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【海外一人旅(ひとり旅)徹底ガイド】カンボジア編③(アンコール遺跡小回りルート)

カンボジア5日間の一人旅(ひとり旅)、今回はアンコール遺跡の観光ルートの内、いわゆる小回りルート(スモールルート)を巡ります。

タ・プローム、タ・ケオ、アンコール・トムなど、有名どころはほぼこの小回りルート上にあるので、アンコール遺跡の観光はまずこのルートを抑えましょう。今回はアンコール・トムを除く見どころを徹底解説!

【カンボジア】アンコール遺跡小回りルート①:スラ・スラン近辺

Prasat Kravan(プラサット・クラヴァン)

チケットセンターでチケットを購入し、そのまま北上、チェックポイントがある交差点を右に曲がってしばらく自転車で走っているとまず見えてくるのがこちらのPrasat Kravan(プラサット・クラヴァン)です。

アンコール・ワットと同じように、周りを堀が囲っておりその中に横に5つの建物が並んだ形をしています。

塔内の壁画も見どころ

見どころ

・建造されたのは10世紀前半の921年に、Harshavarman Ⅰ(ハーシャバルマン1世)に献上された。
・同時期にHarshavarmanⅠの伯父がコー・ケーを統治しており、それと同じスタイルの建築様式。
・レンガ造りの建造物であり、モルタル(しっくい)を使用せず植物由来の接着剤を利用しているため、レンガ同士がかなり密接につながって組み立てられている。
・5つの塔が横一列に並んだ、ユニークな構造をしている。
・塔内の壁の壁画の保存状態も良く、特に中央塔内に描かれたVishnu(ヴィシュヌ神)が有名。

Banteay Kdei(バンテアイ・クディ)

ブッダの顔が浮かぶ石像を持つ入口が特徴

Prasat Kravan(プラサット・クラヴァン)より道を進み北上すると、右手に大きな池(スラ・スラン)が見えてきます。その向かい側に建てられたのがこちらの、Banteay Kdei(バンテアイ・クディ)です。

入口のゲートの上には石を削って浮かび上がってくる仏陀の顔が。これはアンコール・トムのベイヨン寺院と同じ様式ですが、石を利用してこの立体感と見事な仏陀の顔を造り出す技術は何度見ても素晴らしい!

踊り子の間にある有名なスリー・ダンサー(両端と中央奥)

入口を抜けて歩いていくとまずあるのが、踊りの間(Hall of Dancers)です。その名の通り、壁のいたるところに踊り子の像が置かれています。

他の遺跡でも見られますが、遺跡の構造として建物が一直線に造られているものが多く、このようにすべての通路が一直線に連なっているのは圧巻の一言。いかに良く計算されて造られたかがよく分かります。

”森林の遺跡”と言われるだけあり、遺跡の中で逞しく育った大樹と遺跡のコラボレーションは幻想的です。

また、この大きな木が長い歴史の時の流れを感じさせてくれます。

”踊り子の間”の奥にあるのが、9つの塔が特徴的な遺跡の中央部分になります。

見どころ

・建造されたのは12世紀後半から13世紀前半、Jayavarman Ⅶ(ジャヤバルマン7世)により創建、その後IndravarmanⅠ(インドラバルマン1世)により拡張。
・”踊り子の間”の壁に多く装飾されている踊り子像が有名。
・入口や遺跡内に置かれた仏陀の顔や仏像はヒンドゥー教ではなく、仏教が重んじられた時代に造られたことの表れ。
・9つの塔から成る遺跡の中央部分は保存状態も良い。

スラ・スラン

Banteay Kdei(バンテアイ・クディ)の東側、道を挟んだそのすぐ先にある湖がスラ・スラン。

おそらく貯水湖として造られたこの湖はいたって普通の池ではありますが、このような森林の中にこれだけ巨大な湖を増設したことを考えると驚きです。

見どころ

・10世紀ごろに完成、その後12世紀後半から13世紀前半にかけてJayavarmanⅦ(ジャヤバルマン7世)の時代に改修。
・大きさとしては700m×350m
・雨季と乾季がはっきりいているカンボジアでは乾季の水の確保が必要。スラ・スランは”すべての生き物にとって恵みとなる。ただし、象が水浴びをするために貯水池に入らないよう注意すること”と石碑にも記録が残されている。

【カンボジア】アンコール遺跡小回りルート②:Ta Prohm(タ・プローム)

アンコール遺跡の中でも、アンコール・ワット、アンコール・トムと並んで特に人気なのがこちらのTa Prohm(タ・プローム)です。スラ・スランからさらに北上し、交差点を西に曲がってしばらく進むと見えてきます。

広大な敷地の中に建てられた遺跡群で、中央部分は三層の回廊になっていて造りは複雑。そのためか、回廊には”一方通行”のようなマークが掲げられていて、実際に訪れると迷路のような回廊で外に出られなくなるかもしれません。。

タ・プロームは時の王、ジャヤバルマン7世が即位して最初に建てられた寺院ですが、母の菩提を弔うために1186年に造ったと言われています。

見ての通り遺跡内には太い木々が根を張っており、まさに”森林の遺跡”のイメージにピッタリな、幻想的な風景を楽しむことができます。それもそのはず、基本的にこの遺跡は発見当初から特に手を加えられておらず、自然のなすがままになっているのだそう。

そのため、大きな木々が将来年老いて枯れてしまったり、台風などで木々がなぎ倒されてしまうとこの遺跡も大きく損壊してしまうことになります。

見どころ

・1186年、JayavarmanⅦ(ジャヤバルマン7世)によって創建され、その後IndravarmanⅡ(インドラバルマン2世)が拡張。
・ジャヤバルマン7世の母を弔うために建てられた寺院と言われている。
・寺院の維持のために、3,140もの村からのべ79,365人が作業に駆り出されたと言われており、12,640人もの人を収容できる施設も兼ね備えられていた。
・”森林の遺跡”と呼ぶにふさわしく、遺跡内には根を張った大木がいくつか見ることができる。

旅のヒント⑧:遺跡を訪れる時間帯に注意!

アンコール遺跡には毎日数多くの観光客が訪れますが、有名なアンコール・ワット、アンコール・トムやタ・プローム遺跡の内部は通路も狭く、時間帯によっては観光客でごった返して渋滞が起こることも。

特に昼前から13時、14時辺りにこれらのスポットを訪れる時には、ある程度人が多いことを覚悟しておきましょう。ゆっくり堪能したい場合は、早朝がベスト、もしくは閉園する間近の夕方も多少は空いているかもしれません。

【カンボジア】アンコール遺跡小回りルート③:Ta Keo(タ・ケオ)

Ta Prohm(タ・プローム)からアンコール・トムへと続く道の途中にあるのが、こちらのTa Keo(タ・ケオ)。

これまで見てきたタ・プロームなどの遺跡とは違い、迫力や壮大さは圧倒的なインパクトがあります。もちろん内部も自由に散策でき、頂上に建てられたお堂部分までも上ることが可能です。

こちらのタ・ケオ、実は完成した姿ではなく創建の途中で工事が中断され、未完成の状態なんです。

JayavarmanⅤ(ジャヤバルマン5世)が975年に、彼が統治する都市の中心寺院を建てるため着工に取り掛かったものの、その後完成前に死去し、それにより内戦が勃発したため完成まで至らなかったのだそう。

頂上にある5つのお堂のシンプルでどこか粗っぽい外観から、何となく未完成であることが伝わってきます。

タ・ケオは砂岩で造られているため、ここを訪れるベストタイミングとしては陽の光が当たって建物がオレンジ色に輝く早朝か夕暮れ前でしょう。

見どころ

・JayavarmanⅤ(ジャヤバルマン5世)が975年に着工するも、未完成のまま終わる
・砂岩で造られており、太陽光でオレンジに輝く姿は幻想的
・これ以前のクメール寺院の構成として、建物が一直線に並んだ”直線型”の寺院が一般的だったが、タ・ケオから”回廊型”の寺院になったと言われている。

旅のヒント⑨:意外とハード&高所恐怖症は要注意!のアンコール遺跡

タ・ケオの頂上に続く石段

アンコール遺跡の中にはピラミッド型の遺跡も多く、これらも頂上まで上ることができます。

ただし、一部上りやすいよう階段が備え付けられている場所もありますが、多くは当時の姿のまま残されているため、頂上へ上る石段も急だったり、幅がバラバラ、足の踏み場が狭いなど意外とハードです。

高所恐怖症の方だと、頂上に上る石段を前に足がすくんでしまうかもしれません。とにかく動きやすく、滑りにくい服装で訪れるようにしましょう。

遺跡内の食事は期待できない!?

タ・ケオの観光を終えて、ちょうど目の前にあったレストランでお昼にしました。

Chicken Noodleを注文したところ、出てきたのがこちらのラーメン。麺もスープも明らかにインスタント、その上に少し炒めた野菜を乗せただけ。。

これほどあからさまなインスタントをレストランで食べたのは初めてかも(笑)

ラーメン3ドルにファンタ1ドル。シェムリアップの街中の食堂の2倍の値段です。

チャーハンとかにした方がまだマシだったかな。。

アンコール遺跡内のレストランは期待できませんね。でも炎天下の中ずっと歩き回るのは熱中症の危険もあると思うので、ちゃんと日陰に入って休憩をとるようにしましょう。

この時から若干の頭痛が起こり始めました。。

【カンボジア】アンコール遺跡小回りルート④:勝利の門近辺

Chao Say Tevoda(チャウ・サイ・テウダ)

Ta Keo(タ・ケオ)からさらに道を西に行くと、アンコール・トムへと入る勝利の門の手前にあるのがこちらのChao Say Tevoda(チャウ・サイ・テウダ)です。

この寺院と道を挟んだ向かい側にトマノンという寺院もありますが、両社は建立された時期も異なり全く別の寺院となっています。

この寺院の一番の特徴は、東側に造られた空中参道とテラスです。空中参道の上も歩いて散策してみましょう。

見どころ

・SuryavarmanⅡ(スリャバルマン2世)により12世紀中ごろに創建された。様式としてはアンコール・ワットと同様。
・東側に造られた空中参道とテラスは、後にJayavarmanⅧ(ジャヤバルマン8世)によって加えられたもの。

Thommanon(トマノン)

Chao Say Tevoda(チャウ・サイ・テウダ)から道を挟んで向かい側にあるのが、こちらのThommanon(トマノン)です。チャウ・サイ・テウダと同じくスリャバルマン2世によって創建されましたが、それぞれが造られた寺院は異なります。

トマノンは12世紀前半に創建され、チャウ・サイ・テウダよりも先に建てられたもののその保存状態はチャウ・サイ・テウダよりも良いと言えるでしょう。

トマノンの見どころの1つは、壁に彫られた女神とガーディアンです。保存状態も良く、女神の顔をよく見ると少しほほ笑んでいるように見えます。

見どころ

・SuryavarmanⅡ(スリャバルマン2世)により12世紀初期に創建された。様式としてはアンコール・ワットと同様。
・保存状態の良い、女神とガーディアンの彫刻は一見の価値あり。

 

いかがでしたでしょうか。アンコール遺跡と言っても、その遺跡はそれぞれに造られた年も、創建者も、目的も異なっているため、違った魅力がありますよね!

ぜひ一つ一つの遺跡をじっくり堪能して、あなたのお気に入りを見つけてみてください!

カンボジアの一人旅(ひとり旅)徹底ガイド

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【海外一人旅(ひとり旅)徹底ガイド】カンボジア編④(アンコール・トムの観光ルート)
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【海外一人旅(ひとり旅)徹底ガイド】カンボジア編⑥(コーケー遺跡とプリア・ヴィヘア)
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