世界遺産の楽しみ方 旅ガイド

【世界遺産】高野山の観光・一人旅に役立つ基本情報5選(準備、見どころ、グルメ、宿坊)

和歌山県にある世界遺産の高野山は、1200年も前にかの弘法大師、空海によって真言宗の僧侶たちの道場として開かれた、世界に類を見ない宗教都市です。
今回は、そんな高野山の旅を心行くまで楽しむために知っておきたい、観光・一人旅の基本情報、気候や見どころ、グルメ情報等をご紹介します!

高野山への旅の計画に役立つ参考情報

大門

高野山への電車でのアクセス

世界遺産の高野山は真言密教の道場として山の上に開かれた空中の宗教都市であり、今では日本に限らず世界中から旅人が訪れる人気の観光スポットになっていますが、今でも仏門に入った多くの僧侶たちが日々生活し、修行を行う神聖な場所です。

山の上にあるものの、電車・ケーブルカー・バスを乗り継いで気軽にたどり着くことができるので、そこまで不便さは感じません。ですが、アクセスするのには近場の大阪からでもそれなりの時間(2~3時間)がかかるので、旅の初日と最終日のプランはじっくり考えましょう。

今回は関西空港又は大阪方面から電車でアクセスする一般的な方法で、高野山駅前に12時前後に到着するケースをご紹介します。

① 関西空港からのアクセス

関西空港(南海電車:南海空港線・難波行) 9時14分発↓
天下茶屋(南海電車:高野線・橋本行)9時58分着(乗り換え)、10時7分発↓
橋本(南海電車:高野線・極楽橋行)10時53分着(乗り換え)、11時00分発↓
極楽橋(南海高野山ケーブル)11時47分着(乗り換え)、11時52分発↓
高野山 11時57分着

② 大阪方面からのアクセス

大阪(JR大阪環状線内回り)9時42分発↓
新今宮(南海電車:高野線・橋本行)9時58分着(乗り換え)、10時04分発↓
橋本(南海電車:高野線・極楽橋行)10時53分着(乗り換え)、11時00分発↓
極楽橋(南海高野山ケーブル)11時47分着(乗り換え)、11時52分発↓
高野山 11時57分着

高野山へ電車で行くには、南海電車で極楽橋駅まで行き、その駅から直結しているケーブルカーに乗って山の上に向かいます。
橋本までは特急などが出ているものの、大阪からは1時間、関西空港からは天下茶屋を経由するので1時間40分ほどかかります。
さらに、橋本駅から極楽橋までは各駅停車になり、場合によっては途中の駅で連絡見合わせを行うので、長い場合だと1時間ほどかかります。

極楽橋から高野山に上るケーブルカー、そして高野山から高野山内に入るバスの乗り継ぎは電車の時間に合わせて比較的スムーズに移動できるので、乗り換えの待ち時間によるロスはあまり気にしなくて良いと思います。
ちなみに高野山内へ入る道はバス専用道路となっており、高野山駅からはバスでしか移動できないのでご注意ください。

高野山から関西空港、大阪市内へは3時間程度かかるので、初日もしくは最終日は頑張れば半日は高野山の観光に使うことができると考えておけば良いでしょう。

滞在日数に合わせた高野山の旅のモデルプラン

旅の日程による高野山の旅プランですが、下記を目安に計画を立ててみてください。

旅日数の目安

・高野山内のみの観光の場合:1泊2日もしくは2泊3日
・高野山内+周辺のトレッキング:3泊4日~5泊6日
・高野山+熊野古道も含めた旅:2週間以上

後ほど詳しくご紹介しますが、高野山内のみの観光であれば1泊2日でも十分に観て回ることが可能です。高野山内を運行しているバスを上手く利用すれば短時間で効率よく散策することもできるでしょう。

高野山は真言密教の聖地であり、長い歴史の中で民衆だけでなく貴族や武士からも多くの信仰を集めた場所です。このため、その信仰の道とも言える参詣道が整備されており、今でもその道を辿ることができます。
せっかく高野山を訪れて時間も取れるのであれば、トレッキング感覚で昔の人たちが歩いた参詣道を辿ってみるのもおススメです。
参詣道はいくつかの道があり世界遺産に登録されている道もあるので、ご自分の体力と滞在日数に合わせて選んでみてください。

ご参考までに主な参詣道をご紹介します。下記のいずれも世界遺産に登録されています。

トレッキングとしても人気の参詣道ルート

(初心者向け)不動坂ルート:極楽橋~女人堂 約2.5キロ 所要時間 50分
(中級者向け)高野山女人道ルート:女人堂~大門~奥の院 約6.9キロ 所要時間2時間20分
(上級者向け)町石道ルート:九度山駅~慈尊院~大門~根本大塔 約21キロ 所要時間7時間

十分に時間を取って旅を心行くまで楽しめる方は、ぜひ「紀伊山地の霊場と参詣道」として高野山と同じく世界遺産に登録されている熊野古道も合わせて旅をしてみてはいかがでしょう。
高野山や熊野古道は「道の遺産」であるため、それを歩いて踏破するにはそれなりの足腰の強さが必要ですが、大自然で神聖な場所を歩く体験はこの場所ならではと言えると思います。

気温と服装

最後に、高野山を訪れる際の服装について記載しておきます。

高野山の標高は867メートル。山の上だけあって、地上に比べると夏場は涼しく、冬場は寒く感じます。今回は夏場の気温と服装についてご紹介します。

近年は異常気象で日本中の温度がどんどん上がっている印象がありますが、高野山の僧侶の方と話した時にも、高野山は夏場でも30度を超えることが無かったのに、近年は30度を超える日もあり、熱さが厳しくなってきていると話されていました。

ですが、地上に比べるとやはり5度~8度ぐらいの気温差はあるのではないでしょうか。夕暮れ時は高くても25度~26度ぐらい、夜はエアコン無しでも窓を開ければ快適に過ごすことができます。

特にNGな服装というのはありませんが、神聖な場所であることを考えて身だしなみを整えるようにしましょう。

高野山での観光に役立つ参考情報

高野山内マップ

高野山内の散策マップ

高野山内にはこのような散策マップの掲示が主要な場所に設置されているので、高野山内で道に迷うことはないでしょう。
また、散策マップの通り、高野山の両端、大門から奥の院・一の端までの距離は約2キロ、奥の院までは3キロとそれほど離れていないので、徒歩での移動でも1時間半で歩けてしまいます。

高野山の散策は、訪れたい観光スポットの優先度を決めて、次にご紹介するバスの利用と合わせて効率よく回るルートを考えておきましょう。

散策にはバスを上手に利用しよう!

高野山内は主に、高野山駅⇔奥の院、高野山駅⇔大門を結ぶ2つのルートをバスが運行しています。それぞれのルートは高野山駅から入り、金剛峯寺のやや西側の千手院橋というバス停付近にある交差点で大門方面に行くか、奥の院方面に行くかでルートが分かれます。

高野山内はそれほど交通量が多くないので、奥の院から高野山駅まで混雑無しの場合は15~20分ほどしかかかりません。

高野山バスは、終日乗り放題のお得なチケットも販売しているのですが、こちらは高野山駅の営業所でしか購入することができません。また、購入した当日のみ有効なので、翌日以降に使うために前もって購入しておく、ということができません。
ですので、旅の日程が短期間で効率よく見て回りたい方は、高野山を訪れる当日の昼までには高野山に入り、午後半日を使って終日乗り放題きっぷで回れる観光スポットを回る、というプランが良いと思います。

高野山内を運行するバスの時刻表はこちらをご参照ください。

観光センターとコインロッカー

高野山の観光案内センターは金剛峯寺の正面の他、奥の院(一の橋)にも観光案内所が併設されており、宿坊案内協会も金剛峯寺の東側の交差点と奥の院(一の橋案内所)に設置されているので、必要に応じて、もしくは少し休憩するために立ち寄ってみましょう。

旅の初日や最終日は荷物を持っての移動が大変ですが、高野山内には下記の4か所にコインロッカーが設置されているので、必要に応じて利用しましょう。
・高野山駅
・宿坊協会の隣
・奥の院の観光センター付近
・霊宝館

高野山で外せない見どころ・観光スポット

壇上伽藍

西塔

高野山の中でも奥の院と並んで二大聖地とされるのが壇上伽藍です。壇上伽藍は空海が高野山を開創する最初の場所となった、まさに高野山の中心と言える場所です。

壇上伽藍の見どころは、何といっても真言密教の世界が体現された場所であることです。

壇上伽藍で最も重要な建物が、空海が最初に建てたとされる根本大塔。現在の根本大塔は昭和12年(1937年)に再建された比較的新しいもののため、鮮やかな外見をしています。

壇上伽藍については別の記事でその魅力と見どころをたっぷりご紹介しますが、根本大塔に祀られているのは胎蔵界の大日如来と金剛界の四仏です。大日如来は真言宗が説く最も重要な仏様であり、根本大塔はまさに大日如来のおられる浄土の世界を表現したものと言えます。

根本大塔は8時30分から17時までの間であれば、500円の拝観料を払って中に入ることが可能です。

根本大塔とセットで見ておきたいのが、その西に建てられた西塔です。こちらは根本大塔より後に創建されましたが、現在の西塔は1834年に再建されたものです。

根本大塔よりも再建が古いため、見た目も西塔の方が時の流れを感じます。ただし、西塔は内部に入ることはできません。

西塔に祀られているのは金剛界の大日如来と胎蔵界四仏。

真言宗の教義を絵で表現したものとされる両界曼荼羅は胎蔵界と金剛界の2つで1つとなりますが、それと同様に壇上伽藍も根本大塔と西塔で胎蔵界と金剛界を表し、2つで1つになっているのです。

その他、壇上伽藍には、空海が真言密教の道場にふさわしい場所に巡り合うことを祈願して投げた三鈷が引っ掛かっていたとされる「三鈷の松」や、この松まで空海を案内した、白と黒の2匹の犬を連れた猟師(狩場明神)ともともとこの地の神として祀られていた丹生都比売を祀る御社など、高野山創建の伝説の舞台となった見逃せないスポットもあります。

是非高野山と真言宗のお話を頭に入れて訪れると、より壇上伽藍をお楽しみ頂けるはずです。

金剛峯寺

金剛峯寺、というのは特定のお寺の名前ではなく、高野山全体の総称を示すものですが、高野山内には「金剛峯寺」というスポットもあります。スポットとしての金剛峯寺は、高野山全体の管理を行う宗務一切を取り仕切る事務所のような場所ですが、その誕生は豊臣秀吉がご母堂の菩提として寄進したことに始まります。

歴史的にも古く、秀吉が自害に追い込んだ豊臣秀次が自刃したとされる「柳の間」など見どころも多いので是非壇上伽藍と合わせて金剛峯寺も訪れてみてください。

奥の院

壇上伽藍と並んで高野山の二大聖地となっている奥の院は、弘法大師・空海の御廟があり、ここで空海が入定された大師信仰の中心となっている場所です。

入定というのは、空海が生死の範疇を超えて永遠の瞑想に入り、衆生救済、つまりあらゆる人々が救われるために祈りを捧げていることを言います。
このような入定信仰があるのは、日本仏教の中では弘法大師のみとされており、空海が入定されたことに関連するお勤めが毎日、奥の院では行われています。

空海の御廟に至るまでには20万を超える供養塔が建てられており、これらの中には真言宗以外の宗派、例えば親鸞聖人の供養塔もあります。

このように、弘法大師・空海の入定信仰により日本の総菩提所となった奥の院。その神聖な雰囲気を是非感じてください。

霊宝館

高野山、真言宗や弘法大師・空海に関連する文化財を数多く保存・管理しているのが霊宝館ですが、その中には国宝も数多く含まれており、特別展などが開催されている期間に合わせて高野山を訪れるとより楽しむことができます。

数々の重要な文化財はもちろん必見なのですが、特に是非とも見て頂きたいのが、空海の直筆とされる、あの有名な「三教指帰」です。もちろん国宝です。
この「三教指帰」は、空海が儒教・道教・仏教のうち、仏教が最も優れた教えであることを、物語風に説いた書物です。

もう1つ、空海が中国の唐から持ち帰ったとされる国宝の「諸尊仏龕」(しょそんぶつがん)という文化財があるのですが、こちらは観音開きの三面からなる木製の彫刻になります。
三面には釈迦三尊を中心として多くの仏さまが細かく彫られているのですが、両面を閉じて持ち運びができる作りになっているのがとても珍しいです。

より高野山を楽しみたい人向けのとっておき情報

ライトアップされた壇上伽藍

根本大塔

壇上伽藍は出入口に門などの施錠が無いため、24時間いつでも出入りが可能です。(ただし、金堂や根本大塔は社務所が開いている17時以降は閉じられ、中に入ることはできません。)
ですが、社務所の営業時間後も壇上伽藍は見どころがあります。

1つ目は18時にならされる鐘楼の鐘です。そして2つ目が壇上伽藍のライトアップ。

中門や根本大塔にはライトが当てられ、夜もくっきりとその美しい姿を楽しむことができます。夏場ですと、日が落ちてから辺りが十分に暗くなるのは19時以降になってから。
日帰りでは楽しむことができない壇上伽藍のライトアップ、こちらもぜひチェックしてください!

奥の院の朝のお勤め

御廟橋とその奥にある弘法大師・空海の御廟

先ほどご紹介した通り、奥の院は弘法大使・空海の入定信仰が今も息づく高野山の聖地です。

弘法大師・空海は今も奥の院の奥で人々のために祈りを捧げておられると信じられており、毎日御廟橋の手前にある御供所から、朝6時と10時30分の2回、お生身供(しょうじんぐ)が調理され、丁重にお供えされます。

御供所にて調理された食事は嘗試(あじみ)地蔵で味見をされ、3人の僧によって御廟へと運ばれていきます。運び方は、2人の僧が白木の箱に納めて籠のようにして前後で担ぎ、案内人として維那(ゆいな/僧侶の職名)が先頭を歩きます。

御廟に入った後は読経して再び御供所へと戻り、一連のお勤めは終了。
筆者が午前6時からの生身供を見学した時は、御廟での読経は7時10分ぐらいまで行われました。

1日に2回行われますが、やはり清い朝の空気感の中、見学者も少ない6時の生身供がおススメです。
この生身供は誰でも見学することが可能ですので、早起きは少しツラいですが是非見学してみてください!

日本の夕陽100選にも選ばれている絶景

大門から眺める夕陽

最後にご紹介するのが、高野山から見る夕陽。実は高野山は日本の夕陽100選にも選ばれている、とても美しい夕陽が見られる場所として有名な場所なのです。

美しい夕陽日を楽しむことができる場所が大門

大門の前には国道が走っていますが、その国道を挟んだ先には高野山を取り囲むように多くの山々が連なっています。
その山々の向こうに落ちていく夕陽の姿は、その先に極楽浄土があるかのようにとても美しく、まさに絶景。
山々の向こうに陽が沈んでいくその間際の数十分間の間は、絶えず夕陽に照らされる空の色がグラデーションをまとって変化していきます。

高野山は山の上にあるだけあって、雲が多い印象があります。
完全に雲に隠れてしまっては元も子も無いのですが、うっすらとかかった雲の合間をゆっくりと落ちていく夕陽は、雲の色さえも美しく変えてくれるので、雲一つない晴天より、適度に雲がある日の方がかえって美しく思えます。

日没の時間は季節や日によってズレますし、夕陽が見られるのは日没までのわずかな時間で、天候は完全に運によるところが大きいので、こればっかりは旅をされる日の天候を祈るしかありません。

ちなみに、夏場(8月)ですと日没は18時~18時半ぐらいが目安です。

 知っておきたい高野山のグルメ・ショッピング事情

高野山内のお店

高野山は真言密教の道場のため、お寺がたくさんあるのは当然ですが、実はそれだけではありません。

高野山内は1つの街になっていて、小学校から大学までありますし、公共サービスとして郵便局や消防署、警察署まで一通りそろっています。
町内には1日の決まった時間に時報が流れますが、朝8時過ぎには小学校の児童の登校時間であり、学校へ通う子どもたちからの挨拶放送も町内に流れます。

町内にはお土産屋さんはもちろん、コンビニもファミリーマートとデイリーヤマザキの2店舗、レストランの他にカフェや本屋もあり、一通りのお店は揃っています。

基本的にはバスのルートに沿って道沿いにお店が並んでいますが、デイリーヤマザキは通りから少し奥に入った通り沿いにありますし、レストランも通りから1,2本奥に入った場所にあるお店もあるので、ぜひ時間のある方は散策を楽しみながらお店を巡ってみてください。

おススメのグルメ情報

高野山内には、精進料理、和食(うどんなど)、中華、バー、居酒屋などレストランがいくつかありますが、数が多いわけではありません。
ですので、自ずと選択肢は絞られてくるのですが、今回はその中で3つお店をご紹介します。どれも一人旅の方にももちろんおススメのお店です!

角濱ごまとうふ総本舗

高野山と言えば精進料理が有名ですが、その中でもこちらのお店はごま豆腐が名物。

11時からランチも頂くことができ、店内は開放的で気軽に入ることができるので、高野山名物のグルメを堪能したい方にはおススメです。

ランチ価格としては少し高いかもしれませんが、観光プライス設定の店が多い中、まだこちらのお店の料金は手が届きやすいと思います。

角濱ごまとうふ総本舗
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山230
0736-26-8700
9時30分~16時30分
http://www.gomatohu.com/

居酒屋「みやさん」

高野山内でも人気の居酒屋がこちらの「みやさん」。

店内はテーブル席が3つほど、カウンター席も5,6席しかなくこぢんまりしたお店ですが、料理は焼き鳥から天ぷら、刺身までどれもリーズナブルな値段の上にこれが美味しい!
店内には所狭しと一品ものの品書きがしおりのように貼られており、どれも食欲をそそるものばかりで注文するのにも迷ってしまいます。

一人で飲みに来られている方も多いので、一人旅でもカウンターに座っていると自然と隣の人との会話も弾むのでおススメです。
(※新型コロナウイルス禍では感染予防対策に十分気を付けましょう)

みやさん
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山401
0736-56-2827
17時~22時

中華料理店「ミッチー」

デイリーヤマザキの隣にある中華屋さんが、こちらの「ミッチー」さん。

高野山内はやはり観光名所ということもありお高めのお店が多い中、こちらは町の中華屋さんといった感じでホッとするお値段です。

ご夫婦、ご家族?経営か分かりませんが、接客してくださるママさんもとてもフレンドリーで気さくな方で、高野山の見どころをいろいろ教えてくれますよ。

中華料理 ミッチー
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山448
0736-56-2858
11時~22時

高野山と言えば!宿坊での宿泊体験

基本的なスケジュール

高野山内には現在、117のお寺があるそうですが、その中で宿坊、つまり宿泊できるお寺はなんと52もあります。どのお寺に泊まるかは、そのお寺の歴史や見どころ、また観光スポットへのアクセスも踏まえて決めると良いでしょう。

ここでは基本的なスケジュール例をご紹介します。

チェックイン:午後2時~閉門

宿坊はお寺が提供してくれる宿泊施設であり、ホテルやゲストハウスのように観光客に合わせておもてなしをしてくれる場所とは少し勝手が違う部分がいくつかあるので注意が必要です。

その1つがチェックインの時間帯。基本的にはお寺が開いている時間で午後から夕方の間にチェックインをする必要があります。

もしどうしてもチェックインの時間に間に合わない場合は、おそらく事前にお寺からの案内を受けているかと思いますので、そちらに記載のある連絡先に必ず連絡しましょう。

連絡もせずチェックインの時間内にチェックインを行わなかった場合、キャンセル扱いとみなされてキャンセル料を取られるので注意してください。

夕食(精進料理):17時30分~

夕食の時間帯はお寺によって異なると思いますが、17時半から19時の間が一般的ではないでしょうか。

こちらもお寺で働かれている住職や僧侶さんたちのお勤めの合間におもてなしをしてくださっているので、時間の融通は利かないことが多いかと思います。気になる方は予約の際に夕食の時間をチェックするようにしましょう。

ちなみに、精進料理とは言えボリュームは多く、お腹もいっぱいになりますので、「少し物足らないんじゃ・・」というご心配は不要ですよ。

入浴時間:16時頃~22時頃

入浴時間もお寺によって様々。共同浴場はホテルのように夜遅く、又は朝早くまで開いているとは限りませんので、こちらも時間には気を付けるようにしましょう。

閉門後

お寺が閉まった後の外出についても、お寺ごとにルールが異なりますが、基本的には自由に外出することが可能です。

宿坊の中にも自販機が設置されているかと思いますが、コンビニや夜の散策に出かける場合は説明を受けたルールに従ってお寺に出入りするようにしましょう。

朝のお勤め:6時~

朝のお勤め時間もお寺によりますが、概ね6時から6時30分の間に始まるようです。

早朝に起きるのはつらいかもしれませんが、せっかくの宿坊体験、是非朝早く起きて朝のお勤めに参加してみましょう。

朝食(精進料理):7時30分~

朝のお勤めが終わってしばらくすると、朝食の時間です。朝食は夕食に続いてこちらも精進料理。

高野山の清々しい空気と朝のお勤め後に頂く精進料理は、また格別です。

チェックアウト:8時~9時頃

朝食を食べ終わった後は荷物をまとめてチェックアウトの流れとなります。

チェックアウトの時間帯も、ホテルと違って比較的早く行う必要があるので気を付けましょう。

宿坊ピックアップ

最後に、いくつか宿坊をピックアップしてご紹介しましょう。

下記にご紹介する宿坊以外にも魅力的な宿坊はたくさんありますし、また宿泊体験として精進料理と朝のお勤めの他、希望者には写経や阿字観の体験を提供している宿坊も多くありますので、そのような体験をしたい方は宿坊選びの際にそちらもチェックしてみてください。

①金剛三昧院

高野山内の宿坊の中では唯一世界遺産に登録されているお寺です。その寺内にはこちらも高野山の中では唯一の、国宝に登録されている多宝塔を見ることができます。

この多宝塔は、「尼将軍」として有名なあの北条政子の創建と伝わる、鎌倉時代のもので、創建当時の姿をそのまま今に伝えるとても貴重なものです。

金剛三昧院
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山425番地
0736-56-3838
http://www.kongosanmaiin.or.jp/index.html

②福智院

高野山内で唯一の天然温泉を楽しむことができます。しかも内湯の他に露天風呂付き。

先ほど、入浴時間は限られる、とご紹介しましたが、こちらの福智院の内湯については24時間いつでも楽しむことが可能ですので、お風呂でゆったりくつろぎたい、という方にはおススメ。

福智院
〒648-0211 和歌山県伊都郡高野町高野山657
0736-56-2021
https://www.fukuchiin.com/

③天徳院

こちらの宿坊の魅力は、高野山内で唯一、重要文化財に登録されている庭園です。お寺の宿泊と合わせて、美しい庭園も堪能したい方にはぴったりの宿坊でしょう。

場所も金剛峯寺の正面にあり、アクセスにも便利です。

天徳院
和歌山県伊都郡高野町高野山370
0736-56-2714

 

いかがでしたでしょうか。

世界遺産の高野山、ぜひ旅をして訪れるからには心行くまでしっかりと楽しみたいですよね。
この記事でご紹介した情報が、皆様の高野山の楽しい観光、一人旅のお役に立つことができれば幸いです。

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