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世界遺産検定2級:難易度、合格率は?最短合格のための勉強法とコツを大公開!

皆さんは世界遺産検定をご存じでしょうか。回を追うごとに受験者数も増えており、世界遺産という身近なテーマを題材とした検定試験なので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな世界遺産検定の中でも特に受験者数が多く、また誰でも受験が可能な2級について、その難易度や合格率、勉強方法のコツまで筆者の経験を踏まえて解説します!

世界遺産検定2級の概要

世界遺産検定って何?

世界遺産検定は、NPO法人の世界遺産アカデミーという組織が主体となって行っている検定制度で、世界遺産の内容だけでは無く、ユネスコや世界遺産条約など、制度の基本的な知識を学ぶことが出来る資格制度です。
世界遺産検定の累計受験者数は2019年までで25万人を突破しており、内、2級についてはおおよそ3,000人~4,000人の受験者がいます。
後ほどご紹介しますが、2級は年4回受験チャンスがあるので、毎年の累計受験者数は15,000人近くいることになります。

世界遺産検定は4級、3級、2級、1級とマイスターという5つの級に分かれており、級が上がるほど試験範囲も広くなり、問題の難易度も上がっていきますが、2級に関しては出題範囲(後ほどご紹介します。)が固定されており、その点で勉強や試験対策もしやすいのではないでしょうか。

ただし、日本の世界遺産はすべてが出題範囲となるので、新しく世界遺産に登録された遺産だけでなく、現在推薦候補に挙がっている資産からも出題されるなど、情報のアップデートは必要になってきます。

試験の概要と難易度

試験日

世界遺産検定はおおむね3か月に1度の開催となっており、2021年は3月、7月、9月、12月の4回の実施が予定されています。

試験はマイスターを除いてマークシートのため、2020年12月より2級、3級、4級に関してはコンピューターを利用したCBT試験という開催もされています。
通常の試験と何が違うのかというと、会場での筆記式の試験の場合は実施日は特定の1日で、会場も限定されますが、CBT試験の場合は

・全国280か所の試験センターから自分に都合の良い会場を選ぶことが出来る
・受験日もおおよそ2週間の期間から好きな日時を選択できる

と、より柔軟に、かつ手軽に試験を受けることができるのが特徴です。
コロナ禍で密集が心配という方も、CBT試験だと自分のご都合の良い日時に、希望する場所で試験を受けることができるので、不安も和らぎますよね。

各級の試験範囲と合格率

続いて、各級の試験内容と合格率を簡単にご紹介します。

受験条件出題範囲問題数試験時間合格ライン合格率
マイスター1級合格世界遺産全件3題120分12点以上/20点満点45%
1級2級合格世界遺産全件90問90分140点以上/200点満点20%
2級無し日本の世界遺産+世界の世界遺産300件60問60分60点以上/100点満点50%
3級無し日本の世界遺産+世界の世界遺産100件60問50分60点以上/100点満点78%
4級無し日本の世界遺産+世界の世界遺産32件50問50分60点以上/100点満点86%

世界遺産検定の公式ページで公表されている2級の過去の認定率は41%~61%となっており、ばらつきがあるものの半数から6割近くの受験者が合格しているとみてよいでしょう。筆者が合格した2020年9月実施の第41回世界遺産検定2級の認定率は71.3%、平均点は69.8点でした。

この認定率を見ると、2級は「きちんと覚えるべきポイントを抑えておけば、基本的には合格できる」試験と言えるのではないでしょうか。

【最短合格】世界遺産検定2級の勉強法と攻略法

それではいよいよ、具体的に2級に最短で合格するための戦略と勉強法をご紹介します。

全体的な戦略

先ほど2級の出題範囲をご紹介しましたが、もう少し具体的な出題範囲ごとの点数配分を見ていきましょう。こちらは世界遺産検定の公式ホームページでも公開されているので、必ず目を通しておいてください。

世界遺産検定に限らず、試験に最短で合格する一番のポイントは、「試験の中身を知る」ことと「出題者の意図」を読み取ることです!

基礎知識日本の遺産世界の自然遺産世界の文化遺産その他
20%25%45%10%

上記の通り、「基礎知識」と「日本の遺産」が概ね半分近くの45%のウエイトを占めていることが分かります。
「その他」というのは、最近の世界遺産に関するトピックス(次回の世界遺産委員会の開催都市や、日本から推薦されている資産候補など)だと思ってください。

これを踏まえて、基本的な試験対策としておススメするのは下記のポイントになります。

①「基礎知識」と「日本の世界遺産」は満点を目指して、点数を取り切る!
②次回の世界遺産委員会開催地(国、都市)と登録が議論される日本の世界遺産の概要は抑えておく!
③世界の世界遺産は流し読み。重要なキーワード(赤字と黒字の太文字)はぼんやり覚えておく!

順番にご説明しましょう。

①「基礎知識」と「日本の世界遺産」は満点を目指して、点数を取り切る!

2級のテキストをご覧頂くと分かりますが、約270ページほどのボリュームに対して、「基礎知識」(セクション1:世界遺産の基礎知識)のページ数はわずか18ページしかありません。同様に、「日本の世界遺産」(セクション2:日本の遺産)は1つの遺産ごとに2ページなので、約50ページ弱のボリュームです。

ページ数でいうとわずか30%にも満たない中から、45点分の問題が出るわけですから、テキストの30%を完璧に抑えておくだけで、半分近くの点数を取ることが可能です。

仮にこの2つの出題分野からの問題をパーフェクトに正答した場合、合格ラインの60点にはあと15点必要になってくるわけですが、4択のマークシートを考えると、単純計算で残り55点分を1/4の確率で正解したら58、59点に届くわけですから、後は2,3問確実に答えることが出来ればそれだけで合格ラインに達することができます。

そう考えると、ちょっと自信が湧いてきませんか?

②次回の世界遺産委員会開催地(国、都市)と登録が議論される日本の世界遺産の概要は抑えておく!

次に抑えておきたいのは、10点の点数配分がある「その他」のセクションの問題もある程度出題予想絞ることが出来るので、このセクションでも半分ぐらいの点数は確保するようにしましょう。

過去問を見ていると、「その他」から出る問題の分野はほぼ決まっていて、下記の通りとなっています。

・次回の世界遺産委員会の開催地や場所を問う問題
・日本から推薦されている世界遺産の内容を問う問題
・無形文化遺産に関する内容を問う問題
・英語で説明された内容から、世界遺産の名称を問う問題
・最近の世界遺産に関する時事問題

この中で取りやすいのは最初の2つ、つまり、次回の世界遺産委員会の開催地や場所に関する問題と、日本から推薦されている遺産の内容を問う問題です。

ちなみに誤解しないで頂きたいポイントとして、「日本から推薦されている遺産」というのは、テキストに記載のある「暫定リスト」に挙がっている資産では無く、暫定リストから政府関係機関の審議を終えて実際に世界遺産センターに推薦書が提出され、次回の世界遺産委員会で登録の要否が決議される資産を言います。
2021年現在、日本から推薦されており、次回の世界遺産委員会で決議されるのは「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」と「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の2件です。
(通常は年に1件ですが、2020年は新型コロナウイルスの影響で世界遺産委員会が開催延期となったため、2021年に2020年と2021年の2回分の決議がなされる予定です。)

③世界の世界遺産は流し読み。重要なキーワード(赤字と黒字の太文字)はぼんやり覚えておく!

残る出題範囲が世界の世界遺産300件からで、ここがボリューム的には多いセクションとなります。

これまでの2つのポイントをしっかりと抑えておけば、ある程度ヤマを張るか、試験まで時間が無い場合は割り切ってチェックするページを絞る、ということでも合格ラインに十分に届くと思います。
ですが、2級は基本的にはしっかりと対策をしておけばまず番狂わせが起きる可能性は限りなく低いので、余裕を持って合格したいところです。(もし1級を目指されている方がいれば、2級の勉強も当然1級の勉強に繋がりますので。)

そこで世界の世界遺産のセクションに関しておススメの勉強法は、「世界遺産の名前とキーワード」をセットでぼんやり抑えておく、ということです。ここでいうキーワードは、公式テキストで赤字の太字、黒字の太字又は世界遺産の名前の下に見出しで記載されている緑の太字の部分を言います。

これは筆者の集計ですが、基本的に世界遺産の名前とそれに紐づく赤字のキーワードを抑えておけば約70%、黒字の太字まで抑えることが出来れば80%の得点が可能です。

また、「ぼんやり」覚えておくことが重要で、これは最低限の労力という意味では無く、1つ1つの世界遺産をしっかり覚えるよりもぼんやりでも特徴を抑えておく方が、結果的に世界遺産の理解にもつながることになります。

勉強スケジュール

試験までどのくらいの勉強時間を確保することが出来るか、またどのくらいのスピードで理解が進むか、これは各人によってばらつきがあるので一概にはっきりしたことを言うことはできません。

ですが、大まかなスケジュールとして、下記のイメージを持っておくと良いかと思います。

①試験2週間前までには必ず「過去問」1回分をチャレンジする!
②試験1週間前までに2回目の過去問にチャレンジし、合格基準ラインに到達している感触を持つ!

まず、皆さん必ず過去問題集を購入して、2回分の過去問は必ずチャレンジしてください!過去問とほぼ同様の問題が本試験で出ることも珍しくありません。
特に「基礎知識」や「日本の世界遺産」は範囲が限られているので、無限に重複しないように出題することなど不可能で、過去問と重複する問題、もしくは類似問題は必ず出題されます。

その上で、過去問2回分をチャレンジする目安と目的して、以下をご参照ください。

1回目の過去問

・テキストをある程度反復して読み直し、そろそろ力試しをしても良いかな、という感触を持ち始めている。
・その上で、過去問を初めてチャレンジすることで問題に慣れるだけでなく、自分が勉強不足であるポイントを知ること。

2回目の過去問

・1回目の過去問を経て、実力不足をカバーできていること。
・問題の出題傾向、難易度も肌感を持っている状態なので、本番と同様に合格ラインの得点を目指す。

具体的な勉強法と対策

「基礎知識」「日本の遺産」は徹底的に暗記する!

先ほどご紹介した通り、「基礎知識」「日本の遺産」からの出題ボリュームは多い一方、その内容もかなり細かい部分からの出題となります。そのため、この2つの分野は赤字や太字の黒字に限らず、内容をすべて丸暗記する勢いで覚えてください。

基礎知識では「定義」に関する問題も頻出分野の1つとなっています。「危機遺産」の正確な名称や「文化的景観」の構成要素の定義などもきちんと覚えておきましょう。
また、文化的景観に関してはこれを有する世界遺産に絡む問題も出やすくなっているので、定義を覚えるのと同時に「文化的景観」のチャプターに挙がっている世界遺産も合わせて読むとより効率的です。

「日本の遺産」に関しては各遺産の説明ページを何度も熟読してください。日本の世界遺産に関する問題は、世界の世界遺産に比べると少し細かい部分も出題されるので、赤字・黒字の太文字に限らず、すべての範囲を何度も読み返して、
-それぞれの資産に含まれる構成遺産の概要
-それぞれの遺産で認められている登録基準
-細かい特徴や知識
を抑える必要があります。

世界遺産に関するニュースを直前でも構わないのでチェックする!

少なくとも次回の世界遺産委員会の開催都市(国を含む)は覚えておきましょう。また、日本から推薦されている資産についても地元が世界遺産登録に向けて作成した資産紹介ページがあるので、こちらもチェックして少なくとも構成遺産やその特徴については抑えておくと良いでしょう。

先ほどご紹介した通り、上記の他に英文の説明文がどの世界遺産を説明したものか、また無形文化遺産に関する問題もほぼ間違いなく出題されると思うので、英語に苦手意識の無い方は、テキストの「英語で読んでみよう」のページも、件数が少ないので抑えておくと良いかもしれません。
無形文化遺産や「世界の記憶」に関しては余力があれば日本から登録されているものをざっと見ておくと良いでしょう。

世界の世界遺産に関しては公式テキストを何度も読み直す

最後に、世界の世界遺産に関しては公式テキストを可能な限り何度も読み直してください。これは暗記する必要は全くなく、紙に書いて覚える必要もありません。ただ空き時間にテキストを何度も繰り返し読んでください。

それだけで、何週かしているうちに世界遺産の名前を見ただけでキーワードが多少なりとも思い浮かんでくるようになるはずです。

例えば、

イエローストーン国立公園⇒世界で最初の世界遺産⇒カルデラ
シルクロード⇒シリアル・ノミネーション⇒天山回廊
カカドゥ国立公園⇒オーストラリア最大の国立公園⇒X線画法

といった具合です。

 

いかがでしたでしょうか。
正しい勉強をすれば必ず合格できる世界遺産検定2級、世界遺産や旅好きな方はぜひチャレンジしてみてください!個別のご相談もお気軽にご連絡ください!

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