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【世界遺産】仁和寺の宿坊、御室会館の宿泊体験レポート!

京都の世界遺産、仁和寺には宿坊と呼ばれる誰でも宿泊ができる施設、御室会館があるのをご存知でしょうか。

世界遺産の寺院で宿泊ができることに加え、宿坊の宿泊者しか体験できない朝のお勤めの特典があるなど、とても人気があります。

今回はそんな仁和寺の宿坊、御室会館の宿泊体験レポートを詳しくご紹介します!

1.【世界遺産】仁和寺の宿坊、御室会館

仁和寺:御室会館

仁和寺の宿坊、御室会館は南側の仁王門を入ってすぐを右に曲がった場所にあります。東門から入った場合はすぐ目の前にある建物になります。

御室会館は宿泊の他、観光客向けのお土産やお食事を提供したり、また会議・研修施設として利用されており、宿泊者でなくても御室会館の「梵」というお食事処でランチやお茶を楽しむことができるのです。寺院の中にお土産屋さんやちょっとした食事スペースとしてお茶屋があるケースは多いですが、御室会館の「梵」は座席数もかなり多く広々としています。

宿泊者の部屋は入口を入った所にあるお土産コーナーの奥に進んだところにあり、宿泊者以外は立ち入ることができません。宿泊部屋は地下1階と2階にあり、ちゃんと大浴場、小浴場まで完備されています。

2.【世界遺産】仁和寺の宿坊、御室会館の宿泊予約方法

公式ページについて

仁和寺の宿坊、御室会館の公式ページに空室状況や予約フォームがあり、ここから予約を行うことができるとなっていますが、空室日を検索してもなかなかヒットしませんでした。

はっきりしたことは分かりませんが、毎日宿泊を受け付けているわけではなく、宿泊できる日が限定されているためなのか、もしくは収容人数が多くは無いため、余裕を持って予約をしなければすぐに部屋が埋まってしまうのか、公式ページからの予約はあまり便利とは言えません。

公式ページに問い合わせ先の電話番号が記載されているので、不明な点がある方はぜひ問い合わせてみてください。

オンライントラベルエージェンシーからの予約ついて

仁和寺の宿坊への宿泊予約は先ほどご紹介した公式ページ以外からも、ネットでホテル予約ができるオンラインサービスからも予約をすることが可能です。

筆者が今回利用したのは、じゃらんの宿泊プランからの予約で、基本的には公式ページと同じプラン、料金の設定となっていました。こちらのページからですと、「日付未定」で空室検索をかけて希望のプランを選択するとカレンダーが表示され、予約可能な日付残りの空室数が表示されるので一目でよく分かります。さらに、直近の予約実績や現在の閲覧人数もリアルタイムで表示してくれるので、予約が埋まるタイミングの参考にもなりとても便利です。

ちなみに、プランは素泊まり、朝食付き、著食+夕食付きの3つでそれぞれ1人当たりの金額は5,740円、6,666円及び10,185円(いずれも税抜き)となっています。

 

予約の際には宿泊当日に連絡のつく電話番号を準備しておきましょう。また、チェックイン予定時間も合わせて連絡する必要がありますが、もし当日のチェックインが遅れそうな場合は事前に宿坊の御室会館に電話でその旨とチェックイン予定時間を知らせておきましょう。
また、支払方法は現金のみでクレジットカードの利用は不可、支払いはチェックイン時となります。

3.【世界遺産】仁和寺の宿坊、御室会館の宿泊体験記

宿坊(御室会館)のチェックイン

仁和寺東門にある宿坊の案内板

上の写真は明るい時間帯に撮影したものですが、実際のチェックインは夜の20時前となりました。京都市内観光をした後に、市バスで最寄りの御室仁和寺で下車、そこから徒歩5分ほどで仁和寺に到着。

仁和寺の拝観時間とともに南側の仁王門の扉は閉ざされ、宿坊の御室会館すぐ横の東門も18時30分には閉門してしまうので、18時30分以降にチェックインをする場合は東門に行き、門に備え付けのインターホンを鳴らして扉を開けてもらうことになります。

 

東門左側の戸口横に備え付けられたインターホン

インターホンを押すと受付の方が扉を開けてくれるので、その後について宿坊の御室会館に入り、そのまま受付を済ませました。
御室会館は靴を脱いでスリッパに履き替えて上がります。

夜間の出入りと周辺のお店情報

宿坊の最終門限は夜の23時となっており、それまでは自由に仁和寺から出入りすることが可能です。ただし、戻ってくる時には先ほどのようにインターホンを鳴らして開けてもらう必要があるので、なるべく仁和寺の外に出る用事は最低限に済ませておいた方が良いでしょう。

また、仁和寺周辺にはそれほど飲食店などは多くありません。筆者も夜のチェックインになることを電話で伝えたところ、「仁和寺周辺にはあまりお店が無いので、夜ご飯は京都市内で済ませてから来た方が良いですよ」と言われました。
と言っても全く無いわけではないのでご安心を。

仁王門のすぐ向かい側にはお好み焼き店があり、また仁王門前の通りを西に進むとガソリンスタンド横にセブンイレブンがありますので、日用品や軽食、飲み物などの調達も可能です。

宿坊(御室会館)内の施設、部屋

宿坊(御室会館)1F:お土産スペース

宿坊(御室会館)に入ると、待合スペースとその奥にお土産店のコーナーがあります。上の写真は奥側から撮影したものですので、写真奥が入口です。
宿坊の受付は写真左側(入り口側から見ると右側)に、「受付」と書かれたレセプションがあるのでそこでチェックインやチェックアウトを行います。

支払いはチェックイン時に済ませるので、チェックアウトの際には部屋の鍵を返却するのみです。

また、受付横(写真の手前左側)にお食事処「梵」の入口があります。今回は朝食付きプランでの宿泊なので、午前7時半にこちらの「梵」で朝食を頂く予定です。

1人用部屋(4.5畳)

チェックインをして部屋の鍵を受け取り、いよいよ部屋へ!

写真が大人1人用の宿泊部屋です。広さは4.5畳と、宿坊の部屋の中では最も小さい部屋ですが、畳がきれいに敷かれておりまったく狭い感じはしませんでした。

ちなみに、研修施設を兼ねているからか、ホテルのように部屋番号が表に記載されているだけではなく「研修室」という大学の研究室みたいな掲示になっているのも面白い!

部屋に入った部分は一段低くなっていて、流し台にコップ、歯ブラシと冷蔵庫が置かれていました。先ほどの畳の部屋には館内スリッパを脱いであがります。

部屋にはTVと空調機の他、鏡、浴衣、フェイスタオルからお茶っぱと急須、そしてお湯が入ったポットまで準備されていてアメニティも十分に備わっています。
「ホテルとは違うお寺の宿坊だから、きっと質素なんだろうな・・・」と思っておられる方、きっと良い意味で裏切られるでしょう。

こちらはお手洗いの洗面台です。とても清潔できれいですよね!ちゃんポンプ式の泡ハンドソープまで用意されていました。
お手洗いはもちろん男性と女性で分かれており、どちらもとても広いです。
宿坊はお手洗いと浴場が共用となっています。

浴場は大浴場と小浴場があり、その日の宿泊者の中で男女の多い方が大浴場、少ない方が小浴場となる仕組み。
今回は男性が多かったようで大浴場が男性となっており、宿泊者数が少なかったからか、筆者(男性)は誰もいない大浴場を独り占めすることができました!

温泉ではありませんが、広い浴槽にボディソープとシャンプーももちろん用意されているので、身も心もリフレッシュできました。

朝のお勤めに参加!

仁和寺:金堂(国宝)

翌朝は朝6時から始まる世界遺産、仁和寺での朝のお勤めに参加するため、普段は絶対起きない朝の5時過ぎに起床!

お勤めはさすがに浴衣はNGなので、洋服に着替えて宿坊(御室会館)を出るとまだ春先のためか空気がヒンヤリとして、とてもすがすがしい気持ちになりました。街の騒音も無い静寂の中で金堂に向けて歩いていると、近くからお坊さんたちが唱えるお経の声が聞こえてきました。

普段は一人のお坊さんがお経を唱えている場面しか出くわしたことが無いのですが、たくさんのお坊さんが声の高さや抑揚を合わせて唱えるお経がこれほどまで耳に心地よく響くのか、と感動するぐらいすっと自然に耳の中にお経が入ってきます。

朝の新鮮な空気を吸いながら、心地よいお経の声だけが聞こえてくる静寂な境内をほぼ自分一人だけが歩く、というのは本当に贅沢で幸せなひと時でした。

金堂に行ってみると、普段は閉ざされている金堂の扉が開け放たれ、中の阿弥陀如来本尊のお姿を拝むことができました。そして、3~4人の僧侶が金堂に来られて、お経を唱え始めます。

お勤めは朝の6時からだいたい15分~20分ほどとそれほど長くありませんが、宿泊者はこの間自由に金堂に上がることができます。
また、金堂内の壁際には椅子が数脚用意されているので、正座をせずに椅子に座って楽な姿勢でお勤めに参加することができるのも嬉しいポイントです。

貴重な住職のお話

お経が終わると、住職が貴重なお話をしてくださいました。仁和寺の歴史や面白いエピソードなどを分かりやすくお話ししてくださったりと、お話の内容はお楽しみなのでここでは詳細はご紹介しません。

ですが、1つ心に残ったお話を。

仏教の言葉で「慈悲」という言葉があります。「慈」は喜びを表しており、人の喜びを共に分かちあって喜ぶことができる心のこと。「悲」はその通り、悲しみを表しており、人が悲しんでいる時はその悲しみに寄り添おうとする心。
つまり、人の喜びや悲しみを素直に自分のように受け入れて感じる心の大事さを説く言葉なのですが、今の社会では真逆のことでありふれている。人の喜びを妬んだり、人の悲しみをあざ笑ったりで溢れて、慈悲の心が失われている。

そんなお話を聞いて、はっとする自分がいました。

住職による境内のご案内

お経は椅子に座って聞いていましたが、住職のお話は正座をして聞いたので両足が完全にしびれてしまいました。。
が、お話が終わると伽藍を一通りご案内してくださいました。

それぞれの伽藍の見どころは別の記事で詳しくご紹介しますので、今回は割愛させていただきます。

一通りご案内していただき、これで朝のお勤めが終了!とっても満足できた、貴重な体験でした。
時間は7時20分ごろ、ちょうど朝食の時間に良いタイミングで、一通り境内の写真を撮って宿坊(御室会館)に戻りました。

お食事処「梵」の絶品和朝食!

こちらがお食事処「梵」の朝ご飯。和食ベースです。

一番おいしいと感じたのが、京都ならではの白みその味噌汁。お味噌と出汁の優しくて上品な甘さが体に染みわたって、心も体もほっと落ち着く味でした。

おひつのご飯はおかわり自由だし、その場で火をつけて温めて頂く湯豆腐も海苔の出汁につけて食べるとこれまた美味しい!
最高の朝ご飯でした。

チェックアウト

部屋に戻って少し休憩し、荷物をまとめてチェックアウト。チェックアウトは朝の9時までとちょっと早めです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

部屋数が限られており、人気も高いためなかなか宿泊の予約が取りにくい世界遺産仁和寺の宿坊(御室会館)。
宿泊料金も良心的で朝のお勤めという貴重な体験もでき、また開門前の境内を静かに散策できるのは宿泊者だけができる特権です。

ぜひ京都を訪れた際には、世界遺産仁和寺の宿坊(御室会館)の宿泊プランも考えてみてください!

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