一人旅に限らず日本人にとって人気の海外旅行先の1つ、タイ。タイは観光目的の場合、30日以内の滞在であればビザは不要ですが、その居心地の良さから、30日を超える滞在をしたいと思っている旅人も多いです。
そんな旅人がビザ対策として行っているのが、「ビザラン」による滞在延長です。今回はタイで、チェンマイを起点とした「ビザラン」体験レポートをご紹介します!
【タイ】観光ビザとビザランの概要
観光ビザは不要!
海外旅行でもバックパッカーでの一人旅でも、日本人に大人気な渡航先のタイ!初めての海外一人旅でも、タイを旅先に選ぶ人が多いのではないでしょうか。
旅で気になるのが観光ビザのルールですが、基本的にタイへの観光目的の旅行は「入国後30日以内(29泊30日)の滞在」を条件としてビザ無しで渡航することが可能です。(日本パスポート保持者)
ちなみにこの期間を越えて滞在してしまうと、タイ出国時に超過1日につき500バーツの罰金が課せられるので注意が必要です。
またこのペナルティが付いてしまうと、次回タイに入国する際のマイナス要因となってしまい、最悪の場合入国拒否という措置の可能性にもつながってしまうので、注意が必要です。
観光ビザが必要な場合とその種類
30日を超える滞在が最初から決まっている場合は、事前に観光ビザを申請・取得することが可能です。観光ビザの種類は、1度きりの入国・滞在の場合の「シングル」と、一定期間内に何度でも入国・滞在が可能な「マルチプル」の2種類があります。
いずれのビザも滞在期間は60日です。
ビザランとは?
タイは地域ごとに見どころも多くたくさんの魅力が詰まっており、観光場所も数多いため、特に長期間じっくりと旅を楽しみたいバックパッカーや一人旅の旅人も多いのも事実。国土もそれなりに広い国なので、移動を含めると案外1ヶ月もあっという間に過ぎてしまうんですよね。
最初は短期間の滞在のつもりだったけど、あまりに居心地が良くてもっと長くこの国に滞在したい!だけどビザ無しでの滞在期間は30日と決まっている・・・
何とかならないの!?
そんな方にオススメなのが、滞在期間を伸ばすことができる「ビザラン」という方法。やり方が分かれば簡単にトライできますので、是非選択肢の一つとして覚えていていただければと思います。
ビザランとは、滞在期限が到来してしまう前に一度タイから出国し、その後すぐタイに入国し直すことです。そうすることによって、再び同じ期間だけその国に滞在することができます。ビザクリ(ビザクリア)とも呼ばれます。
ちなみにタイの場合、現地のイミグレーションオフィスにて1回の滞在につき1度だけ延長の申請(+30日)もできます。
その場合、更新料1,900バーツ(約6,500円)、証明写真、パスポートコピーなどが必要になります。
一方ビザランは、他国に出国するだけなので、特別な準備物や手続きは必要ありません。選ぶ国境の場所や移動方法によりますが、私の場合はなんと!約3,000円で済みました。
ビザランの注意事項
ビザランは方法によってはこのようにお金をかけずに滞在期間をリセットすることが可能です。ただ、例えば陸路で出国&再入国する場合、国境まで移動するための時間はどうしてもかかってしまうので、時間をかけたくない場合はイミグレーションオフィスでの更新を選ぶと良いと思います。
さらにタイでビザランを行うにあたって、注意すべきことがあります。それは空路での入国は年6回まで、陸路での入国は年2回までとされていることです。特に一番安くて楽な陸路国境での入国が2回のみとなっている点は要注意です。
もし頻繁にタイを訪れる方は、その年に何回ビザランを行ったのかはしっかり把握しておきましょう。
ちなみにこの制限の回数は今後も変更される可能性があるので頻繁に最新情報を確認しておく必要があります。参考になるサイトをいくつかご紹介しておきます。
タイ外務省ホームページ
在京タイ大使館
タイのビザ情報紹介サイト
2.【タイ】チェンマイからミャンマー国境でビザラン体験
チェンマイ⇔ミャンマー国境のビザラン概要
今回はタイのチェンマイという街から、隣のミャンマーで陸路のビザランを行う流れをご紹介します。
チェンマイはタイの北部にある第2の都市で、「北方のバラ」とも称される美しい古都です。さまざまな民族文化が混在しており、北部独自の建築や、料理、工芸品などがあります。バンコクと比較して交通量も少なく静かなエリアなので、ゆったり過ごしたい人にオススメです。
チェンマイの近くには自然豊かな「パーイ」や「チェンライ」という街もあるので、こちらの街も合わせて観光に訪れる旅人が多いです。
ビザランをする場合、チェンマイの町からバスに乗ってミャンマーの国境まで移動していく流れになります。
バスチケットの予約はバスターミナルでもできますが、ネットから予約すると手間がかからないのでオススメです。
私は「Greenbus」というバス会社でチケットを予約しました。アプリをダウンロードすると予約管理が便利です。
バスのスケジュール
予約するバスの便ですが、朝の出発時刻が遅いと帰りのバスの時間(チェンマイ行き最終便は15時前後)までに間に合わない可能性が出てくるので注意してください。
私は往路朝8:00発、復路15:30発のバスを予約したのですが、この日程感でミャンマー側で1時間くらいのフリー時間があったので、ちょっと見て周りたい人にはちょうど良いスケジュールかなと感じました。
チケットの料金は座席によっても変わりますが、この時私が予約した便は往復で450バーツでした。
チェンマイのバスターミナルまで
まずチェンマイへのバスターミナルまで向かいますが、そこまでの移動手段はソンテオ、トゥクトゥク、タクシーなどがあります。
ソンテオというのはタイの北部を中心に運行している赤い小さなトラックの乗り物です。トラックの荷台部分が改造されて乗車席が作られています。
このソンテオ、バスと同じくルートが決まっている場合がほとんどで、街の各地にソンテオ乗り場がありそこから乗車することができます。ですが、乗客人数がある程度集まってから出発するので、早朝の時間帯だと人数が集まらず出発してくれない可能性が高いです。
私も一応運転手に聞いてみましたが断られてしまいました。
ソンテオを待っていると時間に間に合わないリスクがあるので、早朝はタクシーやトゥクトゥクを利用した方が良いと思います。相場は200バーツくらいになるので、ご参考まで!
チェンマイのバスターミナルは3つほど建物がわかれているので初めて向かう人は早めに着くように計画していたほうが安心だと思います。
乗車の際、チケットは印刷せずに携帯の予約画面を見せるだけで大丈夫です。
バスの車内は基本2人席になりますが、1列席も4席ほどあります。新しい車両ではありませんが座席は思ったより狭くなかったです。
チェンマイから国境まで、片道だいたい5時間の走行になりますが、運転も荒くなかったので車移動が苦手な私でも問題なく過ごすことができました。
国境の街、メーサイ
メーサイという国境の街に到着すると、そのバスターミナルから国境まで移動するためにソンテオに乗り換えます。同じバスに乗っていた人の半分くらいは同じ流れでソンテオに乗り換えていたので、着いて行けば自然に乗り込むことができました。
ですが、一応運転手や周りの乗客に、国境まで行くかを確認しておくと良いと思います。
ソンテオはいろんな場所に寄ってお客さんを乗せながら走行していきます。そのため走行時間が伸びることが多く、20分以上かかると思います。
ソンテオでは走行中に料金を回収する呼びかけがかかるので、15バーツを手元に用意しておきましょう。
ソンテオから降りると目の前に国境イミグレーションの建物があります。
ミャンマーへの国境越え
タイを出国する場合は向かって左側、そしてミャンマーからタイに入国する際は向かって右側の通路を通ることになります。
まずはタイの出国手続きを行う左側に向かいます。
イミグレーションに並ぶ列はできていなかったのでスムーズに処理を行うことができました。建物を抜けると長めの橋があり、あっという間にミャンマー側に入国!
ただ国境を越えただけなのですが、ミャンマー側に入るとタクシードライバーからツアーガイドまでたくさんの人が次々に声をかけてきてとても騒がしく変化します。時間がたっぷりある人はここからタクシーなどを使って観光に行くこともできます。
今回は帰りの便まで1時間ほどしかなかったので、国境付近だけを歩いて回りました。
道路の横にある階段を降りると小さな商店街へと続いています。靴や服などのアパレル物が多かったので、観光客はあまり惹かれないとは思いますが暇つぶしにいろいろ回って見ていました。
時間帯も早かったので、全然人がいません。。
トイレも建物の中に設置されているので周りの人に聞けばすぐ見つけることができると思います。(メーサイのバスターミナルにもあります)
奥まで進んで行くと広い道路にも繋がっていて、人やバイクが多くなりました。屋台も出ていましたが種類はそこまで多くなかったので、近くにあった麺料理の屋台で注文しました。
車輪のついた山車でお店を開いています。
ちなみに国境付近では、ミャンマーの紙幣を持っていなくてもタイバーツで支払うことができるので、両側の必要はありません。
いろんな調味料をかけられていきます。
汁なしのまぜ麺ですが、とても辛くて驚きました!辛いのが苦手な人はノースパイシーと伝えた方が良いと思います。
麺と共に入っていたこんにゃくのような太めの具材がもちもちしていて美味しかったです。現地のグルメは1つ1つが新鮮な食感と味なので、いろんな料理に挑戦したくなりますね。
ちなみに、ミャンマーと言えばビールが美味しいことで有名です。以前ミャンマーを旅した時に、このミャンマービールに魅了されました。
お土産と一緒にお酒を置いているお店があったのでそこで購入してみました。バーツ支払いなので高くなるかなと思っていましたが、1本35バーツとお手頃な価格!
イカのおつまみも買って、屋台用のテーブルでゆったり過ごしました。
隣の国であるタイでもミャンマービールはなかなか手に入らないので、ビザランのついでに買い物もできるのは嬉しかったです。
最後に国境付近に出ていた屋台でおやつを買いました。
右のお菓子はパイ生地でパリパリしていて左の物はドーナツのようなお菓子です。
いろいろ見ている間に時間が過ぎていったので、ちょうど良いタイミングで戻る時刻になりました。
ミャンマーからタイへの入国
ミャンマーからの入国処理は先ほど入ってきたゲートと反対側になります。
外国人が手続きする窓口の場所がすごくわかりにくく、列もごちゃごちゃになっているので、近くにスタッフを見つけたら聞いたほうが早いと思います。また、入国カードの記入が必要になるので、ペンを持ってきておくとスムーズです。
結果的にタイ出国時と比べて窓口が並んでいたので時間がかかりました。
タイ側に戻って来たらしっかりと、タイの出国→入国、ミャンマーの入国→出国の処理がパスポートに記録されているか確認しましょう。さらに、今回のタイ滞在可能期限も書かれていると思うので、一応その日付も忘れずチェックしてくださいね。
タイ側にもいろんなお店が出ているので早めに戻って来ても見るところはあります。
近くにソンテオが待機しているので、バスターミナル行きか運転手に確認してから乗り込みましょう。これも人数が集まってからの出発となるので、10分以上待つことが多いと思います。
メーサイのバスターミナルは真ん中に待機スペースがあり、両サイドにいろんなバスが停まっていました。
アナウンスを聞いたり、Greenbusのスタッフにバスが来ているかを確認しましょう。
少し遅れてバスが来ました。復路のバスの方が時間帯もあってか、混み合っていました。
チェンマイのバスターミナルに到着してからもソンテオやトゥクトゥクが待機しているので金額や時間に合わせて好きな移動手段を選びましょう。
3.【タイ】チェンマイからのビザランまとめ
以上が一通りのチェンマイからミャンマー国境を利用したビザランの流れになります。
上記の流れで私が宿に着いたのが20時頃だったので、丸1日コースです。1日かかってしまいますが、国境付近もぶらぶら観て回るのも楽しいし、日帰りのミャンマー旅行だと思えば悪くないなと感じました。
陸路ビザラン以外にも最近はLCCの飛行機も安いので、荷物を置いて身軽な状態でフライトビザランをするのも良いと思います。また、せっかく一度国境を越えて違う国に出国するので、現地で2、3日現地を観光してまた戻ってくるというのでも楽しめそうですよね!
どの手段でもビザラン後にはタイがさらに30日滞在可能になるので、またゆっくりタイ観光を再開できます。
是非みなさんもいろんなプランを検討して、タイ旅行、一人旅を満喫してきてください!