皆さんは世界遺産検定をご存じでしょうか。芸能人の中にも世界遺産検定1級保持者の方がいらっしゃるので、その名前を聞いたことがあるかもしれません。
今回はそんな世界遺産検定の中でも難関の1級について、その難易度や合格率、合格に必要な勉強時間と勉強方法を、筆者の経験を踏まえて解説します!
世界遺産検定1級の難易度・合格率・勉強時間まとめ
サマリ情報
世界遺産検定1級の難易度・合格率・勉強時間の目安は下記の通りです。
難易度:高い(選択式だが全世界遺産が対象、内容も2級に比べると細かい)
合格率:20~30%
勉強時間の目安:70~100時間
難易度
直近2年間の世界遺産検定1級の合格率は、最も低いときで19.6%(2024年12月)、最も高いときで30.9%(2025年12月)となっており、20%~30%。
この数字から見るに、1級の合格率はそれなりにばらつきがありますが、合格最低点は概ね140点となっています。
4人中3人は不合格となってしまうこと、2級~4級の合格率は60%を超えていることから、1級の難しさは突出していると言っても差し支えないでしょう。
それもそのはず、世界遺産検定は4級、3級、2級、1級とマイスターという5つの級に分かれており、級が上がるほど試験範囲も広くなり、問題の難易度も上がっていき、1級とマイスターはすべての世界遺産が対象となるので一気に難易度があがります。
皆さん、2026年現在世界遺産が何件あるかご存じでしょうか。その数1,248件!
基本的に毎年数十件単位で新たに世界遺産が登録されるため、件数が増えれば増えるほど、世界遺産検定の出題範囲が増えることになります。
ですので、世界遺産と世界遺産検定に興味がある方は早いうちに受験されることをおすすめします!
勉強法・独学は可能?
世界遺産検定の勉強法は、基本的に公式テキストがベースとなります。
特に1級に関しては全ての世界遺産が対象となり、その出題範囲も細かいです。
そのため日本以外の世界遺産に関しては、それぞれの世界遺産の特徴、テキストの赤字・黒字の太字となっているキーワードを問う問題が多く出題されています。
世界遺産条約やUNESCOを含む各機関、世界遺産に関する主な出来事など基礎知識については公式テキストの内容をベースに出題されるため、公式テキストの内容を把握しておかなければ正解を導き出すのが困難です。
したがって、独学で合格することは可能ですが、あくまでも公式テキストと過去問集を利用しての話で、例えばUNESCOや世界遺産委員会、その他世界遺産に関するネットの情報だけで合格するのはかなり難しくなります。
合格に必要な勉強時間
合格に必要な勉強時間を提示するのは難しいですが、筆者が合格した際の時間を感覚的に計算してみると、下記のとおりです。
勉強期間:2.5か月
主な勉強方法:電車での移動時間(1日平均45分と仮定)+自宅等での集中的な勉強
勉強日数:週5日
過去問:2回
横断的な勉強
なお、筆者は2級合格後すぐに1級を受験したため、2級合格に必要な基本的な知識はある程度あった前提となります。
これらを踏まえると、テキストの読み込みと集中的な勉強で50時間、過去問2回で3時間、横断的な勉強15時間として70時間~100時間が目安になろうかと思います。
勉強方法や勉強できる時間には個人差がありますし、上記の時間数勉強したからといって合格できるわけではありません。
後述しますが、合格に必要な時間はいかに早く過去問で合格点の140点に近づけるか、によります。
世界遺産1級合格の価値は?
世界遺産1級に合格すると世界遺産マイスターの受験資格が得られる、日常や仕事上の雑談や会話に使える、旅行や観光の幅が広がるなど、楽しみが広がります。
なにより、1級を合格することで世界遺産を違った観点から見ることができるようになることが一番の価値と感じています。
世界遺産の根拠となっている世界遺産条約やUNESCO憲章など、世界遺産が「世界平和のための取組み」として始まったことや、世界遺産を取り巻く社会問題、近年の不安定な世界情勢など、世界遺産を知ることで世界情勢や日々のニュースの見え方が変わってくるのではないでしょうか。
公式テキストは上中下の3巻ですべての世界遺産を網羅しているため、世界遺産が好きな方にとっては読み物として接すると面白く感じられると思いますが、日本以外の世界遺産については広く浅く、という感じなので1級に合格したら世界遺産のガイドができるくらいの知識が身に付くか、というと個人的にはそうは思いません。
世界遺産検定1級の合格率が20~30%の理由
先ほどご紹介した通り、1級の合格率は2~4級に比べるとかなり低い水準で推移しており、難易度はかなり高いと考えてよいでしょう。
なぜ難易度がこれだけ高いのか、その理由をご説明します。
出題範囲が膨大
世界遺産検定は、基本的には公式テキストの内容に基づいて試験が出されるので、テキストさえきちんと読み込んでおけばある程度の点数が見込める試験となっています。
ですが、登録されている全世界遺産は今や1,200件以上。そのすべての世界遺産が紹介されている1級の公式テキストは、上中下の3巻に分かれており、それぞれ数百ページにも及ぶ分厚い内容です。
自分が訪れたことのある世界遺産やまだなじみのある日本の世界遺産ならまだしも、世界の世界遺産はパッと読んだところでなかなか頭に入ってきません。
2級は世界の世界遺産300件という出題範囲に対し、1級は日本を除く約1,200件の世界の世界遺産が出題範囲となりますから、2級から1級に上がるだけでボリュームが3倍以上に増えることになります。
7割という合格点ライン
先ほどご紹介した通り、1級の合格ラインは200点満点中140点なので、7割以上の正解率が求められます。
一方で他の級の合格ラインの正解率はすべて6割。この1割の差というのは実はかなり大きいです。
1級の問題は全部で90問ですが、問題によって配点が2点か3点となっています。ということは、極端な話3点の問題を20問すべて間違った場合、あと1問不正解となればアウトということ。
なのでヘタをすると7割以上の問題数を正解しないと合格ラインに到達しないというケースも出てきます。
また、1級は、最近の世界遺産に関する時事問題や、日本が世界遺産に推薦している候補遺産の内容など、テキストを読んだだけでは解答できない問題も数問出題される可能性があります。
後ほど詳しく対策をお伝えしますが、このような問題は対策も難しく、いわゆる「捨て問」と割り切った方が良い場合もあります。
そうすると、余計に間違えられる問題数は減ってしまうことになり、合格が厳しくなっていくのです。
※1級に関しては過去の試験では難易度がやや高かったことから、合格ラインの点数に調整が入り、140点に届かなくても合格できた回もあります。ですが、確実に「合格」を勝ち取るためには140点をいかに取り切るか、が重要です。
開催頻度が少ない
世界遺産検定は年4回ほど開催されますが、1級に関しては通常7月と12月の2回だけ。開催頻度が少ないと、それだけ合格できるチャンスが減りますから、合格へのハードルが上がってしまいます。
問題そのものが難しい
2級を受験されたことのある方だと、2級の選択式の問題の傾向や出題のされ方はある程度感覚をお持ちかと思います。
1級も同じ選択式なので、単に出題範囲が広くなり問題数が増えるだけと思われるかもしれませんが、その認識でいるのは少し危険です。
というのも、これは筆者の感覚に依るところもありますが、1級の選択式はより選ぶのが紛らわしい感触を受けました。
基本的には完ぺきに理解、覚えていれば選択肢に惑わされることも無いのでしょうが、1級の選択肢はテキストの赤字や太字の重要な箇所からだけではなく、それ以外の部分も網羅的に頭に入れておかないと答えにたどり着けない問題が多いです。
1級の問題例
具体例を挙げてみますね。以下は、過去問から作成した類題です。
この答えは④の那智大滝です。
この問題は富士山の構成遺産をすべて覚えていなくても、那智大滝が「紀伊山地の霊場と参詣道」に関連する構成遺産であることを知っていれば迷うことなく答えに辿り着くことが出来ます。
もしくは、①~③が富士山の構成遺産に含まれていることを覚えていれば同様に答えに辿り着きます。
このように、2級の問題は
・ストレートな問題が多い
・「答えに辿り着く方法が複数あり、必ずしもはっきりと覚えていなくても何とか解ける問題」レベルの難易度が標準
と言えると思います。
一方の1級の問題も同様に類題を出してみます。
【1級】
「『富士山ー信仰の対象と芸術の源泉』の構成遺産である人穴富士講遺跡として、正しくないものはどれか。」
①周辺には富士講信者が造立した約230基の碑塔群が残る
②10世紀にはすでに「浅間大神の御在所」とされていた
③長谷川角行が苦行を行い、入滅したとされる風穴「人穴」を中心とする遺跡群である
④『吾妻鏡』では洞内を探検した武士の霊的体験に関する記述もある
この答えは②です。
選択肢はすべて「人穴富士講遺跡」に関する記述であり、一見して答えに辿り着くことはかなり困難であり、しかもこの構成遺産に関する詳細な内容を記憶していないと答えに辿り着くことはできません。
このように1級の問題は、
・ストレートな問題はあまり無く、細部に関して問う出題が多い
・選択肢が紛らわしく、確実に消去法で進めることも難しい
・詳細を暗記していないと答えに辿りつくことが出来ない問題が多い
という内容で、2級に比べて難易度が格段に上がっています。
問題分析
2級と比較した1級の問題の難しさを感覚的にお分かり頂けたかと思いますが、具体的なデータで数値的に表してみました。

上の表は、1級と2級の過去問を、それぞれ出題分野と難易度別に得点割合を分布図にしたものです。
出題分野に関しては世界遺産検定の公式ホームページで得点割合が公表されており、上記の分布もそれと概ね整合した分布になっています。(2級の基礎知識と日本の遺産でややズレあり)
難易度は「◎」「〇」「×」で表記していますが、それぞれ下記の意味でお考え下さい。
◎:テキストの赤字を覚えていれば解答可能な問題
〇:テキストの太字の黒字を覚えていれば解答可能な問題
×:上記以外。つまり、赤字と太字の黒字以外の部分を覚えていなければ解答できない問題
この表を見ると、ある傾向が見て取れます。それは、
・「基礎知識」「日本の遺産」に関しては1級、2級も変わらず細かい部分からの出題が多い
・世界の遺産に関しては2級のほうが◎または〇の比率が高い
ということ。
また、この表から合格点突破を考えると、
・2級は「基礎知識」「日本の遺産」の8割(約39点)、「世界の文化遺産」「世界の自然遺産」の「◎」の8割(約21点)を取ることが出来れば、合格ラインの60点をクリアすることができる。
・1級は「その他」「総合」以外の出題分野の全問題の8割を取らなければ合格ラインの140点(7割)に到達しない。
ということになります。
1級で「その他」「総合」以外としたのは、これら2つの出題分野は直近の世界遺産に関する時事問題や推薦候補遺産に関する問題からの出題が多く、出題予想が絞り切れず、アテが外れると全くのカンに頼らざるを得ない(=捨て問になりやすい)分野だからです。
いかがでしょうか、1級の難しさがより実感できたのではないでしょうか。
ですが、恐れる必要はありません。きちんと効率的な対策をしていれば、1級でさえ短期間での合格も可能なのです。
次に、実際に1級試験を1発合格した筆者が考える最短合格に向けた勉強方法と勉強時間をご紹介します。
2021年度のデータをもとにご説明しましたが、直近の試験内容を分析すると×の割合が減少しており、◎と〇が相対的に増加しています。
毎年世界遺産が数十件単位で増加していくことを考えると、対象となる世界遺産は5年前から比べても100件以上増加しており、合格率を一定に保つために世界の世界遺産については赤字を覚えておくと何とかなる問題が増えたのでは、と推察されます。
最短合格のための世界遺産検定1級の勉強方法
全体的な戦略
まずは合格ラインである140点(70%)まで、いかに効率的に得点を積み上げるかを考えましょう。
先ほどご紹介したように、2級と違い1級はすべての出題分野に対して安定的に得点を重ねる実力が求められますが、イメージとして下記のような積み上げを目標にされると良いかと思います。
①確実に正解を出せる問題:110点~120点(55%~60%)
②確信は無いものの、残り2択まで何とか絞り込める問題:(40点~50点)×50%=20点~25点
③捨て問、もしくは絞り込みが出来ない問題:(30~50点)×25%=8点~12点
上記の手応えだと、得点の範囲は138点~157点。
時間があれば①を確実に140点まで積み上げて行きたいところですが、効率性&短期間合格を目指すと、多少なりとも「運」に頼らざるを得ません。
正直なところ③については点は期待せず、全く点が取れないことも覚悟し、いかに③の問題を減らし、②の割合を増やすか、また②の正答率を50%以上に上げるかに注力してください。
これを踏まえて個別の勉強法と対応をご紹介します。
効率的に点を稼ぐアプローチ(カテゴリ別攻略)
次に、効率的に点数を稼ぐアプローチをご紹介します。ポイントは世界遺産検定の公式ページでも公表されている、「問題の比率」にあります。
まだ公式ページをご覧になっていない方は、必ずこちらのページを一度はチェックしてください。公式ページによると、出題分野の問題の比率は下記の通り。
| 基礎知識 | 日本の遺産 | 世界の自然遺産 | 世界の文化遺産 | その他 |
| 25% | 20% | 45% | 10% | |
実はこの比率は2級とそれほど変わっていません。「基礎知識」と「日本の遺産」だけで問題の半数近くを占めていることが分かりますよね。
世界遺産検定1級の公式テキストの内容は、地図や索引を除くと上中下巻で合計約1,350ページのボリュームなんですが、内「基礎知識」は100ページ弱、「日本の遺産」は約210ページとなります。
ページ数でいえば約23%の範囲から45%の得点に相当する問題が出ていることになります。
2級を受験された方ならお分かりかと思いますが、これが「基礎知識と日本の遺産は落とせない」理由でもあります。
続いて、世界文化遺産と世界自然遺産ですが、その割合は圧倒的に文化遺産が多く、80%近くが文化遺産、残りの20%が自然遺産になります。
上記の通り、世界文化遺産と世界自然遺産それぞれの具体的な出題割合は公表されていないものの、直近2年の試験を分析したところでは世界自然遺産から10%~13%程度は出題されています。
そうすると、世界自然遺産から先に抑えた方が効率的ですよね。
さらに、世界自然遺産は文化遺産と異なり、比較的シンプルな問題が出題されやすいです。
なぜなら、文化遺産のように歴史的な背景があまり無く、自然の特性が登録の主な理由になっているためだからです。
以上を総合すると、効率的な合格のアプローチは下記の通りになります。
①「基礎知識」「日本の遺産」を徹底的に覚える
↓
②「世界自然遺産」をある程度覚える
↓
③「世界文化遺産」をある程度覚える
↓
④直近及び次回の世界遺産委員会の概要(開催地、開催国、決議対象資産)を見ておく
↓
⑤日本から推薦候補に挙がっている資産(特に、実際に推薦がされている資産)を見ておく
↓
⑥出題分野、同一カテゴリの世界遺産など横断的なつながりをおさえる
具体的な勉強方法
勉強の順序が分かったところで、具体的な勉強方法についてご説明します。
基本的な勉強方法としては、「繰り返し公式テキストを読み込む」ことに尽きます。
ただし、ここでも先ほどご紹介した効率的なアプローチに基づいて、読み込み方にもメリハリをつけることが大切。
筆者は下記の順番で勉強を進めました。
①公式テキスト上巻:基礎知識と日本の世界遺産を読み込む
効率的なアプローチで最も最短で、かつ確実に得点を積み上げるのに一番重要なのは3つある公式テキストの内、基礎知識と日本の世界遺産が紹介されている上巻になります。
公式テキストの上巻については、赤字・黒字だけでなくテキストの隅々、ページ下にある小さい脚注や後半のコラムも含めて読み込みが必要です。
1級は2級合格者しか受験が出来ないため、1級を受験される方はすでに基礎知識や日本の世界遺産についての基本的な知識はある程度身についているはずです。
もし2級の受験から時間が経過し、2級で勉強したことが頭からだいぶ抜けてしまっている方はまずは重要なポイントを拾うように目を通すことから始めると良いかと思います。
ある程度前提知識がある方は、最初から内容すべてを深く読み込むようにしてください。
テキストの内容がどのくらい頭に残るか、記憶の仕方は人それぞれだと思います。
筆者も学校の勉強など、何かを覚えるためには「ひたすら書く」ことをやってきたタイプですが、世界遺産検定に関しては選択式なので正確に覚える必要は無く、基本的には公式テキストを読むことを何回転かしました。
②公式テキスト中・下巻:世界の世界遺産の通読を繰り返す
公式テキストの中・下巻は世界の世界遺産が紹介されています。
世界遺産検定を受験される皆さんはきっと、世界遺産が好きだと思いますので読み物として世界の世界遺産や、自分の好きな世界遺産を調べたりすることもあるかと思います。
そういった純粋な興味でお読み頂くのももちろん大事なのでぜひやって頂きたいのですが、1級に合格する上で中・下巻の読み込みは、上巻がある程度身についてからとなります。
これまでの世界遺産検定を分析すると、1級で出題される世界遺産は50~60でその数はそれほど変わっていません。
さらに筆者調べではありますが、直近2年の試験で日本の世界遺産は20件コンスタントに出題されています。
つまり、日本を除いた世界の世界遺産から出題されるのは1,200件以上ある中のわずか30~40個、3%前後しかありません。
また、日本の世界遺産に比べると世界の世界遺産の説明ページは多くて4ページ、少ないと数行しかないため、出題内容もシンプルで、赤字や黒字を覚えておけば何とかなるものが多いです。
これを踏まえると、公式テキストの中・下巻は、丁寧に読み込むより、上巻に比べて赤字・黒字の太字キーワードを中心にさらっと読むことを繰り返した方が効果的です。
③直近の世界遺産、世界遺産委員会の情報を確認する
問題数は少ないものの、直近2年の出題を見ても直近の世界遺産委員会、直近で登録された世界遺産、次回開催予定の世界遺産員会のいずれかが必ず出題されています。
世界遺産委員会は毎年概ね6月~7月に開催されるため、12月の試験にはその年に開催された世界遺産委員会で登録が決定した世界遺産や次回の世界遺産委員会、7月も同様に次回の世界遺産委員会に関する問題が出題される可能性が高いです。
これらの情報は世界遺産検定の「学習用資料」のページで随時資料が公開されていますので、必ず直近の資料、世界遺産委員会に関する情報は確認しておきましょう。
④過去問に1回チャレンジする
①~③のステップで勉強を進めて、ある程度身についたかな、と感じたら一度過去問にチャレンジしてみましょう。
過去問で具体的に身についている部分と、もう少し勉強が必要と感じる部分が明確になるかと思いますが、過去問で明らかにすることは次の2点です。
①基礎知識、日本の世界遺産に関する問題の正解率・得点率が合格圏内にあるか
②得点が伸び悩んだ項目(自分の弱み)はどこにあるか
を明確にする!
まず①でまだまだ不十分(点が取れない)な場合は再度公式テキストの読み込みを行います。
もし①がある程度手ごたえがある場合、②で弱い部分を重点的に公式テキストの読み込みを行います。
筆者は①②がある程度身に付いたと感じた後、さらに合格率を上げるために横断的な勉強を行いましたが、それは別記事にてご紹介します。
⑤もう1つ過去問を解いて準備万端の状態に
過去問を1回解き、自分の実力を測って足りない部分や弱みをカバー、そして横断的な勉強も終えた後、最後にもう1回別の過去問に挑戦します。
2回目の過去問は完全に本番に挑むつもりでの挑戦で、ここで合格点を取れれば自信につながりますし、合格点に届かなくても10点程度の差であれば試験までの残り期間で十分に挽回が可能だと思います。
失敗しがちな勉強法
筆者は幸いにも1回の受験で合格できましたが、受験を振り返って特に効果が出なかった勉強法についてご紹介します。
まんべんなくテキストを読み込む
すべての世界遺産についてテキストに記載している内容を覚えようとすると、途方もない時間がかかってしまいます。
特に中・下巻のテキストに含まれる日本以外の世界遺産については膨大であり、最初は区別なく読み込みをしていましたが、思うように記憶に残らないですし、点数にもつながりにくかったように思います。
やはりそれぞれの世界遺産の特徴が何なのか、を意識して読む必要があり、特徴は赤字や黒字の太字に集約されているため、そのあたりを中心に読むことが大切です。
自分の興味に合わせてテキストを読む
自分の興味から勉強を始めることは大事ですが、もし世界遺産検定1級の合格を目標にするのであれば、自分の興味に合わせてテキストを読むことはあまり得策ではないように感じました。
過去問を見て頂ければ実感できるかと思いますが、日本以外の世界遺産については有名な世界遺産から出題されることはほとんどありません。
これは筆者の印象ですが、出題者は今の世界遺産の考え方やトレンド、時事を出題にある程度反映させているように感じます。
例えば近年ではグローバル・ストラテジーという考えが明確にされていて、国や内容による世界遺産の偏りをなくす方針が打ち出されています。
このため、世界遺産を持たない国からの世界遺産登録や、近代の産業遺産、もしくは先史時代といった世界遺産登録数の少ない遺産の登録にも重点が置かれています。
テキストを読むときは自分の興味よりも例えば2020年以降登録された新しい世界遺産や、世界遺産に関するニュース、世界的なイベント(オリンピックやワールドカップなど)を頭の片隅に持ちながら、読むと良いかもしれません。
横断的なつながりを過度に意識する
世界遺産検定の公式ページでは、1級の学習のポイントとして「登録基準や遺産同士の横のつながりを意識することが重要」と記載されています。
ですが、あまりに横断的なつながりを意識しすぎてそもそもの基礎知識や世界遺産の内容が置き去りになってしまうと意味がありません。
公式テキストでも世界遺産は一定のカテゴリにくくられて紹介されていますが、筆者はあまり意識していませんでした。
文化的景観や世界最〇〇といったくくりで独自に世界遺産をまとめてみましたが、あまり意味があったようには感じませんでした。
横断的にまとめてまだ意味があると思えたのは、危機遺産や自然遺産の社会問題、また基礎知識で時系列に主要な出来事をまとめる、などです。
最短合格のための世界遺産検定1級の勉強スケジュール
ざっくりとしたスケジュール目安
試験までどのくらいの勉強時間を確保することが出来るか、またどのくらいのスピードで理解が進むか、これは各人によってばらつきがあるので一概にはっきりしたことを言うことはできません。
ですが、大まかなスケジュールとして、下記のイメージを持っておくと良いかと思います。
①試験3週間前までには必ず「過去問」1回分をチャレンジする!
②試験1週間前までに2回目の過去問にチャレンジし、合格基準ラインに到達している感触を持つ!
先ほどの勉強方法でもご紹介しましたが、公式過去問集にある2回分の過去問は必ずチャレンジしてください。
過去問とほぼ同様の問題が本試験で出ることも珍しくありません。
特に「基礎知識」や「日本の世界遺産」は範囲が限られているので、無限に重複しないように出題することなど不可能で、過去問と重複する問題、もしくは類似問題は必ず出題されます。
その上で、過去問2回分をチャレンジする目安と目的して、以下をご参照ください。
1回目の過去問
・テキストをある程度反復して読み直し、そろそろ力試しをしても良いかな、という感触を持ち始めている。
・その上で、過去問を初めてチャレンジすることで問題に慣れるだけでなく、自分が勉強不足であるポイントを知ること。
2回目の過去問
・1回目の過去問を経て、実力不足をカバーできていること。
・問題の出題傾向、難易度も肌感を持っている状態なので、本番と同様に合格ラインの得点を目指す。
具体的な勉強スケジュール(学習期間:3ヶ月の場合)
世界遺産検定の公式ページで公開されているデータによると、1級の受験者の学習期間は2~3ヶ月、4か月以上がそれぞれ30%以上となっており、3ヶ月が一つの目安になろうかと思います。
筆者も勉強期間は2~3ヶ月だったと記憶しています。
3ヶ月の勉強期間があるとそこまで詰め込み勉強をしなくても、例えば毎日の移動の電車の中でテキストを少しずつ読み込んでいくことで十分に間に合います。
先ほどご紹介したざっくりスケジュールから考えると、試験の1か月前までにはテキストの読み込みが一通り完了している必要があります。
試験3か月~2か月前:テキスト上巻をとにかく読み込む
試験2か月~1か月前:テキスト中・下巻を数回通読しながら、テキスト上巻の記憶を強化する
試験1か月前~3週間前:過去問1回目を解き、弱い部分を中心に勉強
試験3週間前~1週間前:過去問2回目で最終調整
試験1週間前~試験日まで:横断的な勉強、直近の世界遺産委員会等の確認など最終確認
いかがでしたでしょうか。
さらに細かい分析を基にした勉強法や対策は下記の記事にてご紹介していますので、こちらも合わせてお読みください。
世界遺産検定の勉強について個別のご相談も承りますので、お気軽にご連絡ください!







【2級】
「『富士山ー信仰の対象と芸術の源泉』の構成遺産として、正しくないものはどれか。」
①山宮浅間神社
②御師住宅
③吉田口登山道
④那智大滝