今回は、文化三角地帯の1つ、古都ポロンナルワへの日帰り観光をレポートします!
アヌラーダプラよりもさらに広範囲に遺跡が点在しているポロンナルワ。
アヌラーダプラと同じく、見どころ解説も詳しく記載していますので、ポロンナルワの見どころはこれを読めば完璧です!
ダンブッラ→ポロンナルワ
ダンブッラからポロンナルワへのバス
スリランカの旅も早6日目、半分を過ぎました。
今日は、ゲストハウスで出会った中国人3人組と一緒にポロンナルワへ。
朝7時半に出発の約束をしていたので、7時頃に起きてセルフサービスの朝食(バナナ1個、卵、トースト3つと飲み物)で腹ごしらえ。
3人とも行くかと思っていたら、おばちゃん1人はお留守番の様子。疲れたのかな。
昨日と同じバス乗り場に行き、いつものように「ポロンナルワ?」を連呼してバスを待ちます。
そして、今回も運よく親切なおじさまに助けてもらえました!
そのおじさまも同じバスに乗るらしく、バスが来たら
「こっちにキナサイ」
と不愛想ながらも手招きして教えてくれて、ポロンナルワに到着すると、
「ここで降りナサイ」
と気難しい顔をしながらも、優しい人柄が滲み出てました(笑)
ちなみに、ポロンナルワまではダンブッラから約1時間ほど。アヌラーダプラより近く、市営バスで92ルピーでした。
ポロンナルワ
恐るべし、中国人パワー
ポロンナルワに到着して、さっそくトゥクトゥクを探すことにしました。
というのも、アヌラーダプラでの自転車観光のような体力勝負を、2日連続でする気力が無かった(ポロンナルワはアヌラーダプラよりさらに広い。。)のと、今回は3人で周るので、トゥクトゥクのガイド料金もシェアできて安くつくと思ったからです。
さっそくトゥクトゥクおじさんを見つけ、交渉スタート。
「ポロンナルワ、ガイドスルヨ!2,500ルピーネ。」
と値段を提示してきたので、まずはディスカウントを要求。
3人で割り切れる値段で、1,800ルピーを目標にしてみました。
(私)「いやいや、それは高い!1,800ルピー、3人で!」
(トゥクトゥク)「それはあんまりダヨ。。2,100ルピーでDo?3時間くらいで全部見せるヨ!」
相場が分かりませんが、なんとか2,000ルピーの壁は越えたかったので、
(私)「1,800ルピー!」
と譲らず。
かなり渋られましたが、何とか交渉成立。
中国人に、
「1人600ルピーだよ」
と説明をすると、まさかの拒否。
「No! Expensive!」と、自らトゥクトゥクおじさんに、手のひらをパーにして見せたのです。
つまり、500ルピーにしろ、ということ。
さすがにトゥクトゥクおじさんは、
「さすがに無理ネ!」
と難色を示すと、中国人は
「お前はクビだ!」
と言い放ち、別のトゥクトゥクを探す始末。
トゥクトゥクおじさんは後を付いていきながら、なんとか600ルピーで、とお願いしますが、全く無視する中国人。
そして、ついにトゥクトゥクおじさんが折れました。
「・・・分かった。500ルピーで良いヨ。。」
すると中国人はあっさり、
「OK!Let's go!」と機嫌を直し、結局3人で1,500ルピーでポロンナルワを案内してもらえました。
さすが、中国人。。英語を話せなくても、この押しの強さ。味方になると頼もしい!
ポロンナルワ観光
Museumでチケット購入
まずはアヌラーダプラと同じように、チケットを購入します。値段も同じく25ドル。
ここでも中国人はディスカウント!と値切りをしようとしてましたが、さすがに
「チケット代は決められているから、値切れないよ!」と伝えました。
Parakramabahu Palace Complex
まず案内されたのが、こちらのVijayotpava palaceです。
これは、Parakramabahuという、ポロンナルワを発展させた王が築いた王宮の跡で、周囲にはそれを囲っていた城壁も残されています。
当初は7階建ての荘厳な建物だったそうですが、今は写真の通り、3階部分までしか残されていません。
この奥に入ると、建物を仕切っていた壁も残されています。
見どころ
・7階の荘厳な王宮を支えていた、太いレンガ造りの支柱。
・創建当初は、1,000もの部屋が作られていた。
・中のレンガの柱に、焼失の跡が残されている。
・12世紀後半に造られたこの建物は、アヌラーダプラの王宮と建築技法は類似しているが、それまで無かった石灰を用いている。
Council Chamber
Vijayotpava palaceの向かい側には、こちらのCouncil Chamberが残されています。
昔の議会のような場所だったのでしょうか。
入口には立派な獅子の石像が置かれ、土台となっている石板には細かい彫刻が施されていて、じっくり観れば観るほど面白いです。
見どころ
・Vijayotpava palaceと並んで、当時のポロンナルワの中枢となっていた。
・建物の土台は3つの基盤から造られていて、それぞれの基盤の周りには彫刻が施されている。
・一番上の土台の石板に、ここがCouncil Chamberであると記されものがある。
Siva Devale
続いてやってきたのが、こちらのSiva Devale。
Sivaというのはヒンドゥー教の神様です。
これが、ポロンナルワの特徴の1つかと思いますが、ほとんどが仏教遺跡のアヌラーダプラに対して、ポロンナルワにはヒンドゥー教の跡も見ることができます。
13世紀頃に建てられたと考えられていますが、ポロンナルワ王都が滅びる前なのか、後なのか、気になるところです。
もともとポロンナルワは、ヒンドゥー教の南インド王朝であったチョール王朝に支配されていたのを、シンハラ人の王が奪還して王都とした場所です。
ですので、仏教による民族の集結と王都の繁栄を目指していた一方で、多様化する民族に対応するためにヒンドゥー教の寺院も認めていた、と考えることもできそうです。
見どころ
・祀られているのは、lingamと呼ばれるシヴァ神の男根を表す石。
・ポロンナルワの中でも数少ないヒンドゥー教の寺院。
Sacred Quadrangle:Thuparama
次に訪れたのが、Quadrangleと呼ばれる、仏教遺跡が集中したエリア。
11もの遺跡が密集した場所に残されています。
こちらのThuparamaは、ポロンナルワの中で唯一屋根の保存状態が優れている仏教遺跡。
昼間でも建物内はかなり暗いです。
写真のように、もともと中央に大きな仏像が安置されていましたが、今はその台座しか残されていません。
見どころ
・壁だけでなく、屋根もレンガ造りになっている。
・南インドの建築様式の影響を受けたと言われている、外壁のデザイン。
Sacred Quadrangle:Hatadage
スリランカにもたらされた仏歯は、最初の王都、アヌラーダプラに置かれていましたが、王都がポロンナルワに移るにあたって、仏歯もこの地に移されました。
そして、保管されていたのがこちらの遺跡になります。
もともと2階建てだったそうですが、今は1階部分しか残されていません。
仏教が多くのシンハラ人の心の拠り所になっているスリランカ。
名実ともにポロンナルワが王都になるためには、仏歯がこの地に置かれる必要がありました。
見どころ
・入口から真正面に仏像を観ることができる。
・3体の仏像のうち、中央の仏像の背が高く、2.7メートル。両端の仏像は2.3メートル。
・外壁に、南インドの踊りを表した彫刻がなされている。
Sacred Quadrangle:Vatadage
仏歯はもともと、こちらに納められていたものが後にHatadageに移されました。
円形の建物は、このVatadageがストゥーパであったことを示しています。
中央に置かれている仏像へ向かう階段や、建物の台座には多くの美しい彫刻が残されています。
見どころ
・外壁は3層に分かれていて、下からライオン、小人、ハスの彫刻が描かれている。
・北側の入口にあるムーンストーンが、ポロンナルワで最も保存状態が良いと言われている。
アヌラーダプラのムーンストーンとの違い
ポロンナルワのムーンストーンと、アヌラーダプラのムーンストーンを見比べてみると、いくつか違いがあるのが分かります。
1つ目は、描かれている動物の順番。
アヌラーダプラのムーンストーンは、象、牛、馬、ライオンが外側に描かれ、その内側に白鳥が描かれていますが、ポロンナルワのムーンストーンでは、白鳥が外側に描かれています。
2つ目は、動物の描き方。
アヌラーダプラは4つの動物が、同じ弧に描かれていますが、ポロンナルワでは、1つの弧に1つの動物しか描かれていません。
3つ目が、描かれている動物の種類。
ポロンナルワでは、ライオンと牛が描かれていません。
このうち、牛が描かれていないのは、ポロンナルワの時代にヒンドゥー教が一部で広まっていたことにより、神聖視されていた牛が外された、と言われています。
先ほどのSiva Devaleもそうですが、ヒンドゥー教の影が見え隠れしているのがポロンナルワの特徴と言えそうです。
まだまだSacred Quadrangleにはいくつかの遺跡が残されています。
ポロンナルワを訪れた際には、こちらは外せないスポットですね!
Rankoth Vehera
続いて訪れたのが、アヌラーダプラでも、何度も観てお腹いっぱいになったストゥーパ。
ポロンナルワはレンガ造りの建物が多いからでしょうか、裸足で歩くと地面が熱した鉄板のように熱く、数秒でもじっとしていられないぐらいの熱さでした。。
見どころ
・ポロンナルワのストゥーパでは最も大きく、重要な建物として位置づけられていた。
・この近くには、病院と思われる建物の遺跡や、僧たちの住居区があったと考えられている。
・このストゥーパが単独の仏教寺院か、他の仏教寺院(Alahana)の一部だったのは明らかになっていない。
Alahana Parivena:Lankatilaka
やってきたのは、Alahana Parivenaという、ポロンナルワでは最も大きい仏教寺院地区。
こちらの地区はもともと火葬に使われていた場所であったことから、その意味を表すAlahana、という名前が付いたそうです。
写真は、Lankatilakaという仏像を納めていた施設。
特徴としては、gedigeと呼ばれる、アーチ型の建物であることです。
このLankatilakaは、スリランカのこの時代の仏像寺院としては最大の大きさ。
中に入ってみると、その高さと大きさを実感します。
見どころ
・12世紀に創建された仏教寺院としては、スリランカ国内で最大であり、高さは約16.5メートル。
・中に納められていた仏像は、頭部が崩れてしまっている。
・外壁には豪華な彫刻がなされており、南インドの影響を受けている。
Alahana Parivena:Baddha Sima pasada
Lankatilakaの左手奥には、小さなストゥーパが並べられており、さらにその小高い丘の上にはBaddha Sima Pasadaと呼ばれる、仏教僧の講堂の跡があります。
言い伝えでは、当初は12階もの高さだったこの講堂。最上階には仏教僧が住んでいたそうです。
見どころ
・ポロンナルワにおける仏教を管理、取締まる中枢となっていた建物。
・2週間に一度、新月と満月の日には、僧たちが台座の周りに集まり、仏教の儀式を行っていた。
・石柱は108あると言われている。
Alahana Parivena:Kiri Vehera
こちらはLankatilakaの右側にあるストゥーパ。
ちょうどサイズ的にも、円形の形的にもきれいだと思っていたら、こちらのストゥーパは王妃によって造られたものらしいです。
女性目線で造られたので、形がきれいに感じるのでしょうか。
見どころ
・ポロンナルワにあるストゥーパの中では、唯一創建当時から現存するストゥーパとなっている。
・近年、白し漆喰で塗りなおされたのか、白さが際立っている。
Gal Vihara
途中に休憩をはさんで、次に来たのがこちらのスポット。
アヌラーダプラもポロンナルワも敷地内に出店がたくさんあるので、水分補給はこまめに取りましょう。
途中の店で、まだスリランカに来て1度も飲んでいなかったココナッツを飲んでみました。
飲まれたことがある方なら分かるかと思いますが、ココナッツは日本で飲むココナッツミルクのように甘くありません。
実を削って中に溜まっている水を飲むのですが、無色透明で少し生臭い感じです。
飲んだ後は、ココナッツを2つに割って、皮の内側についている白いゼリー状の膜を食べますが、これも味はあまりありません。
スリランカではドリンク用のココナッツは、「キングココナッツ」と呼ばれていて、オレンジ色をしています。
よく見る緑色のココナッツのみは、調理用に使われているのだそう。
さて、話を戻しますが、こちらのGal Viharaは、岩の中に4つの仏像が並べられています。
その昔は金で装飾されていたそうですが、それもすべて剝がされてしまっています。
瞑想している姿、立ち姿、横になっている姿と、仏像のポーズや大きさはそれぞれ違っているのが面白いです。
見どころ
・向かって右側の2体(上の写真)、立っている仏像と横になっている仏像が表すものには諸説がある。
・立っている仏像:仏陀か、Anandaという弟子か?
→ハスの土台に立っていること、細長い耳の特徴から、仏陀と考える説が一般的。
・横になっている仏像:横になって休んでいるか、入滅された姿か?
→両足がそろっておらず、片足が少し後ろにずれているのは休まれているのではなく、入滅されたことを表している、という説と、右ひじの上に頭を置いて横になっているのは、お休みになられていることを示している、という説がある。
Tivanka Image House
次に訪れた、こちらのTivanka Image House。
個人的にはこちらが一番感動しました。
建物の大きさ、外壁に施された細かくも美しい彫刻、そして中にある壁に描かれた壁画。どれも素晴らしい!
残念ながら建物内は撮影禁止ですが、ぜひ内部の壁画を一度見ていただきたいです。
見どころ
・Tivankaというのはシンハラ語で「3つの屈折」を意味しており、その名の通り、中に納められている仏像は、膝・腰・肩にかけて体のラインがくびれている。
・中に納められている仏像は、首と頭部が無くなってしまっている。
・外壁にはライオンや小人の彫刻が彫られている。
Lotus Pond
最後に訪れたのが、こちらのLotus Pond。
周りには空き地になっていて、その中にポツンとこの美しい形をした池の跡が残されています。
それにしても、この形といい曲線といい、思わず見とれてしまう美しさです。
見どころ
・美しい8枚の花弁のハスの形。
・Tivanka Image Houseを訪れた巡礼者のための、祈りを捧げる場として使われていたと考えられている。
いかがでしたでしょうか。アヌラーダプラと比較しながら観て周ると、より遺跡巡りの楽しさが味わえるかと思います。ぜひこの記事をご参考にしてみてください!
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