界が晴れやかに

祈りが通じたのか、途中から周りは明るくなり青空が顔を出してくれました。このあたりは霧と雲が混在するぐらいの高さなのかな。
普段地上から空を眺めると雲が平面に流れているようにしか見えないけど、富士山みたいに高い山に登ると雲は異なる高さで何重にも流れているのがよく分かる。
これも新鮮な感覚。
ジグザグ坂道の終わり

何度ジグザグの山道を登ったか分からないぐらいひたすら上を目指して進んでいると、ついに目の前にちょっとした変化が。
ジグザグの道はここでいったん終わって、石段を上った先には七合目の小屋が見えてきました。
五合目の登山道入り口からここまで、道はそれなりに整備されているのでこの調子だと何とか行けそうだな。
この時はそう思っていましたが、本当の試練はこの先に待っていたのでした。。
[st-mybox title=”振り返りメモ” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] ・連続するジグザグ坂道、休憩をこまめに取る。 ・ここまでは天気も変わりやすい。[/st-mybox]七合目~八合目(吉田ルート中盤 一番の難所)

七合目に到着し、山小屋沿いの道の両端から景色を堪能しつつ、休憩を挟みます。
正直、食料はそれほど気にしていなかったのですが、もぐもぐタイムに食べるチョコレートやグミが思いのほかエネルギー補給になっている実感がありました。
皆さんもぜひ、富士山に登るときは水分補給だけでなくエネルギー補給のための食べ物をしっかり持っていくようにしてください。
ゴミは持ち帰りなので、ゴミを保管しておくビニール袋もあった方が良いです。
眼下に広がる景色に感動

高いところから周りを見渡すことは、スカイツリーやちょっとした展望台でもありましたが、七合目の高さは約2,640メートル。
これまで眺めてきた高さとは全く次元の違う高さからの眺めで、しかも屋外で直接その景色をこんなに手軽に堪能できるのは日本ではここ富士山以外無いのではないでしょうか。
飛行機から眺める眼下に広がる山々のようなダイナミックな景観を直接屋外で目の当たりにしているんだと思うと、目の前に広がる雄大な自然に感動するのはもちろんなのですが、それ以上に込み上げてくるものがありました。
難所の「崖登り」へ

ここからさらに山頂に向けて進もうとした矢先、目の前に現れたのがこのような「崖」、、
ここから八合目までは、山小屋があるスポットだけ平面になっている以外、このような崖を上っていくことがメインになります。
ゴツゴツした岩場を、足の踏み場を探しながら登っていきますが、手を使って慎重に登っていかないと正直怖いぐらい。。
このような岩場ではストックが活躍する場面はあまり無いように思います。
それより、段差があるところは両手を使って慎重に進まないといけないのでストックはザックに挟んでおくのが良いです。
偉大な富士山に没頭する

崖を登って次の山小屋に着き、また休憩とそこからの眺めを楽しみます。
山からの眺めは大きく変わることは無いものの、高くなるにつれて少しずつ目の前に広がる景色を頭に焼き付けるようにして観てました。
どれだけ観ていても飽きることが無いのを不思議だなと思いつつ。
ここまででも数時間かかっているわけで、今考えると登山中は登ること以外頭が空っぽになってたんだなという感じがします。
頭が空っぽだときっと五感が研ぎ澄まされたり、目の前に広がる景色という情報がそのまま大量に自分の中に入ってくるから、でしょうか。
最初はあった体力的、気持ち的な余裕が今は無い。
これは焦りというより、きっと、そんなことに考えを巡らせる間もなく目の前の自然と自分の行動に集中しているから。
登山者は周りにそれなりにいるはずなのに、風と、自分の呼吸、足元の砂利の音、そして目の前に広がる景色だけが世界で、意識が研ぎ澄まされている感覚。
険しい勾配はまだまだ続く・・・

それにしてもこの急こう配を登っていくのはきつい。。
これまでは坂道が続いてじわじわ足腰に負担がかかっていたのが、今は大きな岩に足をかけて一息で岩を登るような場所もあって、太ももの瞬発力が試されている感じ。
こんな急こう配の道、というか崖でも、ルートから逸れないように両端に杭とロープが打ち込んであったと思うので、道に迷うことは無いです。
またところどころ大きな岩がある場所で少し座ったり立ち止まったりして休憩することもできるので、無理をせず、水分補給もこまめに、少しずつ確実に登っていきます。
富士山の山影

急な勾配が続いて息切れしながら登っていると、少し先を登っていた人たちが立ち止まって後ろに向かってスマホを構えている。
何事かと思って後ろを振り向くと、広大な大地にくっきりと富士山の形をした山影が!
これは限られた天候と時間帯、あと太陽の方角で影ができる方向にしか見ることができない貴重な現象だ、とベテランの登山者が教えてくれました。
それにしてもなんと美しいフォルムだろう。
もともと吉田ルートは過去に参拝ルートとして利用されてきた道なので、昔の日本人もきっと同じものを見ていたに違いない。
これを観て何やら有難い気持ち、大げさかもしれないが、人知を超えた何か大きなものの存在を感じない人がいるのか、というぐらい息をのむ眺めでした。
[st-mybox title=”振り返りメモ” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] ・おそらく一番の難所。無理せず、休憩はこまめに。 ・山小屋をいくつか通るので、水分補給やトイレが必要なら行っておこう。[/st-mybox]八合目~本八合目~八合五勺(吉田ルート後半 体力勝負の坂)

八合目に到着した辺りから、徐々に日が沈んで薄暗さが広がってきました。
先ほどくっきり見えていた富士山の山影も、徐々に当たりを包む闇に同化するように薄くなっていくのが分かります。
普段の生活では時間に追われて時間の移ろいを気にする暇もありませんが、ここ富士山ではこうした自然の表情で時の移ろいを細やかに感じることができました。
現代を生きる私たちにとっては、そんなことを実感できるひと時も貴重でぜいたくになっているのかもしれません。
防寒対策とヘッドランプを装着

本八合目に到着した段階で辺りはかなり暗くなり、気温もぐっと下がった感覚に。
ここで防寒用のインナーをザックから取り出してレインウェアの中に着込み、ヘッドランプも装着。
崖のような道は本八合目まででひと段落し、本八合目からはまたジグザグ道に戻ります。
本八合目は、山小屋の裏を通って八合五勺までの山道に進むため、少し注意が必要です。
最初はヘッドランプの代わりにスマホのライトを照らせば何とかなる、と思ってましたが、ここまでの道のりで片手をスマホに取られながら進むのは危険なのを実感。
皆さんもぜひスマホライトではなく、頭に装着して両手が空くヘッドランプと、予備の電池を持参するようにしてください。
崖でがっつり太ももの瞬発力を使い果たし、さらに八合目あたりから空気が薄くなった実感もある中、体力は確実に限界に。
ジグザグ道も向きが変わるターニングポイントのたびに足を止めて休憩をしないと、かなりキツい状況。
顔を上げるとそれほど遠くない場所に見えている次の山小屋が、はるか遠くに感じ、気力的にも辛いものがありました。
[st-mybox title=”振り返りメモ” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] ・日が沈み始めるのと標高が高くなるダブルパンチで気温が一気に低下する。防寒対策を万全に。 ・ヘッドランプは必須。足元や前が見えにくいので、より慎重に歩こう。[/st-mybox]八合五勺の山小屋:御来光館

13時過ぎに五合目の登山口から出発して早6時間半、ようやく本日宿泊予定の御来光館に到着。
御来光館の案内では、20時半に夕食の提供が終わってその後に消灯、ということだったので少し焦りもありましたが、無事チェックインと夕食を頂けました。
今回は個室ではなく大部屋での仮眠のため、チェック後に自分の寝るスペースを案内され、その後に夕食(お弁当)の時間を確認、その時間に合わせて広間に行き、弁当を受け取る流れになります。
寝るスペースは隣とカーテンで仕切られているだけなので、チェックイン時に耳栓ももらえました。
体力的にも思っていたよりきつかったので、無事に御来光館にたどり着けたことでほっと一安心。
夕食に選んだのは照り焼きチキンのお弁当でしたが、お腹を空かせた状態で、しかも富士山の山頂付近で食する美味しさといったらもう。
おそらく人生で食べた一番思い出深いお弁当の一つになることは間違いない!
寝る前、至福のひと時

明日の御来光に向けて、予定では御来光館を朝の3時くらいに出発することにしていたため、早めに就寝したほうがいいのですが、まだ興奮冷めやらぬ状態で眠気が全くない。
フロントで缶ビールを購入して、御来光館の目の前に広がる夜景を見ながらしみじみとした気持ちで飲んでました。
本当に良い時間、幸せな時間というのはその時を少しでも長く味わっていたい、名残惜しい時間でもあると思うのですが、御来光館でのこのひと時はまさにそんな感じでした。
眼下には雲がうっすらかかり、その遥か向こう側に小さく広がる街のキラキラした夜景は本当に幻想的。
この日はちょうど満月ということもあって、灯りの無い富士山からは満月が太陽のように明るく感じられました。

限られた水を大事に使うためにこのような案内が出ていました。他の山小屋もきっと同じだと思います。
山小屋の明かりにほっとしながらも、明け方の暗闇と標高3,000mの空気を思うと、まだ“本番”はこれから。
明日は今日以上の興奮と感動があるはず、という楽しみと気が引き締まる思いで、それと隣から聞こえてくるイビキでまともに寝られず。。
明日は御来光を観れるのか!?
[st-mybox title=”振り返りメモ” fontawesome=”fa-file-text-o” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold”] ・明日に備えて、水分など必要なものは山小屋で買っておこう。 ・山小屋の電源は自由に使うことができたので、夕飯時に充電も済ませる。[/st-mybox]
次回はいよいよ2日目、御来光と山頂のお鉢巡りのレポートをご紹介します!






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