インドといえばタージ・マハルやブッダガヤなど、インドにしかない魅力的な観光地はもちろん、その独特の雰囲気とインド人の人懐こさで旅人を惹きつけてやまない国です。
そんなインドですが、ぼったくりなどのトラブルが多く、「もう二度とインドに行きたくない!」という人と「インド大好き!」な人の真っ二つに好き嫌いが出てしまう国でもあります。
今回は、多くの人がだまされてしまうインド人の手口の巧妙さと、だまされないための対策についてご紹介したいと思います。ここまでテクニックがすごいと、逆にあっぱれと言いたくなってしまうかも!?
インドのぼったくりを調査!インドってどんな国?
インドの国土は大きく、日本の9倍近くあると言われています。
本題に入る前に、少し頭にとどめておいて頂きたいことがありますので、まずそちらから簡単にお話しします。
- ぼったくりやトラブルに関与しているのは一部のインド人であって、大多数は善良な国民であること
これはインドに限らずですが、旅をしているとどうしてもその時に経験したことでその国を判断してしまいがちです。
旅をするとその国やそこに住んでいる人たちのことを知る機会にはなりますが、それだけで判断してしまうのも早急な
気がします。ぼったくり被害に合ったからといって、「インド人は人をだます奴らだ!」とか「インドは危険!」と思ってし
まうのは悲しいことです。
- 場所によっても人柄が大きく変わること
インドではよく言われるのは、北部の有名な観光地ほどトラブルやぼったくりが多く、南部では北部とは人種がまったく
違うかのように雰囲気が異なる、ということ。筆者自身も北部しか旅をしたことがないため、定かではありませんが、有名
な観光地で観光客や旅人が多いとそれに比例してトラブルも多くなる、というのは自然なことかと思います。
- ここに記載しているケースが必ずしもいつも当てはまるとは限らない
これも当然といえば当然ですが、ここに挙げている事例がすべていつも当てはまるわけではありません。本当に何の下心も無く気さくに話しかけてくる人や、本当に親切で動いてくれる人もたくさんいます。それが旅人がインドに惹かれる理由の一つでもあると思います。
以上の三点を心にとめて本題をご覧ください。
インドのぼったくりを調査!インド人の波状な声掛けアプローチ
インドはとにかく人が多い国。観光地を歩いていると、簡単に声をかけられます。
「オニイサン、ドコカラキタ?」
「マチヲアンナイスルヨ」
などなど。。
市場や街の中心地、ゲストハウスがあるエリアなどはとくに多いです。5分に一度どころか数回話しかけられても不思議じゃありません。
もちろん最初は警戒します。無視をしたり、気づかないふりをしたり。
それでもインド人はめげることなく話しかけてきます。
「ワタシ、ワルイヒトジャナイヨ」と言わんばかりに。
一人かわし、二人かわすぐらいはたやすいかもしれませんが、それが続くとさすがに適当に受け答えをしたくなってくるというのが旅人ではないでしょうか。
「オニイサン、ドコイクノ?」
「・・・観光案内所」
と答えてしまったが最後、インド人の巧みな話術とアプローチに付け込まれてしまいます。
「ボクシッテルヨ、アンナイスルヨ!」
・・・
無視して歩いていると、
「オニイサン、ソッチジャナイヨ!!」と。
旅人の弱いところは道を知らないこと。インドのような込み入った都市で迷いもせずに行きたい場所にいくのは至難の業です。一度でも間違えてこういわれると、
「しょうがない、、とりあえず近くまではついていくか。。。」
となります。
一緒に歩いている間もインド人は陽気にいろんな会話をしてきます。
「オニイサン、コイビトハイルノ?」
「ボク、オクサン、コドモイルヨ」
といってまだ赤ちゃんのかわいらしい子どもの写真を見せてきます。
「子どもかわいい?」
「イエッサー、カワイイカワイイ!」
「ボクミセデシゴトシテル。ガンバル!」
と徐々に会話に引き込まれていきます。奥さんと子どものために必死に働いている好青年じゃないか。。?と。
インドではとにかく車が多く、運転もかなり荒いので、道沿いを歩いていても危なかったり、道を渡るのも一苦労。
そんな時、
「オニイサン、ソコアブナイヨ!」
「コッチ、イッショニワタル」
などと言いながら手を引いて、道を渡りやすいように車を遮ってくれたりなどされると、もう警戒心はつゆと消えてしまいます。
「ホラ、オニイサン、ツイタヨ!」
といって観光案内所に着きます。道案内のチップなどを要求されるんじゃないかというまったく見当違いの心配をしていると、何も言わずに立ち去るインド人をすっかり「いい人」と信じ込んで、安心して観光案内所に入ってしまいます。。
それが偽(公的ではない)の観光案内所だとは知らずに。。
このように、最初は警戒していても度重なるインド人からのアプローチで徐々に警戒心をほぐされて最終的にインド人の思うつぼになる、ということは良くあります。
【だまされないための対策】
道で声をかけられたら、ガン無視しましょう。一言も答える必要はありません。英語、とくに日本語で、「向こうから」話しかけてくるケースはほぼ黒と思っていいぐらいです。
それでもインド人のしつこさはきっとあなたが思っている以上にすごいです。平気で10分近く付きまとってくることも。
無視し続けると何かこっちが悪いことをしているかのような気持ちになりますが、心を鬼にして徹底的に無視しましょう。
インドのぼったくりを調査!インド人の日本人顔負けのトーク力
旅人がついつい現地で近づいてくるインド人に心を許してしまう二つ目の理由が、インド人のトークのうまさ。
片言の日本語とはいえ、ちゃんとコミュニケーションが取れてこちらの心をつかんでくるそのトークは、もはや営業マンになっても普通にやっていけそうなぐらいにスゴイです。
先ほどの事例もその一つですが、たとえばお土産屋などでは必ずと言っていいほどこんな言葉を聞きます。
「オニイサン、ミルダケナラタダヨ!ミルダケミテイッテ!!!」
確かにその通り。見るだけならタダです。でも本当に買うつもりがないならすぐに店を出ましょう。
少しでも心が揺らいで、「じゃあちょっとだけ見ていくか・・・」となると、怒涛のセールストークに付き合うことになり、さらに店を出にくくなります。
その他のお土産屋さんでのお決まり文句といえば、
「コノシルクハインドデシカウッテナイヨ!!」
「じゃあ、これを一つ。。。」と言おうものなら、
「オニイサン、オカアサントオトウサンニハカッタノ?」
とさらなる勧誘。
「お母さんにはサリーを買ったし、お父さんにはサンダル買ったよ。」
「ジャア、サリートイッショニクツモカワナキャ!」
「オバーチャンニハドウスルノ!?」
「オバーチャン、カナシムヨ!!」
「モウ、ツギイツインドクルカワカラナイヨ、オニイサン!!」
などなど。
ちょっとでも「買おうかな。。。」という迷いがあると、そこをうまくついてくる営業トークの数々。インド人は本当にスゴイです。。
お土産屋もちゃんとしたものを売っていれば問題ないのですが、値段の相場や生地の良しあしなどはなかなか判断できません。ひどい店だと、買ったサンダルを雨の日に1日履いただけで壊れた、ということになるかもしれません。。
だまされないための対策
ガイドブックに載っている店になるべく行くようにするしかありません。
現地で信用できる情報源は、現地で知り合った旅人か、ガイドブックに載っていて信頼できる宿泊先のスタッフなどです。先ほどと同じように、街で出会った人の情報は信用しない方が無難です。
お土産屋に限らず、どこでもまずは値切ってみましょう。インド人に限らず、商売をしている以上損する価格で売ることはありません。なので、粘って粘って、極限まで値切りをして買うのも一つの手だと思います。
インドのぼったくりを調査!インド人の日本に対する徹底的な研究
日本人ならずとも、旅先の人たちが自分の国のことを知っていたら一気に親近感がわくもの。
インド人はまさにそれが分かっているかのように、日本のことはもちろん、おそらくあなたの出身地が東京でも大阪でも、それなりに話を合わせてくることができるぐらいに日本と日本人を良く知っています。
観光案内所(ニセ)にて
さて、先ほどの波状攻撃でまんまとニセの観光案内所に、そうとも知らずにのこのこ入ります。
するとそこにいるスタッフはみんな気さく。日本語を話せるスタッフもちらほら。
「イラッシャイ、マアユックリシテッテヨ!」
と言われながらお茶でも出されたら、緊張続きのインドでふっと力が抜けてしまいます。
担当スタッフも日本語が話せます。日本語が話せる時点で、まず怪しいと思うべきですがすっかり気を許してしまうともう最初の警戒心を持つことは難しいです。
「オニイサン、二ホンノドコカラキタノ?」
「大阪だよ。」
「ヘー、オオサカ!ボクノオニイサンハイマキョウト二スンデルヨ!」
「へ~、京都のどこらへん?」
「エット、ニシオオジッテイウエキノチカクデオミセヤッテルヨ!」
「西大路」という具体的な地名、しかも京都や河原町といったメジャーどころではない駅が出てきました。これで心の距離もぐっと近づきます。(近づいちゃいけないんですが。。)
そしてスタッフがおもむろに取り出したのが
「地球の歩き方(インド)」
これを見ながら旅のプランを一緒に考えてくれます。
「なぜこんなところに地球の歩き方が!?」と思うのと同時に、「そうか、この観光案内所は政府の機関だからか(実際はニセモノ)」とさらに安心してしまいます。
それにしても普通に漢字も入り混じっている分厚い日本の本まで読みこんでいるインド人のすごさ、恐れ入ります。。
そして、言われるままにプランに申し込むと、一部サービスはまったくのウソという劣悪プランだった。。
だまされないための対策
一度ニセの観光案内所に入ってしまうと、それに気づくのは難しいです。プランの内容と請求金額を照らし合わせて、妥当かどうかを常に気を付けておくことが何より大事です。
タチが悪いぼったくりの場合、無茶な金額を請求するうえに半ば軟禁状態にして脅してくるケースもあります。観光案内所は本来は旅人にとって助けになる場所ですが、インドではニセの案内所が乱立して逆にトラブルのもとになるケースが多いため、あまりあてにしない方が無難です。
いかがでしたでしょうか。さらに手の込んだやりくちは次回、後半編でご紹介します。