旅ガイド

【ロシア】ソビエトの残風を感じよう!モスクワの「産業博物館」撮影一人旅レポート

かつて世界中を席巻したソビエト連邦。第二次世界大戦、その後のアメリカとの冷戦を経て1991年、69年の歴史に幕を閉じました。その激動の時代に取り残されたガラクタ達を、ロシアのモスクワ郊外の街でひっそりと展示している博物館があります。
今回はこのマニアック過ぎる博物館を訪れた旅レポートをご紹介!スポットへ訪れたい方は必見です。

1.【ロシア】モスクワの産業博物館の基本情報

産業博物館(ムゼイ・インドゥストリアリノイ・クリトゥリ)はこんな観光スポット!

2009年にオープンしたこの産業博物館「ムゼイ・インドゥストリアリノイ・クリトゥリ」は、ソビエトの時代に使われていたコンピュータ、カメラ、家電製品、車など、ソビエトの日常生活を取り巻く品々が展示されています。
ソビエト連邦の時代、昭和を懐かしむ世代の方には人気の博物館で、訪れては当時の生活を思い出しながら楽しむそうです。

館内に展示してある品々は全て自由に触れたり遊べたりでき、もちろん写真も撮影可能です。他に見学していたロシアの若い方は、ガラクタに座ってスマホでオシャレな写真を撮影していました。

産業博物館までのアクセス


今回旅で訪れた産業博物館まで、私は地下鉄で移動しました。ルートは上記の地図をご参照ください。

  1. まず赤の広場から少し歩いた、地下鉄「Ploschad Revolyutsii駅」から3号線のSchyolkovskaya方面に乗り込む。
  2. 途中の「Kurskaya駅」で10号線の「Chkalovskaya駅」Zyabiblikovo方面に乗り継ぎ、「Lyublino駅」を目指す。地下鉄の所要時間は約25分。
  3. Lyublino駅に到着後、あとは目的地まで約20分徒歩で向かう。

他にも地下鉄が通っているのでこれ以外の方法でもアクセスできますが、今回はこのようなルートで向かいました。

営業時間

営業時間は毎日午前11時から午後7時で、なんと入場料が無料!
しかし、現在は博物館の移転を理由に一時的に休業おり、営業再開は2020年4月15日と記載されていますが、今のところアップデートはなさそうです。。
詳しくはホームページをチェックしましょう。

https://www.museum-ic.ru

2.【ロシア】産業博物館現地レポート

目立たず存在感の無い博物館・・・

こちらの産業博物館、実は全く目立った場所にあるわけではなく、目に付きやすい看板や案内もないので、旅で訪れた際に一度通り過ぎてしまいました。
道行く地元の方に聞いてみても、「全然知らない」と言われるばかり。。地元でもマニアックなスポットのようです。

仕方なく来た道を戻ると、通り過ぎていた道沿いに無事発見することができ、一安心。完全に私の方向音痴さが発揮されてしまいました。。

先ほどご紹介した通り、2020年4月現在は閉館しているらしいので、次の移転先ではスムーズに行けることを願います。

入口を抜けて敷地に入ると、管理人らしきおじさんがいました。
アジア人が珍しいのか、彼に「青年よ、どこから来たんだい?」と尋ねられ、「日本人です。」と答えると、笑顔で「珍しいな。」と明るく笑顔で歓迎してくれました。

入場料を支払おうとすると、「無料だから自由に見学してくれ。写真も取り放題だよ!」とのこと。

良心的な博物館と感心しながら、いざ館内へ。
入口を入ると館内は薄暗く、ガラクタ独特の雰囲気と匂いで期待値が高まります。

博物館内部は別世界が広がっていた!

入口のすぐ入ったところには、いろいろなジャンルのロシア語の本が山積みに置かれています。中を覗きましたが、当然ロシア語だったので読むことができなかったのですが、海外の古本マニアにはたまらない光景でした。
博物館に対する期待値がますます高まっていきます。

本を横目に入口を通り過ぎ中に入ると、思っていたよりも奥が広くて、どこから見るか迷い、とりあえず左側に展示してあった映写機やカメラから見ることにしました。
この映写機で数々のプロパガンダ映画が上映され、人々が観賞してきたと思うと、少しだけ恐怖を感じつつも、メラのファインダーを覗いて夢中でシャッターを押し続ける私。

ソビエトでも原付は日常の足として利用されてきました。
その頃に乗られていた原付、そしてオートバイクです。手前の原付にまたがりましたが、今にもエンジンが掛かり動き出しそうなほど状態がよかったです。このバイク達もソビエトという激動の時代を見てきたと思うと、今はただ展示されるだけですが、シンプルな格好よさと時間の経過による風化したソビエトを感じさせ、美しく見えてきます。

そのほかにも所狭しとソビエトの独特な物品の数々が保管されており、世界史やロシアの歴史に興味がある方は是非訪れてみると面白いと思います。

このビリヤード台もまた年季が入っており、時の流れを感じさせてくれます。
ビリヤードに限らず、ゲーム機や本など娯楽を楽しむ品々が展示してありました。これもまた、当時の生活感がそのまま忠実に残っていました。

館内の展示品には触れたり遊んだりすることができ、当時の情景を思い描きながらじっくりと見学できるのが何と言っても魅力です。

ロシアは年間を通して寒冷地で、戦時中ドイツ軍が攻め入った時も極寒の地で撤退していったほどです。
それもあり、フィギアスケートを始め数々のウィンタースポーツが盛んに行われているわけですが、その影響か、片隅にスキーの板が無造作に置かれていました。当時からやはり人気のウィンタースポーツであることが分かりますね。

この博物館に展示しているもの達は、当時の生活様式がそのまま残っているため、例えばスキーの板やビリヤード台など趣味嗜好のガラクタもあれば、原付や電話などの生活必需品など、本当に色々なものがあります。

外の見どころも忘れずに!

見学し終えて外へ出ると、入口の目の前に可愛い犬が日向ぼっこをしていたので思わずカメラを構えました。

犬の写真を撮っていると先ほどのおじさんが再び現れて、「こっちも見ていくといいよ。」と、奥に手招きして案内してくれたので付いて行くことに。
その先にはこれまた無造作に置かれた展示品が並んでいました。

外には車やバイクなど軍事目的のものだったり、企業用のものだったり、一方で生活に利用されていたものなど、あらゆる大型の乗物が展示されていました。

男性の心をくすぐる展示品が多く、特にこの軍用車の赤星が当時の強大な力を見せつけられますね。当時ソビエトの赤軍は世界的にも劣ることはなく、社会主義ならではとも言える統率力もありましたね。その歴史的背景も相まって、無意識のうちに写真を撮っていました。
それにしても、この赤星がいいアクセントになって、武骨な軍用車をかっこよくさせています。

こちらは大型バスで、実際に街を走っていたものになります。存在感が強く、真っ先に目がいきました。
バスの中に乗ることもでき、エンジンもかかっておらず、運転手も乗客も一切いないバスの雰囲気に少し不思議な感覚に陥りました。

こちらは廃車になった時代を感じさせるレトロな車たちです。
この曇ったガラスとフロントの錆びた部分が、時代の流れを感じさせてくれます。それにこの色とりどりに並べられた色彩模様が、どこか美しく車内のハンドルやシートからタイヤのホイールなど、隅々まで見入ってしまいました。
私は個人的にこういった写真が好きなので、撮影できて少し高揚した感情になりました。

 

一通り撮影し終えて、入ってきた場所へ戻りベンチで撮影した写真を眺めていると、あのおじさんが来て「また来てくれ。その時には今よりも増えているからね。」と一言。そのまま握手を交わし、いつかまた訪れようと心の中で決心して博物館を後にしました。

常にモノが増えている博物館だと、1度だけでなく何度も訪れる楽しみができそうです。

3.【ロシア】産業博物館を訪れてみて

東日本大震災当時、中学生だった私はチェルノブイリを知り、そこからソビエトの建築物や街並みなどのブルータリズム的景観に興味を持って、それと同時に調べていくにつれて民俗的な文化にも興味を持つようになりました。
その影響もありロシアを始めとした旧ソビエトの国は、いつか旅で訪れてみたい!と強く思っていた中、ロシアに旅するスケジュールが取れ、現地の情報やスポットを色々調べてこの博物館に辿り着きました。

感じたこと

実際に訪れてみると、当時のポスターやプロパガンダ的なものもあり、これまでずっと日本で生きてきた私には、どれも興味を惹くようなものばかり。

ソビエトの歴史に興味がある方はもちろんのこと、ご家族連れやご年配の方、さらには若い方など、あらゆる年代の方が楽しめると博物館になっているので、ぜひおススメです。
私自身いつかまた、移転した博物館にも訪れたいです。その時には、さらに素晴らしい写真が撮影できることを期待して向かいたいです。

そして、こういう博物館に訪れると、廃棄される物には3つの未来があると常々思います。
- 再利用される未来
- 展示される未来
- 完全に廃棄される未来

ここはソビエトという時代に取り残されたものたちが展示してあるわけですが、実際に訪れてみて、ある意味歴史的にも貴重な品々が展示してあり、私のようなリアルタイムで時代を見てこなかった方にこそ、惹かれるのではないかと思います。

滞在時間の目安

博物館は館内の展示と外での展示があり、見学だけなら1時間もあれば隅々まで見ることができます。本当に様々な品々が展示しているので、終始飽きずに過ごすことができると思います。

私は見学と同時に写真を撮影したかったので、展示品を一個一個じっくり見ながら隅々まで撮影していました。そしてあっという間に時間が過ぎていき、結局、博物館を出たのは3時間後だったので、じっくり見たい方は余裕を持って博物館を訪れてください。

4.【ロシア】産業博物館への一人旅参考情報

最後に、今回の産業博物館への一人旅で利用した宿泊先などの一人旅参考情報をご紹介します。

滞在先

モスクワでは合計5日間滞在していました。今回は5日間全て「Makarov Hostel」というゲストハウスに宿泊していました。

ここは目の前に「リカ・モスクワ」という川が流れており、夜になるとライトアップされて現地の家族連れやカップル達が散歩を楽しむ市民憩いのスポット。
また、赤の広場までは徒歩で約15分という立地にあるため、一人旅での観光では便利で過ごしやすかったです。

ホステルの場所はこちらの地図をご参照ください。

気候と服装

私が訪れた時期は9月ですが、雨が降ると寒くなり、特に夜は天気の良し悪しに関わらず肌寒かったので、上着を持参していくことをオススメします。

 

いかがでしたでしょうか。ロシアはビザを取得しなければ訪れることは出来ませんが、歴史も深く街並みもお洒落ですので、幅広い方にオススメできる国です。

今回ご紹介した産業博物館(ムゼイ・インドゥストリアリノイ・クリトゥリ)は、地元の方も知らないマニアックなスポットですが、一人旅される方にはオススメできるスポットですので、移転が完了し営業が再開されましたら、是非訪れてみてください!
今回の記事が皆様のご参考になれば幸いです。

ライター紹介

高橋 良斗

世界中に転がる風変わりな光景を民俗的・美術的観点で撮影しながら旅を愛する旅人&フォトグラファー。
[旅のこだわり]
・「暮らすように旅をする」スタイルを愛する旅人。そのため、旅の一番の目的以外の細かいスケジュールは決めず、あとは旅先の流れに身を任せて気持ちの赴くまま、旅先の空気や雰囲気を感じる旅をする。
・「食」のこだわりは「旅先で楽しむ日本食」。現地の食事ではなく、あえて現地の「和食」を食べるのが好き。
・一人旅のお供にいつもたくさんの本を持参。圧縮袋を駆使して、旅先の移動などで読書をしながら気ままに旅を楽しむ。

インスタグラム:https://www.instagram.com/theyoshitotakahashi/
ホームページ:https://iwakan.org

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