年々受験者数が増加し、人気が高まっている世界遺産検定。その中でも難関と言われる1級は、登録されている全世界遺産が対象であり、学習範囲が膨大です。
今回はそんな世界遺産検定1級に短期間で効率的に合格するため、世界遺産や基礎知識を横断的に覚えるのに役立つスキームをご紹介します!
本記事をお読みになる前に
本記事は世界遺産検定1級について、公式テキストの読み込みを行い試験勉強がある程度進んでいる方向けの記事となっております。
世界遺産検定1級の合格には、何よりも公式テキストに書かれている内容をきちんと理解することが最も重要かつ不可欠な準備であり、それ無しに合格することは難しい試験内容になっています。
したがって、公式テキストをまだしっかり読み込めておらず、基礎が固まっていない方がいきなり本記事の内容を実践することはおススメしません。
本記事の内容がスッと身に入り、より世界遺産検定の対策として効果的にご利用頂くために、記事をお読みいただく段階で下記の準備が概ね完了されていることを目安としてください。
・「世界遺産の基礎」と「日本の世界遺産」の内容を読み込みができている
・「世界の文化遺産・自然遺産」を含め、公式テキストの通読が数回転完了している
まだ上記の状態まで到達されていない方で記事をお読みになっていない方は、下記の記事からお読み頂けると幸いです。
世界遺産検定1級の膨大な暗記を効率化する方法とは?
すべての世界遺産が出題対象となる世界遺産検定1級。この難関試験に合格するために必要な勉強とポイントとは何でしょうか。
もちろん、時間に余裕がある方は徹底的に公式テキストの上中下巻を読み込み、完璧にその内容を抑えることができれば間違いなく合格することができるでしょう。
ですが、上中下巻合わせて1,200ページ以上という膨大なボリュームをすべて網羅的に抑えるためにはどれだけ時間がかかるか分かりませんし、ほとんどの方は、もちろん世界遺産検定を通して世界遺産の知識と理解を深めたい、という目的を持ちつつも、それでもやっぱり合格できるなら早めに合格したい、というのが本音だと思います。
テキストの内容を可能な限り読み込むことが確実に合格するための大前提ではあるのですが、選択式の試験なので正確な暗記までは求められず、出題された世界遺産とその内容(キーワード)である選択肢の正しい紐づけの確率をいかに高めるか、が合格するためには重要です。
日本の世界遺産を除く世界の世界遺産は1,200件以上あり、その中で出題されるのはわずか3~4%。
出題される世界遺産を予想することは難しく、ぼんやりとでもいいので世界遺産の内容とキーワードを網羅的に頭に入れておく必要があります。
そう考えたときに、いかに頭に残るように勉強するかですが、その1つの方法が特定のカテゴリや共通項を持つ世界遺産でひとまとめにしてみる、ということです。
世界遺産1級では問題が数問~10数問ごとに区切られており、それぞれ特定の項目から出題されているのですが、例えば
「危機遺産に関する以下の問いに答えなさい。」
という項目の問題であれば、自ずと正解は危機遺産に登録されている世界遺産ということになります。
危機遺産の数は2026年現在でも50件ほどしかなく、ある程度登録されている世界遺産を把握しておけば、かなり有利に問題を解き進めることができるはずです。
ただ、実際にこの方法で勉強をして合格したとはいえ、別記事の「失敗しがちな勉強法」でご紹介したように、あまりこのようなグルーピングに時間をかけるのは効果的ではないと実感しています。
ですので、皆さんはそのようなグルーピングをする必要は無く、この記事で集約した情報を参考程度にご利用頂ければと思っています。
カテゴリ①:「危機遺産」
先ほどもご紹介したように、世界遺産1級の試験問題で頻出の項目が「危機遺産」です。
世界遺産検定は、「世界遺産に関する知識と興味を深めてもらう」試験なので、世界遺産の内容だけが問われるわけではなく、特に世界遺産が抱えている課題や問題というのは格好の出題テーマとなります。
「危機遺産」というのは、世界遺産全体というよりは個々の世界遺産が抱えている問題であり、登録抹消の危機にある遺産であることから、そのテーマからしても問題に出やすい項目と言えます。
危機遺産は全部で50件ほどしかないので、出題可能性を考えるとある程度腰を据えてしっかり覚えこむ、という勉強方針でも良いぐらいですが、ポイントは文化遺産と自然遺産でそれぞれ、「なぜ危機遺産に登録されているのか、その原因を理解する。」ことです。
ご参考までに、2026年時点の危機遺産リストは下記の通り。
| 登録国 | 種類 | 登録遺産 | 危機遺産登録の理由 |
| アフガニスタン | 文化遺産 | ジャムのミナレットと考古遺跡群 (2002) | ①一帯で長年続く武力紛争による損傷 ②不法発掘、略奪 ③河川からの浸水による倒壊・水没の危機 |
| 文化遺産 | バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群(2003) | ①仏龕(ぶつがん)が崩壊する危機 ②壁画の劣化 ③盗掘の恐れ | |
| アメリカ合衆国 | 自然遺産 | エヴァグレーズ国立公園 (1979) | 水質汚染(マイアミなど周辺都市が大量の水を生活用水として引いている) |
| イエメン | 文化遺産 | 城壁都市シバーム(1982) | イエメン内戦(2015年) |
| 文化遺産 | サナア旧市街 (1986) | イエメン内戦(2015年) | |
| 文化遺産 | ザビードの歴史地区 (1993) | ①イエメン内戦(2015年) ②再開発やコンクリート建築の増加(2000年) | |
| 文化遺産 | マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群(2023) | 緊急的登録推薦(内戦による破壊の危機) | |
| イラク | 文化遺産 | 円形都市ハトラ (1985) | 2015年、イスラム国による占拠と破壊で登録。その後2017年にイスラム国からは奪還されている。 |
| 文化遺産 | アッシュール(カラット・シェルカット) (2003) | 近くのダム建設計画による浸水の危惧(現在計画は中断されている) | |
| 文化遺産 | 都市遺跡サーマッラー (2007) | イラク政情の不安 | |
| インドネシア | 自然遺産 | スマトラの熱帯雨林遺産 (2004) | 密猟 |
| ウクライナ | 文化遺産 | キーウ:聖ソフィア聖堂と関連修道院群、キーウ・ペチェルスカヤ大修道院(2023) | ロシアによるウクライナへの軍事侵攻 |
| 文化遺産 | リヴィウ歴史地区(2023) | ロシアによるウクライナへの軍事侵攻 | |
| 文化遺産 | オデーサの歴史地区(2023) | ①緊急的登録推薦(ロシアによるウクライナへの軍事侵攻) | |
| ウズベキスタン | 文化遺産 | シャフリサブス歴史地区 (2000) | 大規模な都市開発計画 |
| エルサレム(ヨルダン・ハシェミット王国による申請遺産) | 文化遺産 | エルサレムの旧市街とその城壁群 (1981) | ①パレスチナとイスラエルの紛争(緊急的登録推薦) ②急激な都市開発の進行 ③観光被害 ④維持管理費の不足 |
| エジプト | 文化遺産 | アブ・メナ (1979) | 地盤の軟化による倒壊の恐れ |
| オーストリア | 文化遺産 | ウィーン歴史地区 (2001) | 登録範囲内での高層ビルの建設を含む再開発計画 |
| ギニア/コートジボワール | 自然遺産 | ニンバ山厳正自然保護区 (1981, 1982) | ①鉱山石の採掘 ②難民の流入 ③森林伐採 |
| ケニア | 自然遺産 | トゥルカナ湖国立公園群 (1997, 2001) | 隣国エチオピアでのダム開発での生態系への影響 |
| コンゴ民主共和国 | 自然遺産 | ヴィルンガ国立公園 (1979) | ①隣国ルワンダの内戦 ②密猟 |
| 自然遺産 | カフジ-ビエガ国立公園 (1980) | 周辺の環境悪化 | |
| 自然遺産 | ガランバ国立公園 (1980) | キタシロサイの密猟 | |
| 自然遺産 | オカピ野生生物保護区 (1996) | ①地域紛争 ②密猟 ③保護管理体制の不安 ④違法な採掘 | |
| シリア | 文化遺産 | 古都ダマスクス (1979) | シリア内戦・政情不安 |
| 文化遺産 | パルミラの遺跡 (1980) | ①シリア内戦・政情不安 ②2015年にイスラム国が占拠、破壊されたが2017年に奪還。 | |
| 文化遺産 | 古代都市ボスラ (1980) | シリア内戦・政情不安 | |
| 文化遺産 | 古都アレッポ (1986) | シリア内戦・政情不安 | |
| 文化遺産 | クラック・デ・シュヴァリエとサラディン城 (2006) | シリア内戦・政情不安 | |
| 文化遺産 | シリア北部の古代村落群 (2011) | シリア内戦・政情不安 | |
| セルビア | 文化遺産 | コソヴォの中世建造物群 (2004, 2006) | 政情不安で壁画などの保全が不十分 |
| ソロモン諸島 | 自然遺産 | 東レンネル (1998) | ①森林伐採による生態系への影響と海岸線の浸食 ②テガノ湖の湖面が海水の流入により上昇 |
| タンザニア | 自然遺産 | セルー動物保護区(1982) | 象牙目的の密猟 |
| 中央アフリカ | 自然遺産 | マノヴォ-グンダ・サン・フローリス国立公園 (1988) | ①密猟 ②スーダンとチャドの紛争 |
| ニジェール | 自然遺産 | アイールとテネレの自然保護区群 (1991) | 特別保護区内での狩猟や伐採がトゥアレグ族の生活手段を奪い、内線が勃発 |
| パナマ | 文化遺産 | パナマのカリブ海沿岸の要塞群:ポルトベロとサン・ロレンソ (1980) | 保存状態の悪化 |
| パレスチナ | 文化遺産 | パレスチナ:オリーブとワインの地-エルサレム南部バティールの文化的景観 (2014) | イスラエルによる分離壁の設置計画による緊急的登録推薦 |
| 文化遺産 | ヘブロン:アル・ハリールの旧市街 (2017) | 緊急的登録推薦(パレスチナとイスラエルの紛争) | |
| 文化遺産 | 聖ヒラリオン修道院/テル・ウンム・アメル | 緊急的登録推薦(パレスチナとイスラエルの紛争) | |
| ベネズエラ | 文化遺産 | コロとその港 (1993) | 2004年の大洪水による被害 |
| ペルー | 文化遺産 | チャン・チャン遺跡地帯 (1986) | 風化による破壊が進んでいる |
| ボリビア | 文化遺産 | ポトシ市街 (1987) | 鉱山管理が不十分 |
| ホンジュラス | 自然遺産 | リオ・プラタノ生物圏保護区 (1982) | ①ホンジュラスの要請による登録 ②密猟・森林の伐採・土地の不法占拠 ③ホンジュラス国内の治安悪化 |
| マリ | 文化遺産 | ジェンネ旧市街 (1988) | 治安情勢の不安(イスラム過激派の活動) |
| 文化遺産 | トンブクトゥ (1988) | イスラム過激派による破壊 | |
| 文化遺産 | アスキア墳墓 (2004) | 武装グループによる破壊の恐れ | |
| ミクロネシア連邦 | 文化遺産 | ナン・マドール:東ミクロネシアの儀式の中心地 (2016) | 水路に堆積した泥やマングローブの繁茂による倒壊の恐れ |
| メキシコ | 自然遺産 | カリフォルニア湾の島々と保護地域群 (2005) | 固有種であるコガシラネズミイルカ絶滅の恐れ |
| リビア | 文化遺産 | キレーネの古代遺跡 (1982) | リビア国内紛争 |
| 文化遺産 | サブラータの古代遺跡 (1982) | リビア国内紛争 | |
| 文化遺産 | レプティス・マグナの古代遺跡 (1982) | リビア国内紛争 | |
| 文化遺産 | タドラット・アカクスのロック-アート遺跡群 (1985) | リビア国内紛争 | |
| ルーマニア | 文化遺産 | ロシア・モンタナの鉱山景観(2021) | 緊急的登録推薦(採掘の再開・拡大計画による破壊) |
| レバノン共和国 | 文化遺産 | トリポリのラシード・カラーミー国際見本市会場(2023) | 緊急的登録推薦(紛争・管理不足・財政危機による老朽化) |
特に下記は覚えておくとよいでしょう。
・アフガニスタン、ギニア、シリア、ソロモン諸島、中央アフリカ、ミクロネシア連邦は登録されている遺産すべてが危機遺産
・パレスチナに関しては、すべてが緊急的登録推薦による登録のため、危機遺産になっていたが、「イエス生誕の地:ベツレヘムの生誕教会と巡礼路」は危機遺産から除外された
上記以外にも、ニジェールやホンジュラスなどの特異なケースや、ウズベキスタン、オーストリアでの都市・観光開発によるものなどは特に覚えておきましょう。
また、パレスチナに関しては「オリーヴとワインの土地-バッティールの丘:南エルサレムの文化的景観」はICOMOSから完全性、真正性ともに認められないとの評価が下されたものの、緊急的登録推薦で登録された経緯も世界遺産のあり方を問う出来事として重要です。
近年の危機遺産の動きについても知っておきましょう。
・カスビのブガンダ王国歴代国王の墓(ウガンダ) 2023年危機遺産から解除
・ニオコロ-コバ国立公園(セネガル) 2024年危機遺産から解除
・アツィナナナの雨林群(マダガスカル) 2025年危機遺産から解除
・ガダーミスの旧市街(リビア) 2025年危機遺産から解除
カテゴリ②:課題や問題に直面している世界遺産
先ほどの危機遺産は登録抹消の危機という問題が明らかで深刻な遺産でした。
危機遺産に至らずとも同様の問題を抱えた遺産は数多く存在しており、このような問題や課題から出題されるケースも多いため、しっかりと準備しておくことが合格率を上げることにもつながります。
今回は特に文化遺産で重要なものをいくつかピックアップしてみました。
真正性に関しては主にその修繕の方法が、完全性に関しては景観やバッファーゾーンとの兼ね合いで問題になることが多く、MAB計画との関連でも出題される可能性が高いため、ざっと見ておくと良いでしょう。
| 登録国 | 種類 | 登録遺産 | 論点 | 危機遺産登録の理由 |
| 韓国 | 文化遺産 | 水原の華城 | 真正性 | 一部は第二次世界大戦で破壊されたが、「華城城役儀軌」という詳細な築城記録の原本に基づき、41の建造物の復元・修復が行われ、世界遺産員会にて真正性が認められた。 |
| インド | 文化遺産 | ラニ・キ・ヴァヴ:グジャラト州パタンにある王妃の階段井戸 | 完全性 | ①地震は発生時の防止対策計画が不十分として、危機管理計画の策定を要請 ②都市のインフラ整備や観光客の脅威 |
| カンボジア | 文化遺産 | プレア・ビヒア寺院 | 完全性 | タイとの国境問題 |
| サウジアラビア | 文化遺産 | サウジアラビアのハーイル地方にある壁画 | 完全性 | バッファー・ゾーンの設定を含む保護上の課題 |
| ナミビア | 文化遺産 | トゥウェイフルフォンテーン | 完全性 | 現地の人々の遺産保護に対する無理解、無関心と1990年独立の新興国家ならではの政治事情により放置 |
| クロアチア | 文化遺産 | フヴァル島のスターリ・グラード平地 | 真正性 | 近年の田園地帯の過疎化や、伝統的な農法の放棄 |
| イギリス | 文化遺産 | ストーンヘンジ、エイヴベリーの巨石遺跡と関連遺跡群 | 完全性 | 縦貫道の開発が政府により承認され、一般市民やNGO団体から景観や生態環境、地質学的問題提起 |
| イギリス | 文化遺産 | ロンドン塔 | 完全性 | ロンドン市内の都市開発による景観悪化。(バッファーゾーンの外側なので、規制ができない) |
| イタリア | 文化遺産 | ヴェネツィアとその潟 | 真正性 | 地下水や天然ガスの採取による地盤沈下 |
| イタリア | 文化遺産 | アルベロベッロのトゥルッリ | 真正性 | 現役の住居建築のため、石積み技術の継承など保存上の課題 |
| スペイン | 文化遺産 | セビーリャの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館 | 完全性 | バッファーゾーンの範囲外に2015年、地上40階建ての高層ビルが建築(バッファゾーンの外側のため、危機遺産リスト入りは見送られた) |
| ポーランド | 文化遺産 | ワルシャワの歴史地区 | 真正性 | 都市全体が再建され登録が認められたが、都市全体の再建による登録は、これ以外は認められないことになった |
| リトアニア/ロシア | 文化遺産 | クルスキー砂州 | 真正性 | 絶えず浸食による消失の危機にさらされているが、植林など人の手によってその姿を保っている |
| フランス | 文化遺産 | モンサンミシェルとその湾 | 完全性 | 防波堤により100年間で海底が3メートルも上昇。元の島に戻すため、大プロジェクトが実施され防波堤を撤去。2014年7月、潮の流れを妨げにくい橋が完成。 |
| ギリシャ | 文化遺産 | テサロニキの初期キリスト教とビザンツ様式の建造物群 | 真正性 | テサロニキは地震が多く、何世紀にもわたる修復の中で真正性に基づかない質の低い修復や増築が問題となっていたが、修復プロジェクトの中で文書として修復経過が残され、ギリシャの考古学に基づくプロジェクトの計画に従った修復が行われたため、真正性が確保された |
| ジョージア | 文化遺産 | ゲラティ修道院 | 真正性 | 元は「バグラティ大聖堂とゲラティ修道院」として登録されていたが、大聖堂で行われた再建工事が真正性を損なうとされ、2017年に登録から削除された |
| アルゼンチン/エクアドル/コロンビア/チリ/ペルー/ボリビア | 文化遺産 | カパック・ニャン:アンデスの道 | 完全性 | 農地の拡大や都市のインフラ開発、風食や浸食、がけ崩れや雪崩などの自然災害による脅威。保護・保全活動も十分ではないものの、地域住民による伝統的な保護や維持活動は評価されている |
| カナダ | 複合遺産 | ピマチオウィン・アキ | その他 | ①複合遺産と言いながら、文化と自然を別々に評価することに疑問が提示された ②ICOMOSが他の先住民の伝統的な土地利用との比較を求めたことに対し、優劣をつけることになりかねないとカナダが反発 |
こちらのリストにある世界遺産も、「直面している課題や問題の内容」というくくりで横のつながりを意識してみましょう。
例えば、
「水原の華城」と「テサロニキの初期キリスト教とビザンツ様式の建造物群」はいずれも正式な修復技術を証明する書類に基づく復元で真正性が認められている
という点で共通しています。
また、「フヴァル島のスターリ・グラード平地」や「アルベロベッロのトゥルッリ」は世界遺産に登録された大きな理由である、固有の技術継承が課題となっている点で同じですよね。
このような世界遺産の組み合わせを、さらに同じ課題を抱えている日本の世界遺産ともセットで覚えておくとより効果的です。
カテゴリ③:グローバル・ストラテジーと直近の新規登録遺産
これまでの世界遺産検定1級でも、直近の世界遺産委員会に関する問題は出題されていますので、直近の世界遺産委員会に関する内容は一通りチェックが必要です。
(開催場所、議長国や登録された遺産、新たに危機遺産に追加/削除された遺産など)
テキストにも記載されていますが、近年新たに世界遺産に登録されている遺産はグローバル・ストラテジーを反映していると考えられるものが多く含まれています。
これを踏まえ、直近の世界遺産とグローバル・ストラテジーを意識しておくと良いでしょう。
2026年の世界遺産委員会での登録に向けて、ICOMOS又はIUCNから登録勧告が出ている文化遺産の中で、グローバル・ストラテジーに照らしてチェックしておきたい世界遺産候補をご紹介します。
なお、世界遺産委員会の審議対象や勧告内容は変更される可能性があるため、受験前には必ず世界遺産検定公式サイトやUNESCO公式資料で最新情報を確認してください。
| 推薦国 | 種類 | 推薦遺産 | 内容 | グローバルストラテジー |
| ウズベキスタン | 文化遺産 | タシケントのモダニズム建築 | 戦後建築が20世紀の首都の都市設計と、歴史や伝統との絶え間ない対話の中で築かれた新しい社会の構築にどのように貢献したかを証明 | 20世紀以降の文化遺産 |
| コモロ連合 | 文化遺産 | コモロの歴史的スルタン諸国のメディナ群 | コモロ諸島の主に13世紀から16世紀にかけての建築文化遺産 | 地理的不均衡の改善 |
| 南スーダン | 自然遺産 | ボマ=バディンギロの回遊景観 | モンゴルの草原には550基以上も確認されている「鹿石」と呼ばれる青銅器時代の石碑 | 地理的不均衡の改善+緊急的登録推薦 |
| 中国 | 文化遺産 | 景徳鎮の手工芸磁器産業遺跡群 | 宮殿や城郭ではなく、世界の交易を支えた「産業遺産・手工芸のネットワーク」を評価するもの | 産業遺産 |
| ブラジル | 文化遺産 | アマゾニアの劇場群 | 熱帯の植民地・産業ブーム(ゴムブーム)がもたらした独自の近代文化受容を示す遺産 | 地理的不均衡の改善 |
上記の推薦遺産の名前と内容は正確なものではありませんのでご了承ください。
世界遺産というと歴史的な建造物というイメージがありますが、近年登録されている中には特にモダニズム建築や産業関連遺産が含まれていることが一つのトレンドとなっています。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したポイントは、あくまでもテキストをしっかり読み込んで基礎がある程度出来上がっていることが前提で、このポイントは余裕があればざっと見ておく、という程度で問題ありません。
あくまでも重要なのは時間が許す限りテキストを読み込むことで、テキストを読む時に今回ご紹介したポイントを頭の片隅に入れて意識しながら通読頂ければそれで充分です。
この記事が少しでも皆さんの試験対策のお役に立てましたら幸いです。






有難うございました。今回は役立つ様にがんばりたいです。
とても参考になりました。
テキストの末尾などに掲載されれば嬉しく思います。ここに辿り着くまで時間がかかりました。今迄3回受けましたが、見つけることができませんでした。