ひとり旅コラム

【ここまでくると逆にすごい?】インドで日本人観光客がぼったくられるワケ(後篇)

前回ご紹介した、インドを訪れる観光客がまんまとインド人に騙されるパターンとその理由。

今回はさらにスゴイインド人たちのテクニックをご紹介します。ここまでくると、むしろインド人たちの日本への愛着すら感じてしまうかもしれません。。ある意味スゴイです。。

日本の最近のはやりをしっかりチェックしているインド人

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出典:http://tatsu8.jp/memo/2013-12.html)

インド人についついぼったくられたり、だまされたりしてしまうのは彼らの巧みな話術ということは前回ご紹介しました。

インドに行かれたことがある方や、インド人の友達がいる方なら分かるかと思いますが、インド人はとても人懐こい人たちです。よく言うととてもフレンドリー、悪く言うと厚かましい、とでもいいましょうか。

街で見知らぬインド人に話かれられて、最初は無視したり不快に思っていても、ついついクスっと笑ってしまうネタを突っ込んできます。

その一つが日本で流行っているギャグです。流行っているといっても多少のタイムラグもあるようで。。

2014年4月にインドに訪れた際に聞いたギャグ、流行り言葉で印象に残っているのは

・”オッパッピー、そんなの関係ネェ!” (小島よしおさん)
・”倍返し” (ドラマ「半沢直樹」)
・”今でしょ!” (林修先生)

です。

ここまで日本の流行をおさえている国は多分他にありません。(あるとしたら中国でしょうか。。)

林修先生の"今でしょ!"などはお土産屋さんで連呼されそうな感じです。

今行くとどんなギャグを聞くことができるでしょうか。

”ダメよ~、ダメダメ!”(日本エレキテル連合)
"ラッスンゴレライ" (8.6秒バズーカ)

あたりが最有力候補です。

このようなギャグや流行った言葉を織り交ぜて、こちらの警戒心を解こうとしてきます。ついついこういった会話にはノッてしまうのが旅人の性かもしれませんが、彼らの術中にハマらないように気を付けてくださいね。

だまされないための対策

自信がない方は、ひたすら無視し続けましょう。アイコンタクトや足を止めて話を聞くこともしない方が無難です。ひたすら目を合わさず、その場から離れましょう。

少し余裕のある方が一番危ないのですが、インド人たちと適当に会話を楽しんで、でも肝心な部分ではちゃんと「ノー」で突き返す、ということができれば上出来だと思います。

会話をする分にはタダですので、適当に彼らの話を聞き流して、適当に楽しんで、もういいかと思ったらサッと立ち去る。これだと地元の人たちと会話も楽しめて、いろんなことを聞けるという旅の楽しさも味わうことができます。ですが、インド人たちの粘り強さはハンパないため、こちらにもそれ相応のタフさが必要になってきます。

マニアックなネタまで利用するインド人(バラナシ編)

インドでも人気の観光スポット、バラナシ。

ヒンズー教や仏教の聖地とされている場所の一つです。聖なる川であるガンジス川のほとりにあるこの町を訪れると、いろいろなことを考えさせられます。

一日中河のほとりにいてぼーっと河を眺めていても飽きない、そんなバラナシ。ゆっくりのんびりと過ごしたいところですが、インド人はほっといてはくれません。

河のほとりに座っていれば、間違いなく声をかけられます。

必ず話に出てくる「深夜特急」

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(出典:http://www.shinyaarikawa.net/entry/2015/07/29/213413)

このバラナシでインド人に会うと、ほとんどの確率で話に出てくるのが「深夜特急」というお話。

詳しい内容は皆さんで一度確認して頂きたいのですが、もともとはバックパッカーの話を題材とした小説でした。その後、映画や漫画にもなっています。

そして、この映画と漫画の中にバラナシが出てくるわけです。主人公のバックパッカーはバラナシで「ムケ」というインド人に出会います。映画ではバックパッカーの主人公を大沢たかおさんが演じられています。

この「ムケ」というインド人のモデルが実在するらしく、それを鉄板ネタにしてインド人たちが観光客に寄ってきます。

実際に私も「自分がこの話のモデルになったムケだ」というインド人に出会いました。

バラナシでシルクなどの観光品のお店をしています。

バラナシにはこのようなシルクなどの観光品のお店がたくさんあるのですが、日本人がよく行くお店もだいたい決まっています。たいていはインド人に連れてこられると思うのですが、そのような店には決まって、

・日本人バックパッカーの写真
・「深夜特急」含む日本の漫画や本

がたくさん置いてあります。漫画や本は、おそらく日本人のバックパッカーたちが残していったものだと思います。

今となっては正直、誰が本物の「ムケ」なのか分かりません。。事前に「深夜特急」の映画を観ていきましょう。。

ニセの観光案内所まで作ってしまうインド人

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(出典:http://kenjimorita.jp/category/journey/india/)

バックパッカーにとって、旅先での一番の情報源が観光案内所。

無料でいろいろな情報が手に入るし、地図や宿泊所の紹介もしてくれるため、とてもありがたい存在ですよね。

ところがインド、とくにデリーでは政府の観光局が運営している観光案内所のほかにも、怪しげな観光案内所がたくさん存在しています。

怪しげな観光案内所ならすぐに感づくと思いますが、それでも多くの観光客が本物と間違えてしまうのにはいくつかの理由があります。

あえて正式な観光案内所の近くに作る

最初の理由は、こういった観光案内所は正規の案内所のすぐ近くに作られています。

ですので、見知らぬインド人に道案内をされて警戒心を持っていても、方向としては合っていることが多く、なかなかニセモノと気づくことが難しいのです。

私が案内されたニセの観光案内所は、正規の案内所と通りを一つ隔てた裏の通りに店を構えていました。そのぐらいの近さなので、ガイドブックに載っているおおまかな地図ではとても判断できません。

特にひどいコノート・プレース

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デリーの中でも特に観光案内所が乱立しているのが、コノート・プレースと呼ばれる場所です。地図の真ん中に丸いエリアの部分です。地図では「Tourist Information & Reservation」と表示されていますが、ここともう一つ、南の道路沿いに正式な観光案内所があります。

この丸いエリア内だけでも、他に観光案内所は数か所存在します。

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(出典:http://takagifukuto.com/watch-out-in-india/)

ちなみに、こちらが「地球の歩き方」に掲載されているコノート・プレースの地図です。

私はここに記載されているインド政府観光局に行こうとして、結局一つ裏手の通りにある観光案内所に案内されました。

なぜだまされたかというと、案内された案内所の横の建物に「Janpath G.H」と書いてあったからです。そう、この地図が示しているですよね。ですが、その「Janpath G.H」の張り紙もニセモノだったということです。

同じ通りにピザハットがあるか、まで確認できていればニセモノと気づいていたかもしれません。

いかがでしょう、いかに手が込んでいるかお分かりいただけると思います。

公式な観光局のロゴをそのまま使っている

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(出典:http://www.thesmalltownboy.com/incredible-india-a-dichotomy/)

インド観光局のロゴに「Incredible! India」というものがあります。これは観光局が用いている正式な標語なのですが、これをそのままほかの案内所でも使っているところがあります。

ひどいところでは「Tourism of Government」と、堂々と政府の名前まで使っています。

これでは信用しない方が難しくなってきますよね。

店内に何かしらのLicenseが飾ってある

ニセの観光案内所はさらに手の込んだことをしてくれています。店内の壁には「政府公認の観光局」のようなLicense証書が壁にかけられていたりするところもあります。

ここまでくると、もうニセモノか本物かを見分けるのはほとんど無理といってもいいくらい難しいです。

こういったものを見てしまうことで、自分の中に「これがあるから大丈夫だ」と、逆に本物と信じて良いのだという説得材料を探しにかかってしまいます。こうなってしまうと、「本物と信じるにふさわしいものがあるから大丈夫」と妄信してしまうことになります。

だまされないための対策

正直なところ、インドでぼったくりをすべて防ぐのは至難の業です。

こういった観光案内所では、ニセモノであってもチケットの手配などそれなりのことはしてくれます。

大事なことは、「その場で確認できることに対してだけお願いをして、それに合った金額かを確認すること」です。

例えば、ツアーを組む場合でも、電車や宿の手配は、その場でチケットやバウチャーをもらうことで確保できます。(ただし、ニセモノでないことをきちんと確認すること。)

一方、駅から宿までの送迎は、その場に行かないとサービスを受けられる確証が持てません。実際、送迎についてはプランに入っていても来ないことがあります。

そういったものにまでお金を払ってしまうのは危険なので、必要最低限にものだけにお金を払うようにしましょう。

また、金額にしても事前に相場を知っておくことがとても大事です。列車のチケットはとくにそうですね。ある程度相場感を持ったうえで、請求された金額があまりに大きくないかは常にチェックする必要があります。

 

いかがでしたでしょうか。インドで観光客がだまされてしまうカラクリをご理解いただけたかと思います。

それにしても、「ここまでやるか!」というぐらいの手の込んだ仕掛けには逆に関心さえしてしまいます。ここまでするだけのインセンティブがインド人にはあるということだと思います。

それはやはり生活水準の差、ではないでしょうか。

皆さんも一度インドに足を運んでみてください。インドは他の国にはない魅力がたくさん詰まった国です。だからこそ、多くの観光客が今も減ることなく訪れています。

インドを訪れる際にはくれぐれも、今回ご紹介した手口に注意くださいね。

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