世界遺産の高野山の楽しみの一つとして、宿坊での宿泊体験を挙げる方も多いのではないでしょうか。現在、高野山には50を超える宿坊があるのですが、今回ご紹介するのはその中でも唯一世界遺産に登録されている金剛三昧院です。
宿坊での滞在がどのようなものか、世界遺産・金剛三昧院の見どころと合わせてご紹介します!
「宿坊(しゅくぼう)」って何?
宿坊の概要
皆さんは「宿坊(しゅくぼう)」という言葉はご存じでしょうか。
宿坊というのは、お寺などに併設されている参詣者のための滞在施設のことです。お寺にある旅館、というイメージを持っていただければ良いかと思います。
宿坊があるお寺であれば、檀家でない一般の人でも宿泊可能な時期で予約を取ることができれば誰でも宿坊を利用することができます。
ホテルや旅館と同じように個室が用意されていて、大浴場や食事、中には露天風呂付きの宿坊まであります。
世界遺産・高野山の魅力は何といっても、50を超える宿坊があり、ホテル選びのようにいろいろな宿坊の中から気に入った宿坊に滞在することができること。
一口に宿坊といっても庭や食事(精進料理)、露天風呂併設など宿坊ごとに違った魅力があるので、高野山を訪れるたびに違う宿坊に滞在する、という楽しみ方ができますよね。
ホテルや旅館と宿坊の違い
宿泊施設としてはホテルや旅館と同じ宿坊ですが、違う点もいくつかあります。ホテルや旅館と同じ感覚で利用すると、少し不便に感じたりがっかりすることがあるかもしれないので、ホテルや旅館と違う部分もある、ということは理解しておいてください。
例えば、ホテルや旅館と違って宿坊の場合はチェックイン・チェックアウトの時間が比較的短く、柔軟に対応してくれるわけではありません。
もちろんやむを得ない事情などで、指定の時間にチェックインをすることが出来ないことだってあると思いますので、そのような場合は事前に電話等で連絡をしておけば個別に対応してくれることがほとんどです。
利用時間、という点で言えば宿坊にもよりますが、食事や共同浴場の利用時間も決められていることが多いかと思います。
ですので例えば食事の時間をこちらの好きな時間にセットしてもらう、というような柔軟な対応を行っていない宿坊もありますので、もし時間を拘束されるのは避けたい、ということであれば事前に柔軟に対応してもらえる宿坊があるかリサーチしてみましょう。
このように、宿坊はあくまでも「参詣者が一時的に滞在できるような施設」であって、滞在者のお世話をしてくれるのもそのお寺に勤めたり修行をされている僧の方です。
ホテルや旅館は「おもてなしのサービス」がメインである一方、宿坊は必ずしも「おもてなし」を目的としたものではない点は理解が必要だと思います。
と言っても、案内してくださる僧侶の方は親切に対応してくださいますし、十分に「おもてなし」の気持ちを感じながら快適に滞在することができるのでご安心ください。
ご参考用に、高野山の宿坊協会のホームページもチェックしてみてください。
【世界遺産】高野山・金剛三昧院(こんごうさんまいいん)
金剛三昧院の概要
今回筆者が滞在したのは金剛三昧院(こんごうさんまいいん)というお寺の宿坊です。
このお寺を選んだ理由が、高野山内の寺院の中で唯一世界遺産に登録されているから。なぜ世界遺産に登録されているのかについても含め、金剛三昧院の見どころをご紹介します。
金剛三昧院の特徴の一つとして、高野山の中では珍しく武家によって創設された寺院であり、建立後の歴史においても武家とのつながりが強かったことが挙げられます。
創建は1211年であり、鎌倉幕府を開いた源頼朝の妻、北条政子が亡き夫の菩提を弔うために建立したことが始まりです。
また、本尊は北条政子が源頼朝と等身大の念持仏(ねんじぶつ:個人的に常にお祈りできるよう、身近に置いておくための仏像)として仏師の運慶(うんけい)に造らせたと言われている愛染明王(あいぜんみょうおう)です。
愛染明王というのは怒った形相(忿怒:ふんぬ)をした明王で、その名の通り恋愛や結婚、家庭円満など女性の祈願を司る仏様になります。
お寺を造った当初は禅宗のお寺として、臨済宗の開祖である栄西(えいさい)を招いて開山第一世としていましたが、その後息子の実朝(さねとも)が暗殺されるとその供養のために多宝塔を建立し、お寺の名前も金剛三昧院に改称されました。
その後は密教や禅宗に加えて律宗の三宗兼学の場となり、さらに浄土宗も加わるなどかなり特殊な仏教道場となりましたが、現在は高野山真言宗のお寺となっています。
北条政子が建立したということもあり、鎌倉時代以降源家・北条家や足利家といったそうそうたる武家の菩提寺として、高野山の中でも多くの諸寺院を束ねる有力な存在であり続け、寺領(お寺が所有する土地)も高野山内の寺院の中では最も多かったと言われています。
主な見どころ
多宝塔
世界遺産・金剛三昧院の一番の見どころは何といってもこちらの多宝塔です。建立された理由は先ほどご紹介しましたが、鎌倉時代に造られた多宝塔であり、高野山内では最古の木造建築になります。
経蔵
こちらの経蔵も多宝塔と同時期に造られた建築物として、鎌倉時代の建築を伝えるものとしてとても貴重な建物です。校倉造りになっているのも特徴的ですね。
四所明神本殿
金剛三昧院の境内に鎮守として祀られている神社で、高野・丹生・気比・丹生御息の四柱の神をお祀りしています。高野・丹生・気比に関しては、同じく高野山の世界遺産に登録されている丹生都比売神社や丹生官省符神社でもおなじみです。
さらに、こちらの社殿は一間社の春日造りになっており、建築様式も同様ですね。
お寺の中にこのような神社が置かれていることは、この金剛三昧院が造られた鎌倉時代にはすでに神仏習合(しんぶつしゅうごう)、つまり神様と仏様を同一の存在として信仰することが根付いていたことを表しています。
金剛三昧院においても、丹生明神は胎蔵界の大日如来、高野明神は金剛界の大日如来、気比明神は千手観音、丹生御息は文殊菩薩を祀っているものとされています。
金剛三昧院が世界遺産に登録された理由
以上見てきた通り、金剛三昧院が世界遺産に登録された主な理由は以下の二つになるかと思います。
①鎌倉時代に建てられた多宝塔や経蔵が、当時のままの姿で今も残されており、当時の貴重な建築物を今に伝えている
②北条氏の菩提寺として、武家との強いつながりを元に高野山内でも有力寺院としての存在であったこと
金剛三昧院は高野山の中でも中心地から少し外れた場所にあり、壇上伽藍や他の寺院が度重なる火災に見舞われた一方、このお寺はそのような災害から免れられたことが、多宝塔など貴重な建物が当時の姿を失うことなく今に至るまで残った理由と言われています。
【世界遺産】金剛三昧院の宿坊体験記
世界遺産の金剛三昧院は、高野山内のメイン交差点である千手院橋を少し奥の院側に進み、南に坂を上ったところにひっそりとたたずむお寺です。
ちなみに、坂を上る手前の通りにはコンビニ(デイリーヤマザキ)もあり、金剛三昧院は宿舎とお寺が別の場所にあるため夜間の出入りも自由ですので、ふらっとコンビニに食料や飲み物を買いに出かけることも可能です。
チェックインまでの時間つぶし
チェックイン前に荷物を預けに
こちらが金剛三昧院のお寺の入口です。通常の参拝客は入口入ってすぐ右側にある拝観料を支払って中に入ります。
宿坊に宿泊する客は、窓口で宿坊の宿泊者で予約していることを伝えると中に案内してもらえます。
ちなみに金剛三昧院のチェックイン時間は14時から17時の間。筆者はチェックインより前の時間に、まず荷物だけ置きに一度立ち寄りました。
宿坊の宿泊者である場合は荷物も窓口で預かってもらうことができます。預かる、と言っても窓口横のスペースに置かせて頂くだけです。でも窓口の人がずっとそばにいるわけですので、ある意味とても安全ですよね。
この日は高野山3日目で、前日までは別のゲストハウスに宿泊しており、最後の一泊だけは高野山の醍醐味でもある宿坊に泊まりに来ました。
中華料理屋「ミッチー」
荷物を預けに行ったのが正午前だったので、荷物を預けてデイリーヤマザキの隣にある中華屋「ミッチー」でお昼にしました。
コロナ禍ということもあり、高野山内の観光客はまばら。ましてや平日なので、お店も空いていました。
飲食業界で働かれている方は想像以上に大変なんだろうな、特に観光地だったらなおさらだな、、と改めて実感。
注文したのはラーメン+チャーハンセット。
今日はこの後、高野山ケーブルで極楽橋まで下り、世界遺産にも登録されている不動坂を歩く予定なので体力をつけるためにもガッツリ頂きます。
女将さんはとても気さくな方で、お客さんもまばらだったため少し雑談して世間話もしました。
やっぱりコロナ禍で、それまでたくさん訪れていた外国人観光客がぱったり来なくなってしまったと嘆いてました。
女将さんによると、外国人観光客で多いのがイスラエルなんだとか。その次はスペインだったかな?意外にアジア系はそこまで多くないとのこと。
高野山は宗教の聖地だし、参詣道という信仰の道でも有名なので同じく「信仰の道」が世界遺産に登録されているスペインや、ユダヤ・イスラム・キリスト教の聖地であるエルサレムのあるイスラエルから多く人が訪れるのかな、と思いました。
コロナ禍で大変でしょう、という話をすると、和歌山県は補償制度がとても厚いようで、いろいろな手当が支給されていて助かっているようです。
一時的な給付金以外にも、観光地である高野山内で利用できる地域クーポン券みたいなものも発行されていて、割安で日用品などにも使えるので、県内からも買い物がてら高野山に来る人が多いのだとか。
県のサポートが充実しているようで何より。
不動坂
昼食後、高野山ケーブルで極楽橋まで下りて不動坂を上ることに。
高野山には不動坂の他、女人道や町石道などの参詣道ルートがあり、トレッキングがてら楽しむことができます。中でもこちらの不動坂は約2.2キロ程度、1時間弱の道のりなので散歩気分で楽しむことができるお手軽コースです。
道はこのように整備されているので、特に準備無しにスニーカーでも歩くことができます。
一つ注意しないといけないのは、極楽橋を下りたところにも看板が出ていたのですが、この近辺ではクマの出没情報が出ているとのことで、できればクマ除けの鈴などあると安心です。
人で賑わうトレッキングルートでもなく、人気が無いと余計に怖いなあと思い、筆者も太い木の枝で杖代わりに地面を叩きながら歩きました。
途中、何人かの観光客とすれ違い、ホッと安心したのを覚えています。皆さん上から降りて来られるので、下から上がるよりも上から下る方が一般的なのでしょうか。もしくは往復しているのかも。
1時間ほどで山頂の車道に出て、無事女人堂に到着!不動坂は極楽橋から女人堂までの短いルートです。
この道を歩けば、高野山ケーブルカーと高野山バスに乗車せずに高野山の中に入ることができるので、そういう意味でも歩いて損はない道になります。
チェックイン・滞在
不動坂を歩いた後はそのまま歩いて高野山内に入り、こちらも世界遺産に登録されている徳川家霊台を観光。
その後バスで千手院橋まで移動し、いよいよ金剛三昧院にチェックインです。
入口では昼前に来た時に名前と顔を覚えていてくれたので、そのまま中に案内していただけました。
入口で女性の僧の方に、建物の概要と基本的な利用方法(共同浴場の利用時間や朝のお勤めの時間、チェックアウトの時間や夜間の外出ルールについて)の説明を受けた後、そのままお部屋まで案内していただきます。
宿坊に宿泊する客が滞在するのはお寺を出て正面の階段を下りた先にある、宿舎のような建物です。こちらでこのお寺で修業されている僧の方も生活しているのかな。
宿舎の中はこのような感じです。建物自体は年季の入ったものですが、内部は所々リノベーションされていて和風の落ち着いた雰囲気になっています。
宿舎は結構広くて、このように長廊下もあるためちょっと迷ってしまうかもしれません。また、昼間でも廊下の灯りが付いていないと少し薄暗い印象を持ちました。
宿舎内には自販機も置かれているので、飲み物だけでしたら外に出なくても事足ります。
こちらが今回宿泊するお部屋です。
6畳の部屋で、ふすまを挟んで縁側の内庭も観ることができる部屋でした。エアコン、テレビも完備されているのでとても快適に過ごすことができます。
ちなみに、高野山は標高が高いので7月、8月の夏場であっても夜間は25度以下に下がる日が多く、窓を開けていれば十分涼しいのですが、こちらのお部屋は網戸が無かったと思うので夜は弱めのエアコンをつけて寝ました。
一点気を付けないといけないのが、部屋には内側から鍵をかけることができないこと。
外出の際は貴重品をもって出かけるとしても、身の回りの荷物などは部屋に置いていくことになります。気になる方はお寺の方にお願いして、安全な場所に置かせてもらうようにしてください。
内庭はこんな感じです。石塔が置かれてある以外は特に特徴はないです。
昼間はハチがブンブン飛んでいてガラス戸にぶつかる音がひっきりなしに続いていたので、ガラス戸は開けられませんでした。。
部屋の中には今はほぼ見かけない、黒電話が置かれています。歴史を感じますね。
その隣には護摩焚き用の木の札が置かれていて、説明によると裏にお祈りごとを書いておけば後日お寺で護摩焚きに奉納してださるそうです。宿坊ならではのサービスですね。
今回宿泊した部屋には風呂場はついておらず、風呂は共同浴場の利用になります。利用時間は17時から21時だったと思います。24時間ではないので、気を付けましょう。
ちなみに共同浴場の脱衣所や部屋の洗面所、トイレはリノベーションされていてとてもきれいでした!脱衣所はドライヤーも完備されていたと思います。
部屋で少し休憩した後は、金剛三昧院の中を観て回りました。宿坊利用者は拝観料無料で楽しむことができます。
まずは一番の見どころの、多宝塔。近くで見ると思っていたよりは小さいですが、鎌倉時代に建てられたそのままの姿が今に残っていると思うと感慨深いものがあります。
多宝塔の正面に建てられているのがこちらの経蔵です。こちらも校倉造りが特徴で、鎌倉時代の姿を今に伝える貴重な建物です。
お寺の中にある階段を少し上った、小高い丘に造られたのがこちらの四所明神本殿。社殿は二か所に分かれていて、丘の中腹と上にそれぞれありました。
こちらも木造でとても歴史を感じます。
こちらがご本尊の愛染明王が祀られている本堂の入口です。外側から覗いてその御姿を観ることができます。
その後、お寺の中も拝観して一通りの観光を終了。そこまで広くないお寺ですので、30分もあれば十分全て観て回ることができると思います。
高野山の中でも中心地から少し坂を上った場所にあるので、とても静かだし山の中にあるお寺、という雰囲気を楽しむことができます。
観光を終えた後は、楽しみにしていた精進料理の夜ご飯!
食事の時間はチェックインの際にご案内頂きますが、今回は17時30分でした。
時間になるとお寺の僧侶の方が台に乗せて食事を部屋まで運んでくれます。畳に直置きして頂きましたが、テーブルもあるので食べづらいという方はテーブルの上に置いてもらうようお願いしても良いかもしれません。
精進料理はこの写真に加えておひつに入ったごはんもあり、十分に満足できるボリュームでした。
精進料理というのは基本的に動物の殺生を行わない料理ですので、野菜やマメとお吸い物、ご飯がメインの料理になります。
夏場ということもあり天ぷらや煮物の他にそうめんもあって、見た目や気持ち的にも涼しくなりました。
もちろん味も文句なく美味しかった!イメージ的に少し薄味なのかな、と思っていましたが味付けを特に薄いと感じることもなく、天ぷらやお吸い物、煮物や酢の物もあり、様々な味を楽しむことができました。
食事は19時前ぐらいに、また僧侶の方が回収しに来てくれます。さらに、その時に布団の準備までしてくれるおもてなしまで!
実は今回、どうしても夕陽の名所である大門で美しい夕陽を見たくて、夕食を急いで食べた後にすぐ外出し、バスで大門まで移動しました。
夏場の日没は18時10分から30分ぐらいの間なので、17時30分に夕食で本当にギリギリでしたが、何とか夕陽も楽しむことができました!
翌朝は6時15分ぐらいから朝のお勤めがあるとのことで、5分ほど前にお寺の奥にある千手観音像が置かれたお部屋でお勤めに参加。
正座してだと大変かな、、と思っていましたが椅子が並べられていて、椅子に座ってお勤めに参加することが出来ました。
真言宗の読経はその抑揚に特徴があって、まるで音楽の音色を聞いているような感覚。
30分ほど集中してお勤めを聞いた後は、僧侶の方にご案内頂いて護摩焚き用の札の奉納、千手観音像、そして隣の部屋にあるご本尊の愛染明王へのお祈りをさせてもらいました。
お勤めを終えて7時前には部屋に戻ります。そしてその後、7時30分から朝食の時間。
夕食と同じように僧侶の方が食事を運んで下さり、その時に布団も片づけてくださいました。
朝食も精進料理でしたが、夕食と同じように美味しく頂きました!普段は加工食品が多めの生活を送っているので、このように野菜や穀物の素材を活かした自然な料理がとても美味しく、健康的に感じます。
朝食後、荷物をまとめて8時にチェックアウト。チェックアウトはお寺の社務所で行いますが、その時に現金で宿泊料の支払いを行います。
【世界遺産】金剛三昧院の宿坊体験を終えて
いかがでしたでしょうか。少しでも宿坊での宿泊のイメージを持っていただければと思います。
今回滞在をしてみて、不便さは全く感じませんでしたし、お食事を運んでくださる僧侶の方もとても愛想がよく、雑談をして高野山の話をお聞きすることもできました。
個人的に今回の宿泊体験を終えて感じたことが、「足るを知る」ということ。
筆者は今回数日間高野山に滞在しただけですが、金剛三昧院でお勤めをされている僧侶の方はこちらに来て数年経つ、とおっしゃっていました。
夏場は比較的涼しいものの、冬場の寒さは厳しく、時には雪が降り積もって一日中雪解け作業に追われることもあるのだとか。
お話を伺いながら、都会から離れてお寺に入り、静かな環境で仏道にお勤めをされている僧侶の生活や環境を想像してみました。
毎日朝早くから起床し、お勤めにお寺の仕事、そして宿坊に宿泊されるお客様のお世話など忙しい日々を送りながら、精進料理と仏の道を探求し続ける-。
そのような日々と、都会で仕事やいろいろな悩み事に追われ、また欲求を追い求める自分自身を照らし合わせてみた時、果たしてどちらが充実しているのか、また精神的に安らかな気持ちでいることができるのか。
便利さや楽しさ、ビジネスチャンスなどで溢れる都会で切磋琢磨することが必ずしも人生のあるべき姿ではなく、今ある環境、今ある状況に感謝をしながら日々心穏やかに過ごすことも、同じくらい大事なことなのではないのか。
高野山と宿坊での滞在を通じて、ぼんやりとそのようなことを感じるようになりました。言ってみれば「心の浄化」とでも言うものでしょうか。
皆さんも是非、高野山を訪れた時には宿坊で心落ち着く穏やかな時間をお過ごしください!