韓国と言えばK-POPやファション、韓国料理など日本人に人気の旅先の一つです。そんな韓国のソウル近郊に、合法的に入れる遊園地廃墟があるのをご存知でしょうか。
インスタ映えするスポットとして若者の間で密かに人気を博しているその遊園地廃墟、ヨンマランド(龍馬公園)。行き方や楽しみ方など、実際に訪れた旅人が詳しくご紹介します!
【韓国】ソウルの遊園地廃墟、「ヨンマランド」の基本情報(行き方・営業時間)
韓国のソウル中浪区にSNSで「時が止まった遊園地」と称された廃墟になってしまった遊園地があります。その名も「ヨンマランド」。
廃墟であれば人から忘れ去られ、寂れた場所になっているのかと思いきや、インスタグラムを開くと感度の高そうな人がこの場所で撮影した写真がズラリ。どうやら入場料を支払えば入れるらしいとのことで、果たしてどんな光景が待ち受けているのでしょうか。。
私がこれまで旅してきた中で、廃墟といえば軍艦島(こちらは世界遺産にも登録されているれっきとした「歴史遺産」ではありますが。。)の上陸ツアー以来となりますが、韓国とはいえ海外の廃墟ですので微小の緊張もありますが、この場所を旅してぜひ写真に収めよう!と思い立った時にはやはり楽しみの方が勝っていました。
「ヨンマランド」の誕生と現在
このヨンマランドが誕生したのは1983年のこと。
その6年後の1989年にあの「ロッテワールド」が開園したことを皮切りに、結果的にヨンマランドは客足が遠のき、2011年に閉園となりました。
その後は現在のように一般公開を始めて、今では撮影スポットとして人気を博しています。実際にTWICEのデビュー曲「Like OHH-AHH」やBEASTの「Ribbon」のPVなど、ロケ地としても定番になっています。
また、ウェディング撮影の撮影場所としても利用されていて、多くのカップルや夫婦が写真を撮りに訪れているそう。特に夜間の撮影は煌びやかにライトアップされ、ロマンチックな雰囲気の写真を撮影することができます。
「ヨンマランド」への行き方
ヨンマランドへの行き方は、京義・中央線「忘憂駅」からタクシーで15分ほどか、もしくは7号線「面牧駅」からタクシーで15分ほど。
今回私は滞在先の最寄り駅、弘大入口駅から乗車して約45分で忘憂駅に到着し、その後、徒歩で約30分かけて向かいました。
ただ、私はその街並みも散歩して見たかったので徒歩を選択しましたが、ヨンマランドの入口前は急な坂道ですので、駅からタクシーを拾って行く方法が一番訪れやすいです。
「ヨンマランド」の営業時間
ヨンマランドの営業時間は朝9時から午後7時まで。入場料は2019年4月時点で10,000ウォンです。入場料を支払えばあとは時間の許す限り、自由に園内を回ることができます。もちろん、写真も自由に撮影し放題です。
ただし、日にちによっては臨時で入場不可となっていることもあるようなので、事前に現地で確認してから訪れることをおススメします。
ネットで検索する時は、こちらのページも合わせて参考にしてみてください。
それにしても、廃墟なのに入場料が必要でしかもちゃんと営業時間まで管理されているなんて、面白いですよね。
【韓国】ソウルの遊園地廃墟、「ヨンマランド」、現地レポート
2019年4月、私は以前に知ったこの遊園地廃墟、ヨンマランドの情報を思い出し、その瞬間に航空券を購入。約1週間後に韓国のソウルに向かいました。
そしてソウルからヨンマランドへ!
受付のお姉さんに「どこから来たの?」と聞かれながら入場料を支払い、入口を抜けると早速この場所を象徴するメリーゴーラウンドが堂々と佇立していました。
今にも動き出しそうなほど綺麗な状態で保存してあるその姿に思わず息を飲み、おもむろにバッグからカメラとレンズを取り出し撮影の準備をして、早速メリーゴーラウンドをパシャリ。
メリーゴーラウンドから更に右手に進んでいくと、今度はオクトパスのような風貌で、もう一切回転することのないアトラクションが静かに佇んでいます。
恐らく当時は、人気なアトラクションの一つで子どもたちも笑顔で乗っていたのでしょう。今はただ、写真に収まるためだけに残っている物悲しさが見事に美しくもあって、ただただ見とれていました。
入口からメリーゴーラウンドとは反対方向に行くと、ガラクタ達が無造作に置かれているエリアに着きます。きっと営業していた頃に活躍していたモノたちです。
この辺りはアトラクションで使用していた座席や置物など、ガラクタが無造作に散らばっていて、その雰囲気はどこか鬱蒼としていました。
さらに奥へ進んでいくと、森林のような場所へと続いて行きます。この一帯も、使用されなくなったアトラクションが無残な姿で置かれていました。閉園が決まった後、これらの大きなガラクタの捨て場所に困ってここに放置されたものでしょうか。
このガラクタの山から一歩抜け出すと、再びメリーゴーラウンドがあるメインエリアに戻ってきます。まるで映画に出てくるワンシーンを見てるかのように、すべてが止まった遊園地は何だか不思議で、寂しくもあり、不気味でもあり。。
ガラクタを抜けてしばらく歩いていると、突如としてロボットの置物が置いてある一画に。この近未来感というか、近い将来ロボットが社会で活躍することを暗示したような存在感を感じました。
最後は、世界中の色んなスターの絵が施されたアトラクションを撮影して、ヨンマランドを後にしました。
このスターたちの絵も、どこか日本でいうところの「昭和」な感じがしてなんとも言えない味が出ています。
【韓国】ソウルの遊園地廃墟、「ヨンマランド」を訪れた旅の感想
海外で廃墟を訪れるのは初めてでしたので少し緊張していましたが、ここは本当に一般の旅行者からマニアの方まで、誰にでもオススメできるスポットだと思います。
廃墟というものは場合によってネガティブな印象で捉えられてしまうこともありますが、ここヨンマランドは2011年の閉園後も、撮影スポットという新しい形で生き返り、「廃墟」という存在を積極的に押し出して人々から親しまれる存在になっていました。
その背景を踏まえて、今回写真を撮影していましたが、終始不思議な感覚でした。生き返りつつある場所だけど、目の前に置いてあるガラクタは以前のように動くことはないです。そう思うと、何とも異世界にいるような感覚に陥りました。
廃墟という人間が作り出した世界と、私を含めてそれを目当てに人々が集まってくる、そしてそれが今成功してまた生まれ変わったというコンテクストが混ざりあって凄い独特な光景でした。
この時代だからこそ誕生することになったヨンマランドの今の姿は、廃墟の新たな形を垣間見ることができました。
【韓国】ソウルの遊園地廃墟、「ヨンマランド」の訪問・滞在時間目安
今回私が訪れたのは4月の平日で午前11頃、しかも小雨が降っていたこともあり、事前情報とは裏腹に訪問者が私を含めて3人ほどでした。
その方々は私と同世代くらいで感度が高そうな女性2人組。彼女たちはひたすらインスタ映えするような写真を撮影していました。
でも、もしかすると昼頃を境目に人がどんどん集まってくるかもしれませんので、なるべく早い時間帯に訪れた方が良いでしょう。営業時間は午前9時から午後7時と朝早くからオープンしていますので、人目を気にせず思い切り写真を撮影したい方は午前中に訪問するのがオススメです。
滞在時間の目安
私は今回、一通り写真を撮影しながらゆっくり園内を2周して2時間ほど滞在していました。なので、見学しながら所々で写真を撮って巡っても、1時間もあれば十分に隅々まで見ることができると思います。
ただ、最寄り駅から少しだけアクセスが悪いので公共交通機関やタクシー事情を考慮して訪れることをオススメします。そこだけ気を付ければ、普通の韓国旅行にちょっとしたアクセントとして、また一味違った旅行を味わえると思います!
【おまけ】韓国の遊園地廃墟「ヨンマランド」を訪れた私の一人旅(ひとり旅)紹介
滞在先
今回のヨンマランドを訪れる旅で、私はソウルの弘大周辺のゲストハウス「キムチ シンチョン ゲストハウス」に滞在していました。
このゲストハウスがある弘大(ホンデ)は明洞と同じく若者が集まるスポットです。
ファッションに敏感な若者や路上ライブをしている人など、実際に私も街を歩いているだけで現地の同世代の方から声をかけてもらえることがありました。
それくらい私と同世代もしくは10代の方が多く集まる街でした。
初めての韓国一人旅!
今回、私は初めての韓国への一人旅で、目的地であるヨンマランド以外のことはあえて何も調べずに現地で予定を決めようと思いながら飛行機で向かいました。
一人旅をしてみて、韓国は本当に日本人が旅行しやすい国だと思いました。例えば、空港や駅などの標識には日本語が書いてありますし、街の空気感がどこか日本の街に似ていて過ごしやすかったです。
また、私と同世代の10代~20代の方々は、明洞や弘大に行って韓国のおしゃれで若い世代が多い中、街中を歩いているだけでも楽しいのではないかと思います。
いかがでしたでしょうか。
韓国は旅に慣れていない方でも一人旅で訪れやすい国ですので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょう。
ソウルで食べ歩きするのもよし、ファッションを楽しむのもよし、ソウルは街を歩くだけで楽しいです。そこに、遊園地廃墟ヨンマランドで写真を撮影して、一味違った韓国旅行にするのも楽しみ方の一つです。今回の記事が皆さまのご参考になれば幸いです。
ライター紹介
高橋 良斗
世界中に転がる風変わりな光景を民俗的・美術的観点で撮影しながら旅を愛する旅人&フォトグラファー。
[旅のこだわり]
・「暮らすように旅をする」スタイルを愛する旅人。そのため、旅の一番の目的以外の細かいスケジュールは決めず、あとは旅先の流れに身を任せて気持ちの赴くまま、旅先の空気や雰囲気を感じる旅をする。
・「食」のこだわりは「旅先で楽しむ日本食」。現地の食事ではなく、あえて現地の「和食」を食べるのが好き。
・一人旅のお供にいつもたくさんの本を持参。圧縮袋を駆使して、旅先の移動などで読書をしながら気ままに旅を楽しむ。