北海道にある阿寒湖と言えば、まん丸のまりもの産地としてとても有名です。
今回は冬でも日帰りで楽しめる阿寒湖の魅力をお届けします!
冬の阿寒湖への行き方やボッケ、阿寒湖畔エコミュージアムセンターといった観光スポット、アイヌコタンの楽しみ方からグルメ、日帰り温泉まで、これを読めば、阿寒湖の見どころがすべて分かります!
1.【冬の阿寒湖】釧路駅からの行き方
阿寒バスの運行スケジュール
阿寒湖へは釧路駅からバスが毎日運行しており、バスでのアクセスが可能です。ただし、冬の期間は運行ダイヤが少し変わっているので必ず阿寒バスのホームページで時刻表を確認するようにしましょう。公式ホームページはこちら。
こちらが阿寒湖温泉と釧路駅を結ぶ阿寒線の運行時刻表です。表示しているのは主要な駅名だけですが、ご覧の通りこの線は途中釧路空港も経由しますので、釧路空港に降り立ってそのまま阿寒湖温泉に向かうことも可能です。
所要時間としては釧路駅から阿寒湖温泉まで約2時間で見ておいて問題ないかと思います。
また、途中「丹頂の里」という駅を経由しますが、こちらも丹頂鶴(タンチョウヅル)を飼育したり道の駅が併設されていたりと、見どころが多い駅となっています。
特に冬の期間だと、ここで飼育して育てられている丹頂(タンチョウ)だけでなく、北の大地から飛来してきた丹頂(タンチョウ)もたくさん、間近で観察することができるので、外国人をはじめ多くの観光客が立ち寄る人気のスポットになっています。
運賃
釧路駅前から阿寒湖温泉までは片道2,750円となっています。ちょっと割高な気もしますが、こちらの阿寒線はここで暮らす人たちの生活の足、ライフラインとなっているため、公的補助も受けて運行しているそうで、それもあるのかもしれません。
ちなみに、往復乗車券を買うと少し割引が適用されるのでお得です。
釧路駅中心部から日帰りで阿寒湖温泉に向かう場合
先ほどの阿寒線バスの運行時刻表を見ていただくと、日帰りで釧路中心部から阿寒湖温泉に行く場合は、10時15分釧路駅前発の便に乗り、阿寒湖温泉を16時00分に出発する便で帰ってくるパターンしかありません。
このスケジュールで阿寒湖温泉を観光する場合、現地では4時間弱の滞在時間がありますが、この時間で阿寒湖温泉の見どころは大体抑えることができます。
それでは、続いて阿寒湖温泉の観光、見どころをご紹介します。
2.【冬の阿寒湖】見どころ・観光ポイント①:施設編
コンビニ等
阿寒湖温泉にはいくつかコンビニがあるのと、あとはドラッグストアもあるため飲料や軽食、日用品などは現地で調達することが可能です。
コンビニはセイコーマート、セブンイレブンのほかにローソンもあり、イートインスペースもあるので軽い食事はコンビニでも済ますことができちゃいます。
また、バスターミナルに併設されているセイコーマートには厚手の手袋やネックウォーマー、ホッカイロといった防寒グッズも販売されているので、厚手のコートやパンツは準備してきたけど手袋が無い、、という場合でもここで買うことができ安心です。
ちなみに阿寒湖は釧路駅周辺の中心部よりもさらに気温が5~6度は下がり、山の中にあることもあって天候も変わりやすく雪が降ることも多いので、防寒対策はきっちりしておきましょう。
足湯、手湯
阿寒湖畔エコミュージアムセンターに行く途中の道沿いには手湯や足湯を楽しむことができるスポットがあります。
こちらは「梟(ふくろう)の手湯」です。真冬で雪に半分ほど埋もれてしまっていますが、、温泉はこんこんと湧き出ているので手を入れてみるととても温かい!
こちらも道路の反対側にある「5つの幸せの湯」、足湯です。
さすがに雪に埋もれてしまっているので足を温泉に浸かってゆっくりと、、というわけにはいきませんが、こちらも温かい温泉がこんこんと出ているので、凍える寒さも少しほっこりしますね。
阿寒湖温泉にはこの他にも「弁慶の足湯」というスポットがあるのですが、こちらはやや湖に近い場所にあり、雪が積もった後はスノーシューズ等でなければ行くのが難しい場所にあるので、日帰り観光で立ち寄るのは難しいかもしれません。
阿寒湖畔エコミュージアムセンター
阿寒湖温泉のバスターミナルから、来た道を少し戻って温泉街のほうに向かった先にあるのがこちらの阿寒湖畔エコミュージアムセンターです。
中には阿寒湖の四季折々の自然や、季節ごとに生息する動物や植物、昆虫などの展示ブースがあります。そのほか、アイヌの人たちの文化を紹介するブースも。
こちらの阿寒湖畔エコミュージアムセンター、入場料は無料なので誰でも気軽に入ることができますが、一番の見どころはマリモの展示でしょう。
特に冬の阿寒湖では、マリモはここでしか観察することができません。
マリモはよく北海道のお土産品としても売られており、小さくてコロコロとした丸い形が可愛らしいイメージがありますが、写真のように大きくてごついマリモも育つんですね。。
施設内にはマリモの研究、飼育センターも併設されています。
スタッフもとても親切なので、阿寒湖の自然やマリモ、観光情報などいろいろ聞いてみましょう。
ボッケ
阿寒湖畔エコミュージアムセンターのすぐ裏手には森林の散歩道が整備されていて、ここから阿寒湖畔を散策するコースがあります。
その散策コースの見どころの1つが、ボッケと呼ばれている地表に温泉が湧き出ているスポットです。
さすが温泉地というだけあり、この付近にはいくつかの柵で囲われたボッケがあり、地表にコポコポと気泡が生まれています。また、周囲には温泉ならではの硫黄臭が。
ただ冬は空気も澄んでいて風も強かったせいでしょうか。硫黄臭が新鮮な空気と混ざってなんだか美味しい芋料理のような匂いが立ち込めていました。
阿寒湖畔展望場所
ボッケのすぐ先には阿寒湖が広がっています。冬の阿寒湖は本当に静かで、そしてなんだかちょっと不気味な感じすらしてしまいますね。。
当然湖面は凍ってしまっているので、まるで真っ白な平原が続いているかのように見えますが、写真の上半分は湖になっている部分です。
ここからさらに湖畔に降りて湖の周りを散策して歩くことも可能ですが、ここから先は雪が深くなるためスノーシューズなど深い雪でも歩くことができる装備が必要です。
スノーシューズなどは阿寒湖畔エコミュージアムセンターに備えがいくつかありますので、ぜひ湖畔の道も歩いてみたい!という方はスノーシューズをレンタルして楽しんでみてください。
この阿寒湖畔散策路は1周約1.5キロほどのコースとなっているので、スノーシューズで歩くことを考えても45分ほどの散策になると思います。
滞在時間を考えて楽しんでください!
石川啄木の歌碑
ボッケをさらに進んだ場所にポツンと建てられているのが石川啄木の歌碑。釧路は石川啄木が滞在した街としても有名で、釧路市内にもいくつかの歌碑が建てられています。
冬の阿寒湖だと雪が積もった中に歌碑が立っていて、なんだか寂しい感じもしますね。。しかも歌碑に刻まれている歌も少し見えづらくなっています。
ちなみに石川啄木が呼んだ歌はこちら。
神のごと 遠くすがたをあらはせる 阿寒の山の 雪のあけぼの
石川啄木もこの地を訪れて、雄大で神聖な阿寒湖と山々に圧倒されたのでしょうか。
観光情報センター
こちらのどこかかわいらしい建物は、阿寒湖の観光情報センターです。中には自販機や観光窓口、各種観光パンフレットが置かれています。
少し暖を取るために中で休んでも良し、阿寒湖の観光情報を聞くもよし、適宜利用してもらえる施設です。
阿寒湖温泉はその名の通り温泉旅館が湖沿いにいくつもあり、中には日帰り温泉を受け付けているホテル、旅館もたくさんあります。温泉に浸かって凍えた身体を温めたい!という方はここに日帰り温泉受付をしている宿の情報と料金も記載した案内パンフレットが置かれているので、ぜひ参考にしてみてください。
3.【冬の阿寒湖】見どころ・観光ポイント②:アイヌコタン
阿寒温泉の最も人気の見どころといえば、アイヌコタンでしょう。「コタン」とはアイヌ語で「集落」もしくは「部落」という意味で、その名の通りこの通りはアイヌ文化を受け継いで守っている人たちがお店を出すなどして生活している一角になります。
広場の両端には木造のなんとも可愛らしい外観をした建物がずらりと並んでいます。
その多くがお土産屋さんですが、この建物のように木彫りのお土産やこの地でとれた天然石を使って造られたアクセサリーなどが主なお土産になります。
お店の人たちはどこかちょっと寡黙な雰囲気を感じましたが、話をしてみると気さくにいろいろと教えてくれるとてもやさしい人たちです。
木彫りのアクセサリーなどは一つ一つ手作りで丁寧に作られているそうで、どれも味があって柔らかい印象を受けます。
アイヌコタンに来る途中にもお土産店が軒を連ねている一画がありますが、アイヌコタンのお店ものぞいてからお土産をセレクトするのが良いかと思います。
アイヌの人々と梟(フクロウ)
こちらのアイヌコタンの入り口や、広場の一番上、さらにはお土産屋を見ても一番目に付くのが梟(フクロウ)の木彫り。
梟(フクロウ)はアイヌの人々にとっては特別な存在で、家や村の守り神として神聖視されてきたそうです。そのため、木彫りの梟(フクロウ)を家の入口や村の入り口などに飾ることで、自分たちの大切な居場所を守ってくれると信じられてきました。
日本人は昔から自然には神が宿るものいう信仰を持っていましたが、アイヌの人々は自然だけでなく梟(フクロウ)といった動物も神(カムイ)が私たち人間に対して幸運や恵みをもたらしてくれるものとして信仰し、その名前には「神」の意味を持つ「カムイ」という言葉が付けられています。
アイヌ民族館
アイヌコタンの広場奥には小さいですが、アイヌ民族館のような資料館があります。こちらは無人の資料館になっていて展示スペースもそれほど広くはありませんが、せっかくのアイヌコタンなのでぜひアイヌの人々の暮らしの歴史ものぞいてみてください。
入り口には「お気持ち」をお願いする集金ボックスがあります。これに限らず、店の入り口には面白い張り紙もちらほら。ちょっとユルいアイヌの人々。。
こちらはアイヌの人々が使う倉庫の見本。小さくて可愛らしい。
こちらはアイヌの人々の生活などをモチーフにしたアイヌシアター、イコロです。開演時間は土日ですと朝、昼、晩の3回になっていますが平日は朝か晩の2回のみ。仮に土日に訪れた場合でも、昼の上映は15時からなので、16時のバスで釧路駅に戻ろうとすると時間的には厳しいです。
アイヌコタンの中でも看板とも言える施設なので、阿寒湖温泉に宿泊する機会にぜひこちらも鑑賞してみてはいかがでしょうか。
4.【冬の阿寒湖】見どころ・観光ポイント③:おススメグルメ
阿寒湖温泉にはレストランも数多く営業していますが、おススメはアイヌコタンの中にある喫茶「ポロンノ」さんです。
こちらのお店はアイヌ料理を提供してくれるお店なんですが、ランチの定食から一品もののアイヌ料理、デザートやお茶、さらにはお酒まで置いてありメニューも豊富。
写真はユク(鹿)セット定食です。ご飯にお味噌汁、そして鮭の血を混ぜた塩辛とシンプルなラインナップとなっています。
お味はやはり自然の恵みを大切にしている感じがとても伝わってくるような、素材の味が味わえるようシンプルな味付けです。
ちなみに筆者が訪れたのは平日にも限らず、昼14時ぐらいに訪れた時にはちょうど1つ空いていたテーブル席を除いて満席。その後来たお客さんは待つことになりました。また、メニューも一品もののおかずはすでに終了してしまったものも多く、十分堪能できなかったのがちょっと残念でしたので、こちらのお店は早めに訪れた方がよさそうです。
店内も木を基調としたとても落ち着く雰囲気です。4人掛けのテーブル席が4席に、座敷席が1つ、そして奥にカウンター席が5席ほどあるぐらいなので店内は小ぢんまりしています。
こちらが入り口に置いてあったメニューです。何やら珍しい名前の料理ばかりで、どれも気になりますよね!
せっかくアイヌの人たちを知るチャンスなので、欲張って気になる料理はどんどんオーダーしてみてください!
4.【冬の阿寒湖】見どころ・観光ポイント④:湖上アクティビティ「あいすランド阿寒」
冬の阿寒湖は湖面が全面的に凍っているのですが、その凍った湖面を利用したイベントも開催されています。それが「あいすランド阿寒」です。
写真の通り、阿寒湖の湖面にはテントが並べられていますが、こちらはワカサギ釣りのブースとなっています。ワカサギ釣り以外にも、スノーモービルやアイススケート、四輪バギーなど広大な阿寒湖の上で思い切りアクティビティを楽しむことができます。
6.【冬の阿寒湖】見どころ・観光ポイント⑤:日帰り温泉
最後にご紹介するのは、何といっても温泉!
阿寒湖にはたくさんの温泉宿、ホテルが軒を連ねており、日帰り温泉を受け入れてくれる宿もたくさんあります。
観光センターで日帰り温泉の宿を調べても良いですし、気になった旅館やホテルがあれば受け付けカウンターに行って確認してみましょう。
冬の阿寒湖は夏に比べるとオフシーズンとなっているため、観光客はそれほど多くありません。ですので、日帰り温泉も人が少なく、ゆっくり浸かりながら温泉を楽しむなら冬の時期がおススメです。
料金は宿によって異なりますが、700円~800円程度が相場です。基本的にはタオルもセットで貸出し、大浴場にはシャンプーなども備え付けてあるので手ぶらでもOK。
阿寒湖の温泉は透明な単純泉で、特段匂い等もありません。ぜひゆっくり浸かって身体を芯から温めてください。
いかがでしたでしょうか。時間があるなら宿泊をしてじっくりと楽しみたい冬の阿寒湖温泉。ですが、日帰りでもそれなりに十分楽しめることがお分かりいただけたかと思います。
先ほど紹介したグルメのお店も含めて、お土産屋さんでも電子マネーやPaypayを利用できるお店も多くありましたので、現金が無くてもお買い物ができて便利です。
皆さんもぜひ、防寒対策をばっちりして冬の阿寒湖を観光してみてください!